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軍用ボルボは560万円! パリダカで優勝した「C303」の民間個人オーナー車両は激レア物件でした

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軍用ボルボは560万円! パリダカで優勝した「C303」の民間個人オーナー車両は激レア物件でした

機能性とタフネスさを極限まで追求したモデル

2023年9月15日、RMサザビーズがスイス・サンモリッツで開催したオークションにおいてボルボ「C303」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

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オフロードでの走破性でも高い評価

自動車の機能性とタフネスさを極限まで追求したモデル。それが一般的には「オール・テレイン」と呼ばれるモデル達であり、その多くは軍用車として過酷な環境下で使用されている。先日開催されたRMサザビーズのサンモリッツ・オークションに出品された、ボルボの「C303」もミリタリー車両のマニアには、その存在はよく知られたところ。その姿はレンジローバーのV型8気筒エンジンを搭載した軍用車「ランドローバー101フォワード・コントロール」をも彷彿させる、まさに荒々しくも機能的な、そしておよそ飾り気のないシンプルなものだ。

ボルボはこのC303の開発を、1960年代の後半には開始し、実際に1974年から生産を開始した。その前身となったのは「L3314」シリーズで、こちらもビジネス的には大きな成功を収めたが、ボルボはより卓越したオフロード性能を実現するため、C303では4輪駆動の「4×4」を加えて「C304」として6輪駆動の「6×6」を、さらに8輪駆動の「8×8」を企画するが、結果的に8×8の計画は途中で中止されてしまう。

だがロック式のデファレンシャルを備えたポータルアクスルの採用によって、あのウニモグの如き大きな最低地上高を獲得したC303とC306は、車幅が狭く設計されていたこともあり、狭い林道などのオフロードでの走破性でも高い評価を得ることに成功。

C303のバリエーションは、ベーシック・ハードトップ・モデルの「Tgb11」のほかに、ソフトトップでスウェーデン軍の90mm砲、「Pvpj 1110」の搭載を可能とした「Tgb 1111」、さらにハードトップで無線と電話の装備を備えた「Tgb 1112」の3タイプが生産された。C303の主要なカスタマーはもちろんミリタリーだが、ボルボはさらにレスキューサービスや電力会社などの民間企業、そして自家用にもこのC303を販売した。

パリ・ダカール・ラリーで優勝

C303のメカニズムでもうひとつ注目したいのは、フロントミッドに搭載されるエンジンだ。これはボルボが1968年秋に販売を開始した大型ファミリーサルーンの「164」に搭載された、「B30」型エンジンがベースとなっている(プロトタイプではそれ以前のB20型が使用されていた)。

このエンジンの特長であるスムーズさや静粛性は、もちろんこのC303でも同様に感じることができる魅力のひとつ。最終的にボルボはこのC303を8718台生産するが、1983年のパリ・ダカール・ラリーでは、車重10トン未満のカミオン(トラック)クラスで優勝するなど、モータースポーツの世界でもその存在を世界に知らしめている。

じっさいに民間に販売されたC303は全体の25%ほどと推定されるが、その中にはマレーシア陸軍や、マレーシア警察、テレコム・マレーシアなども含まれるというから、個人オーナーがそれを所有する例はさらに小さな数字となるだろう。今回出品されたモデルは、1976年式のTab11。そのコンディションは年式や用途を考えれば比較的良い部類に入り、それを証明するかのように3万4500スイスフラン(邦貨換算約562万円)という落札価格でオークションは終了している。

ウォーン社製の電動ウインチ、BFグッドリッチ社製のオール・テレインT/Aタイヤ、前後に取り付けられたスポットライトなどのオフロード装備を考えれば、さらにそのコストパフォーマンスは高くなる。最終整備が2022年に行われているのも安心材料だ。

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みんなのコメント

1件
  • furima-jirosan
    まさしくボルボ版ピンツガウアーといったところですな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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