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趣味性と実用性が融合 ポルシェ・パナメーラ(971型) 英国版中古車ガイド 走りは期待通り

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趣味性と実用性が融合 ポルシェ・パナメーラ(971型) 英国版中古車ガイド 走りは期待通り

2.9L V6に4.0L V8、PHEVまで多彩

実用性を高めたポルシェは、優れた評価を得るのに苦労することが多い。FRクーペの928や、SUVの初代カイエンには批判的な意見が少なくなかった。2009年に発表されたエグゼクティブ・サルーン、初代パナメーラも広く歓迎されたとはいいにくい。

【画像】趣味性と実用性が融合 ポルシェ・パナメーラ(971型) BEVのタイカンと写真で比較 全114枚

特に肯定されなかったのが、911に似せた顔を持つズングリしたプロポーションだった。しかし2016年に登場した2世代目、現行の971型では大幅に改善。走りでも、メディアの反応は初めから上々だった。

そんな2代目パナメーラには、様々なエンジンが選択肢として用意されてきた。ガソリンでは2.9L V6ツインターボに3.0L V6ターボ、ターボS用の4.0L V8ツインターボまでラインナップ。欧州では4.0L V8ツインターボのディーゼルも2018年まで選べた。

さらに2.9L V6か4.0L V8のツインターボに駆動用モーターを組み合わせた、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も設定。2.9L V6の4S Eハイブリッドの最高出力はシステム総合で560psに達し、モーターだけで53kmの走行を可能としている。

4.0L V8のターボS Eハイブリッドでは、スーパーカーも驚く700psをシステム総合で発揮。駆動用モーターだけで走れる距離は49kmへ短くなるものの、勇ましいサウンドを撒き散らし、0-100km/h加速を3.2秒でこなせる。

優れたシャシーが生む充足の運転体験

もちろんポルシェとして、操縦性も磨かれている。ボディサイズが大きく重い、エグゼクティブ・サルーンだという先入観は良い意味で裏切られた。

やや重めのステアリングホイールはダイレクトで、操舵に対する反応も精彩。グリップ力も凄まじい。姿勢制御に優れ煮詰められたシャシーバランスで、ドライビング体験には大きな充足感が伴う。必要なら四輪操舵システムもオプションで選べる。

乗り心地は硬めでも、不快に感じることはない。スポーツモデルとして、引き締められたと表現できるレベル。追加料金のエアサスペンションなら快適性を高められるが、ノーマルのコイルサスでも過度に不安視する必要はない。そこまで大きな違いはない。

搭載するエンジンによってトリムグレードも変化するが、どのパナメーラでも装備は充実している。オートエアコンはもちろん、12.3インチのインフォテインメント用タッチモニター、レザーシート、クルーズコントロール、LEDヘッドライトなどが標準で付く。

インテリアは豪華に仕立てられ、フロントシート側は空間にもゆとりがる。クーペのリアシートは、センターコンソールが伸びた2名掛け。前後にも上下にも広さは充分あり、背の高い大人でも問題なく座れる。

シューティングブレークのスポーツツーリスモを選択すれば、リアが3名掛けになり実用性も高まる。ルーフラインのスタイリッシュさも魅力だ。

グレードによって価格には2倍ほどの開き

現在の英国市場を確認してみると、中古車で971型パナメーラのオーナーになるには5万ポンド(約830万円)以上の予算が必要といえる。走行距離8万km以上の、4か4Sが選択できる。

4 Eハイブリッドでは5万5000ポンド(約913万円)から。ハイブリッドではない通常のターボなら、6万5000ポンド(約1079万円)程度に上昇する。

2020年に導入された4S Eハイブリッドや、ターボS Eハイブリッドとなると、現行型ということもあって10万ポンド(約1660万円)前後を用意しなければ難しい。流通量も限られている。

知っておくべきこと

パナメーラの燃費は、ハイブリッド以外ではあまり良くない。2.9L V6ツインターボのベースモデルで9.8km/L、ターボSでは7.8km/Lがうたわれている。一方、カタログ値の限りでは4 Eハイブリッドは50.0km/L、ターボS Eハイブリッドは37.0km/Lへ伸びる。

荷室容量は、リアハッチの付く5ドアクーペのパナメーラでトノカバー下が495L。シューティングブレークのスポーツツーリスモでは、520Lへ大きくなる。

購入時に気をつけたいポイント

整備履歴

ポルシェのディーラーで点検整備を受けるには、それなりの費用が求められる。英国でポルシェの認定保証を付けるには、111か所の点検をパスする必要がある。それでも、1年間の保証金額は770ポンド(約13万円)する。

予め、過去の整備履歴の確認はお忘れなく。英国の場合、指定されている点検整備の間隔は3万2000km毎か2年毎となっている。

リコール

報告されている不具合は少ないものの、英国ではリコールが出ている。リアアクスル側のアンチロールバー・コネクティングロッドに関する内容で、過度のノイズが発生するのと同時に、警告灯が灯る可能性があるという。

トリムグレードとスペック

パナメーラ 4 Eハイブリッドには、10イヤーズ・エディションという限定仕様が存在した。パノラミック・ガラスルーフにヒーター付きのシート、ドアのソフトクロージャー、ボーズ社製のハイファイ・オーディオなどが装備された特別なパナメーラだ。

英国編集部の推しチョイス

ベスト:2.9 V6 4 Eハイブリッド

4 Eハイブリッドは、最もお手頃価格な価格帯の2代目パナメーラ。燃費に優れ経済的で、動力性能に不足はない。冬場に心強い四輪駆動でもある。季節や場面を問わない、有能なポルシェといえる。

ワイルドカード:ターボS Eハイブリッド・スポーツツーリスモ

万能選手ぶりでは、恐らくパナメーラ最強だろう。スーパーカーに迫る走りを備えつつ、ガソリン代も節約できる。学校の送迎だけでなく、引っ越しにも活躍できる。1人のドライブなら興奮も味わえる。

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みんなのコメント

1件
  • 世界中で4ドアじゃない車を買うことに対する抵抗勢力が家庭内に存在するのだから仕方がない。
    4ドアなら まあいいか となる。
    ただし、勢いのある雄人間は、2ドアを譲りたくない。
    葉巻とポルシェは、男の最後の砦 という言葉があったが 今や只々懐かしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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