現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 最新のポルシェなのに「幌の脱着」が手動な上に何分もかかるってどういうこと!? 超面倒な718スパイダーのルーフの謎

ここから本文です

最新のポルシェなのに「幌の脱着」が手動な上に何分もかかるってどういうこと!? 超面倒な718スパイダーのルーフの謎

掲載 15
最新のポルシェなのに「幌の脱着」が手動な上に何分もかかるってどういうこと!? 超面倒な718スパイダーのルーフの謎

 この記事をまとめると

■ポルシェはオープンカーのルーフ機構を40年以上もかけて進化させてきた

ウソだろ! そんな開き方!? 個性にもほどがあるドアをもつクルマ5台

■一方で718スパイダーのソフトトップは開閉に手作業で20ほどの行程が求められる

■ポルシェのオープンモデルは元来より簡便なソフトトップがデフォルト

 70年以上の歴史を持つポルシェのオープンモデル

 ポルシェが911カブリオレを発表したのは1983年のことですが、以来40年以上をかけて進化してきたもの、それがオープンルーフ機構かもしれません。

 なにしろ、当初は手動オープンで、面倒な手順がいくつもあったのです。丈夫な布でできたソフトトップをクニャクニャと畳んだり、フロントスクリーンの上にあるレバーでロックしたり……。それでも、リヤエンドには畳んだ幌が見え隠れしたりして、メルセデス・ベンツSLやジャガーXJ-Sコンバーチブルのボディ同色のハードカバーが羨ましくなったりしたものです。

 が、最新型はもちろん電動、ワンタッチで開閉は約12秒しかかからない上に、時速50km/hまでなら走行中だって操作できるのです。いまや911カブリオレはプレミアムな高級車ですから、当然といえば当然の機能といえるでしょう。

 一方で、同じポルシェの屋根開きでも「なんじゃこりゃ!」と開いた口が塞がらないほど面倒なモデルがあるのです。いわずと知れた718スパイダーのソフトトップは、およそ20もの作業が求められ、手際よく進めたとしても2分、いやソフトトップをクルクル畳むのに少しでも手間取ったりしたら3分の大台も見えてくるはず。

 一体、この差はどういうことなんでしょうか。

 911に次ぐポジションとはいえ、あまりに手間ひまかかり過ぎ! 718だってまあまあのプライスなのに「これはないんじゃないの」と感じる方は決して少なくないでしょう。20あるプロセスは当然すべて手動であり、ロックレバーやスナップの付け外しのように単純な作業はともかく、二分割されたソフトトップは(リヤスクリーン部とルーフトップ部)クルクル&クニャクニャと畳んで収納しなければなりません。

 オープンドライブを楽しむためには相応の儀式が必要

 これだけ篏合やジョイント、スナップが多いとなればどこか一か所でも不具合が生じるだけで完璧なルーフは望めないはず。正確なところは不明ですが、細かく分割してパーツが出ればまだしも、ASSY交換だったりしたら誰もがゾッとすることでしょう。電動でないだけましかもしれませんが(911にしろ、ボクスターにしろ電動ソフトトップもひとたび不具合が生じると個人で直すのは一苦労どころではありません)、自分でリペアをする方にはくれぐれもお気を付けいただきたいポイント。

 とはいえ、ポルシェの側に立ってみると、あるいはちょっと古いエンスージアストとしてみると、こうした面倒なソフトトップというのも「あり寄りのアリ」かもしれません。というのも、718スパイダーの祖先をたどれば964や930、そもそもは356の時代から存在した「スピードスター」にほかならず、これらのモデルは共通して「簡便なソフトトップ」というのがデフォルトだったから。

 また、雨風をようやくしのげるくらいのシンプルさですから、幌を閉じた際もさほど大げさでなく、オープントップのプロポーションを損ねないスタイルというのも間違いないところ。

 シンプルゆえに構成部品も何本かの骨組みとキャッチくらいですから、開閉作業にもさほどの苦労はなく、どこかの小さな部品がパキッと折れたりすることも少なかった模様。もっとも、雨風をしのぐ機能もまた最低限だったこともたしかで、このあたりは最新の911カブリオレの足もとにも及ばないかと(布の表面には耐熱・耐候コーティングがなされ、複層構造によって通常のハードルーフと同等の快適性、防音性を誇っています)。

 いってみれば「ピュアなスポーツカー向け」という解釈もでき、ちょっと変態じみたエンスージアストは喜んでチマチマ開け閉めしていそうです(笑)。また、ポルシェにいわせたら「シャッター付きのガレージがあれば開閉の頻度はさほどあるわけでもなし」と鼻をくくったような返答になるかもしれません。

 いずれにしろ、20ものプロセスを経ねばならない設計はいくらバイザッハといえども褒められたものではないはず。いっそのこと、356当時の設計を流用したほうがまだ納得できるかも、といったらポルシェ信者に石を投げられるかもしれませんがね(笑)。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
VAGUE
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
レスポンス
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
レスポンス
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
くるまのニュース
新型フォルクスワーゲン・ティグアン発売。7年ぶり全面刷新、2Lディーゼルと1.5Lハイブリッドを展開
新型フォルクスワーゲン・ティグアン発売。7年ぶり全面刷新、2Lディーゼルと1.5Lハイブリッドを展開
AUTOSPORT web
【第2回】サイトウサトシのタイヤノハナシ:スタッドレスタイヤはなぜ効く?
【第2回】サイトウサトシのタイヤノハナシ:スタッドレスタイヤはなぜ効く?
AUTOCAR JAPAN
巨大GTウイングに赤黒の「トミカスカイライン」カラー! リバティウォークはトラック相手でも容赦なしの圧巻カスタム!!
巨大GTウイングに赤黒の「トミカスカイライン」カラー! リバティウォークはトラック相手でも容赦なしの圧巻カスタム!!
WEB CARTOP
ガスリー、ご近所さんになった角田裕毅とカラオケ熱唱「声枯れるほど歌った。楽しい夜だった」思い出アデルの曲も再び
ガスリー、ご近所さんになった角田裕毅とカラオケ熱唱「声枯れるほど歌った。楽しい夜だった」思い出アデルの曲も再び
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

15件
  • 7つの海を駆け抜けろ!
    昨今、便利で楽な事ばかりだが、あえて面倒な事に喜びを感じるそんなポルシェも良きです。
  • マキトシ
    それが嫌なら乗らなきゃいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1356.02024.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1034.83750.0万円

中古車を検索
718 スパイダーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1356.02024.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1034.83750.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村