強化したエンジンにシーケンシャルミッションも組んでD1GPライセンス取得を目指す!
しかし、第3戦日光の単走決勝では2本ともミスって追走進出を逃す…
「泣く子も黙る700馬力のファミリア3ローターターボ仕様!」最新のチューニング技術を駆使した細部の作りは必見!
塚本奈々美選手とともに、D1グランプリシリーズへのステップアップが期待されている女性選手といえば、今回紹介する下田紗弥加選手だろう。3月にお台場の特設会場にて開催されたD1GPオールスターシュートアウトでは、並み居る強豪D1GP選手たちを抑えて単走決勝を6位通過して追走進出を果たした実績を持っているのだ。
しか~し、このお台場戦のあとにエンジンがブローしてしまい、それを組み直していたこと、そしてあれこれ手直しをしていたことから、D1ライツシリーズへの参戦が遅れてしまったのだそうだ。そんな下田選手の第3戦日光の成績は…残念ながら単走決勝敗退。練習日は高い車速からの安定感ある走りで「追走進出まちがいなし!」と思われていたものの、本番日は路面コンディションに翻弄されて走りをまとめられなかったのが敗因だ。
とはいえ、シーケンシャルをミッション投入したり、エンジンも新たに組んで来たりして、今シーズンのためにポテンシャルアップしてきた下田選手のS15シルビアは必見の出来栄えだったのだ!
今年でドリフト歴5年目に突入するという下田紗弥加(シモダ サヤカ)選手は、2015年にお台場で開催されたD1グランプリシリーズを観戦して感化され、速攻でオートマ限定を解除してRX-7(FD3S)を購入。南千葉サーキットで開催される車楽人のドライビングスクールにてテクを磨くようになり、2018年に開催されたD1ライツシリーズのプレシーズンマッチでD1Aライセンスを取得。同年からD1ライツシリーズに参戦するようになった。
エンジンはお台場戦後にブローしたため、ブロックにスリーブを入れて耐久性を向上させてた上で、HKSのキットを使って2.2Lまで排気量アップ。ヘッドはエクストレイル純正を流用しており、いわゆるVEヘッド仕様となっているのが特徴だ。タービンはGTX3071Rで、ブースト1.35キロ時に530psを発揮している。
ダッシュボードは純正をそのまま使っているものの、メーター類は撤去してレースパックのIQ3データーロガーディスプレイに置き換えられている。ハンドルはモモドリフティングの33φだ。
「もともと使っていたのがどうしてもサイズが合わなかった」と、3月に開催されたお台場エキシビジョンマッチのあとに愛知県のブリッドにクルマを持ち込み、ジータIIIをベースに詰め物などで調整し、刺繍も追加されたというスペシャルシート。
今回から投入されたTTIの5速シーケンシャルミッション。最初は引いてアップ、押してダウンに慣れず、戸惑ってしまうこともあったというが、日光戦の前に練習を重ねて克服。「慣れてしまえば最高のミッション」というだけあって、練習走行では高い車速からの鋭い振り出しを連発していた。
車高調はすでに廃盤になっているトラストのグレッディパフォーマンスダンパータイプSで、バネレートはフロント8kg/mmのリヤ6kg/mm。サンライズの日比野ナックルバージョン3とイケヤフォーミュラのタイロッドが装着されている。
3月にお台場で開催されたD1GPオールスターシュートアウトのときから、タイヤはヴァリノのペルギア08Rを履く。サイズはフロントが245/40-17で、リヤは265/35-18だ。「だいぶ慣れたけど、中古にした時にどっからどこまでがいける範囲なのかってのが緻密に分かってない部分がある」と、今後はそこを研究していくそうだ。
レース前日の練習走行時から車速が高く鋭い振り出しの好走を連発し、大会当日になっても好調をキープしていたように見えた下田選手だったが、単走決勝の1本目は「前日よりも路面が変わって練習走行では止めることができなかった」ということを踏まえた結果、ラインが小さくなって得点が伸びず…。2本目は、角度を付けて奥まで飛ばそうと思ったところ行きすぎてしまいコースアウト。2本ともミスによって追走進出を逃した。
「当日の練習走行でクルマが止まらなくてリズムがくるっちゃったのと、タイヤマネージメントがあまかった感じですね。当日は相当落ち込んだんですけど、攻めずに置いてくるような走りをするのもイヤなので、攻めの気持ちでを持ちつつ成功させるってのが課題です」と下田選手。
次戦は8月31日(土)・9月1日(日)に奈良県の名阪スポーツランドにて開催される第4戦。昨シーズンは2本とも失敗で敗退しているラウンドだが「去年はダメだったので今年はリベンジしたいです!」と意気込んでいたので、下田選手の活躍に注目したいところだ。
TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO
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