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BMW特集/最新情報網羅[BMWをもっとよく知る]

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BMW特集/最新情報網羅[BMWをもっとよく知る]

輸入車 [2022.09.30 UP]


BMW特集/最新情報網羅[BMWをもっとよく知る]

CITROËN C5 X【グーワールド コラム/ニューモデル】

VISUAL MODEL : BMW X5 xDrive35d
写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年11月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年9月調べ。

セダン、ステーションワゴン、クーペに加え、SUV、コンパクトミニバン、そしてBEVまで豊富なラインアップを持つBMWの魅力は、ずばりその走りにビシッと一本筋が通っていること。 「スポーティ」と表現するのは簡単だが、BMWの世界を貫くこの一本の筋は、多くの知見とこれまでの経験から生み出されたDNAから解き放たれる。その真髄を、今号ではテーマ別に紐解いていきます!


走りの気持ちよさとユーティリティが融合したSUVとコンパクトミニバン[BMW×FAMILY]
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス、BMW ※写真は一部本国仕様の場合があります。

セダンやステーションワゴン、そしてクーペといった「背の低いモデル」が注目されることの多いBMWだが、近年はSUVやコンパクトミニバンの人気も大幅に高まっている。そう、かつてのスローガンである「駆け抜ける歓び」は、すべてのラインアップに通じているのだ。


セダンやワゴンに留まらないBMWの世界
 長らくBMWは、セダンとステーションワゴン、そして、クーペなど、いわゆる背の低いクルマを中心に送り出してきた。今やモデルラインの強固な柱のひとつとなっているSUVさえ、2000年に発売されたミッドサイズSUV「X5」が、その歴史の幕開けであり、BMW初の MPVかつFF車となった初代「2シリーズアクティブツアラー」の投入も2014年と、ごく最近の話である。
 その背景には、かつてのブランドスローガン「駆け抜ける歓び」に込められた飽くなき走りへの追求がある。運転が楽しくなければ、BMWではないという強い信念によるものなのだ。そのため、新ジャンルへの挑戦にも用意周到で臨んでいる。初代X5の投入時は、傘下にSUVの名門「ランドローバー」の存在があり、2シリーズアクティブツアラーの礎としては、BMW製となった「MINI」のノウハウが活用されている。
 つまり、徹底した裏付けの下に、SUVやMPVを送り出したのである。その強い拘りを示すように、BMWはSUVを「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」と、クーペSUVを「SAC(スポーツアクティビティ・クーペ)」とし、さらに2シリーズアクティブツアラーでは「SAT(スポーツ・アクティビティ・ツアラー)」と表現。それらを独自の新ジャンルカーとして定義している。かつて私は、初代X5でサーキット走行を行ったことがあるが、SUVでも駆け抜ける歓びは感じられることに驚かされ、SUVに対するイメージが一変した。
 そのSAVは、今やコンパクトなX1からフラッグシップのX7までフルラインまで成長し、ユーザーのニーズや家族構成に最適なモデルを自由に選べるように。特にX5は、現行型より3列シートの7人乗りが選べるようになったのも朗報だ。一部を除き、4WDシステム「xDrive」が標準となることや、他モデル同様に、スポーティな「Mスポーツ」や高性能車「Mモデル」が用意され、クルマ好きのパパたちにも走る歓びを提供し続けている。
 今最もホットなのは、2世代目に進化した唯一のSAT「2アクティブツアラー」の存在だ。トールワゴンスタイルのハッチバックで、前輪駆動が基本。従来のBMWの流儀では生まれなかった型破りなモデルである。しかし、FF化は、コンパクトなボディサイズを最大限活用した機能的なキャビンと、ユーザーフレンドリーな価格を実現し、これまでBMWが取りこぼしていたファミリー層の獲得につながった。ただ初代の走りには、BMWらしさが薄かったのも事実。もちろん、BMWもそれをよしとせず、FFベースとなった2代目「X1」とともに熟成を重ね、新たなBMWの価値を磨いてきた。その成果は、FF化されたコンパクトハッチバック「新型1シリーズ」にも活かされている。今年2代目に進化した新型は、初代の弱点を克服した理想的なファミリーBMWと言ってもいいだろう。事実、新型は質感にも磨きをかけ、視覚と触覚の両面でプレミアム性も高めている。当然、走りも期待していいだろう。
 ドライバーの期待だけでなく、家族の期待を裏切らない、それがBMWのSUVとMPVなのだ。

PROFILE 自動車ジャーナリスト 大音安弘

好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ転身。現在は自動車ジャーナリストとして各メディアに執筆を行う。徹底的に取材するがモットー。


[BMW X5]20年以上の歴史を持つBMW初のSUV
 BMWらしい走りが楽しめるミッドサイズSUVとして、初代が2000年に登場。2019年にフルモデルチェンジし、4世代目へと進化。現行型は、先進機能の充実に加え、歴代最大のボディを活かした広々したキャビンが武器となる。全車4WDとなり、2種類のディーゼルMHEV、ガソリンのPHEV、高性能なMモデルとパワートレインも豊富だ。


上下開きの電動テールゲートは、重い荷物の出し入れにも便利。また簡易ベンチとしても活用できる。

主力となるディーゼルは、MHEVとなり、高い経済性と優れた環境性能に加え、パワフルさも兼ね備える。
X5 xDrive35d(8速AT) ●全長×全幅×全高:4935×2005×1770mm ●ホイールベース:2975mm ●車両重量:2260kg ●エンジン:直6DOHCディーゼルターボ+モーター ●排気量:2992cc ●最高出力:286ps/4,000rpm ●最大トルク:5.4kgm/500rpm(原動機始動時)、3.6kgm/2,500rpm(原動機アシスト時) ●新車価格:1030万円~1389万円(X5 Mを除く)

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奇数はスタンダードモデルを指す!

X1

X3

X7
 BMWの車名は、数が大きいほど車格が上。その数字の前に「X」が付く車種は、SUVを意味する。さらに数字の使い方にも法則があり、奇数はセダンやハッチバックなどのオーソドックスな車系に。偶数はクーペのスペシャルティカーが中心だ。2シリーズにはMPVが含まれるが、BMWのなかでは特殊な存在ということなのだろう。


[BMW 2シリーズ アクティブツアラー]広くて快適なBMWの2代目がデビュー
 今年6月に2代目に進化したBMW唯一のMPVは、力強くスポーティなエクステリアと内外装の質感の向上が魅力。風切り音の低減など快適性の向上も図られている。カーブドディスプレイなどを初めとした先進機能も強化。後席スペースも拡大され、ラゲッジ容量も470L~最大1455Lを確保するなど、アクティブなファミリーにも最適だ。


質感の向上などの進化で快適性を高めたインテリア。トリムレベルは、コンフォート志向の「エレガンス」とスポーティな「Mスポーツ」から選択できる。
218i アクティブ ツアラー(7速DCT) ●全長×全幅×全高:4385×1825×1580mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1530kg ●エンジン:直3DOHCターボ ●排気量:1498cc ●最高出力:156ps/5,000rpm ●最大トルク:23.5kgm/1,500-4,600rpm ●新車価格:447万円~476万円(2シリーズ アクティブ ツアラー 全グレード)


3列シートを備えたグランツアラー
 BMW唯一のミニバンである「2シリーズグランツアラー」は、手頃なサイズの3列7人乗りのクルマだが、いまだ新型車の情報は皆無。続報が待ち遠しいばかり。

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BMWが志すラグジュアリーとはドライバーオリエンテッドなこと[BMW×LUXURY]
文●大音安弘 写真●BMW ※写真は一部本国仕様の場合があります。

世界中にハイエンドサルーンは数あれど、7シリーズほど自らステアリングを握っても歓びを得られるクルマは少ない。それは、きっと自動運転機能が強化される未来も変わらないだろうと思うのは我々だけだろうか。いや、BMWに限って言えば、そうに違いない。なぜなら、それこそがBMWだから!


BMW流の高級車を体現する7シリーズ
 スポーツカーを除き、世界の名立たるラグジュアリーカーのなかでも、頂点に位置するモデルは基本的にショーファードリブンである。所有者は後席に収まり、お抱え運転手が付くクルマのことだ。
 もちろん、BMWのフラッグシップサルーンである7シリーズでも、後席の広いロングホイールベース仕様やリクライニングシートなどを備えたエグゼクティブ仕様を提供してきたが、オーナーがステアリングを握ることも想定し、BMWの提供価値である走りの楽しさ、つまり「駆け抜ける歓び」のあるクルマに仕上げることが伝統となっている。
 それを実感したのは、従来型7シリーズの最上位モデルとなるV型12気筒エンジンのロングホイールベースである「M760Li」で箱根の峠を走った瞬間のこと。重量級の大型セダンであることを忘れさせる軽快な身のこなしを見せ、ドライブを楽しませてくれた。特筆すべきは、従来型のV型12気筒モデルは、BMW M社が鍛えた「Mパフォーマンスモデル」しか選べなかったこと。これはBMWとユーザーのいずれもが、高性能なフラッグシップサルーンに快適な移動手段としての役目だけでなく、オーナーを楽しませる存在であることを求めていると理解してもいいだろう。
 かつてBMWは高級サルーンの在り方を映画で表現したことがある。それが97年公開の『007トゥモローネバーダイ』だ。数々の秘密兵器を備えたボンドカーとして「750iL」が登場。ボンドの相棒として、時に上品に振る舞い、窮地に追い込まれるシーンでは、スポーツカー顔負けの走りを披露し、ボンドを助けた。じつはMI6の「Q」部門が手掛けたボンドカーとしてセダンが採用されるケースは稀。これだけの機能を備えた専用車としては、7シリーズが最初で最後となっている。BMWが目立つスポーツカーではなく、フラッグシップサルーンを選んだのは、戦うビジネスマンを支える理想のフラッグシップサルーン像を表現したのではないだろうか。作中では、リモートドライブと完全自動運転、自動開閉ドアなどの機能が活躍するが、これらの機能の一部が従来型以降の7シリーズで実現されていることも、興味深いところでもある。
 もうひとつのBMWのラグジュアリーカーの柱となるのが、「2」、「4」、「8」のクーペモデル群だ。ボディサイズと価格帯こそ異なるが、いずれも同サイズのBMWよりも、スペシャルティな存在に仕立てられており、4ドア仕様を含めて、スポーティなクーペに仕上げられている。特にコンパクトクラスの2シリーズクーペは、4ドアクーペの「2シリーズグランクーペ」がFFベースであるのに対して、あえてFRレイアウトを踏襲し、コンパクトクラスでもBMWの伝統的な走りの魅力が味わえるようにしている。
 このようにBMWのラグジュアリーカーという価値には、豪華さや快適さだけでなく、ドライバー中心としたクルマづくりにあり、それを「ドライバーズオリエンテッド」と表現する。それは自動運転機能も強化される今も変わらない。クルマを運転する歓びが備わってこそBMWのラグジュアリーは成立するのだ。


[BMW 7シリーズ]重厚感のあるデザインとなった新型
 今年発表された7代目は、威厳に満ちた巨大なキドニーグリルと個性的な2段式ヘッドライトによるフロントマスクやロングホイールベースによる巨大なボディが印象的。機能面では、デジタル技術を駆使した数々のラグジュアリーな装備も大きなトピックだ。MHEV仕様のガソリンとディーゼルに加え、初のBEV「i7」も設定された。


優雅さと快適性を追求したキャビンには、レザー内装に加え、装飾にクリスタルガラスを用いるなど、まさに豪華絢爛だ。

カーブドディスプレイは、12.3インチのメーターと14.9インチのタッチスクリーンを組み合わせた巨大なもの。後席用操作パネルは、ドアトリムに内蔵した。

もちろん、スポーティなMスポーツも用意。前後バンパーが迫力のエアロ仕様となり、ホイールやスポーツブレーキ、ステアリングがM仕様となるのが特徴。
i7 xDrive60 ●全長×全幅×全高:5391×1950×1544mm ●ホイールベース:3215mm ●総電力量:101.7kWh ●モーター最高出力:前 258ps/後 313ps ●モーター最大トルク:前 37.2kgm/後 38.7kgm ●新車価格:1460万円~1670万円(7シリーズ 全グレード)

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[BMW 8シリーズ]美しさと走りを兼ねたグランドツアラー
 90年代に活躍した「8シリーズ」の流れをくむ最上級クーペとして、2018年に復活。美しさと力強さを併せ持つスタイリングは、BMWらしい走りのよさを予感させる。高性能なガソリン車だけでなく、最上級クーペモデルとしてはめずらしいディーゼル車も用意。今年3月の改良で、標準車がすべてMスポーツ化されたのもトピック。


スペシャルティカーのフラッグシップとなる8シリーズは、2ドアクーペに加え、4ドアクーペ「グランクーペ」と電動ソフトトップのオープンカー「カブリオレ」の3タイプを設定。さらに高性能なMモデルも用意される。

ドライバーを中心としたコックピットデザインに、豪華さとスポーツ性の高さを演出したキャビンは、まさに走り好きのために生まれた高級車だと感じさせる。
M850i xDrive カブリオレ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4855×1900×1345mm ●ホイールベース:2820mm ●車両重量:2120kg ●エンジン:V8DOHCターボ ●排気量:4394cc ●最高出力:530ps/5,500rpm ●最大トルク:76.5kgm/1,800-4,600rpm ●新車価格:1198万円~1907万円(8シリーズ 全グレード)

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BMW M 50th ANNIVERSARY/50周年を迎えたMの現在と未来[BMW×SPORT]
文●ユニット・コンパス 写真●BMW

BMWのモータースポーツ部門であり高性能なモデルを開発するスペシャリストであるBMW M社が2022年創立から50周年を迎えた。ここではM社の足跡とこれからの未来について紹介する。


モータースポーツと市販車を結びつける存在

NEW M2
 2022年、創立50周年を迎えたBMW M社。その成り立ちはモータースポーツでの勝利を目的としたもので、本社と独立したモータースポーツのスペシャリスト集団として誕生した。M社は70年代当時盛り上がりを見せていた欧州ツーリングカー選手権に3.0CSLを投入、6度の優勝を飾る活躍をみせた。
 モータースポーツでの勝利は市販車の売り上げにも貢献。するとBMWはM社に新たなミッションを課す。それは、モータースポーツで培った技術をベースにした特別な市販モデルの開発だった。その第1弾であり、BMW Mカーのシンボルとなったのが伝説のスーパースポーツM1。直列6気筒エンジンをリアミッドに搭載する本格的なスポーツモデルは、BMWのブランドイメージを大きく高めることに繋がった。
 M社はその後、80年からモータースポーツの頂点であるF1に挑戦。量産型の1.5L直4ターボエンジンを究極にまで磨き上げることで、800馬力もの最高出力を叩き出し、87年までに通算9勝という高成績を残している。
 モータースポーツと市販車をつなぐというM社のキャラクターを決定的にしたのが85年に登場した初代M3だろう。M3は、ツーリングカーレースに参戦するためのベースモデルでもあり、市販車の時点で徹底的に性能を追求していた。それが高性能を求めるユーザーの心を強烈につかんで大ヒット。販売台数は想定していた5000台を大きく上まわる1万8000台に。その人気は代を重ねるごとに右肩上がりとなり、3代目では8万5000台を超えた。
 究極のパフォーマンスカーとしてブランド化した「M」。現在では、その世界観を気軽に味わえるよう、市販モデルにも「Mスポーツ」や「Mパフォーマンスモデル」が用意され、ベースモデルもセダンやクーペにX5などのSAV(SUV)が加わり、さらにファンを増やしている。
 そして電動化時代への対応も着々と進んでいる。BEV(電気自動車)のi4にはMパフォーマンスモデルが早くも用意されているし、すでにコンセプトカー(Vision M NEXT)も発表済み。一方で、純粋な内燃機関ファンのために、新型M2ももうすぐ公開される。
 「M」は、これからもBMWの駆け抜ける歓びを加速し続けるだろう。


10月にワールドプレミア、2023年春の本国発売を予定している新型M2。そのパフォーマンスは現行型の高性能版M2 CS同等だという。

発表に向け、開発の最終段階でのテストメニューを消化している新型M2。写真のとおり新型は6速マニュアルトランスミッションを用意。

[M LINE-UP]クーペからSUVまであらゆるニーズに応える幅広いラインアップを完成
 1971年の3.0CSLから始まり、伝説のスーパースポーツモデルであるM1(1978年)にて花開いた市販車におけるBMW Mの歴史。現代では上の写真にあるとおり、そのラインアップはセダンやクーペだけでなくSUVにまで幅広く展開。BMWにおけるスポーツモデルの代名詞として人気を博している。


パフォーマンスを追求したCLS登場
 Mモデルを代表するM4に、スポーツ性能を極限まで高めた特別モデル「M4 CSL」が世界限定1000台で登場。リアシート廃止など100kgの軽量化と40馬力のパワーアップ、そして各所の特別装備により最もスポーティなモデルとなった。先日、日本導入も発表されたが、その数わずか25台で、オンラインによる抽選販売となった。


カーボンパーツへの置き換えなどで合計100kgもの軽量化を達成。また、テールランプはレーザー技術を採用した特別なものを備えている。

4つのモーターを備えるテストカー
 このテストカーは、次世代のドライブ&シャシー・コントロール・システムの可能性を探るべく開発されたもの。4つの電気モーターとシャシーを統合制御することで、これまでにないレベルの運動性能を実現できるという。


BMW最速のツーリングワゴン
 現時点で日本導入は未定ながら、この11月からM3のバリエーションモデルとしてM3ツーリングが生産開始となる。510馬力もの高性能エンジンを搭載するスーパーワゴンで、MotoGPのセーフティカーとしても採用されている。


[NEW i7]それは既存の価値観からの解放
文●ユニット・コンパス 写真●BMW

BMWがこれからどのように進化していくのか。そのヒントとなるのが最新の電気自動車i7をモデルにした有名写真家ニック・ナイト氏の作品だ。


最新高級BEVのi7と有名写真家がコラボ
 多くの人にとって写真とは、目に見えるものを記録する表現だろう。だが、ファッションフォトグラファーのニック・ナイト氏にとっての写真は、目には見えないものを創造し、写し出すものだという。
 最新のラグジュアリーBEVであるi7のプロモーションとして作品制作をオファーされたニック・ナイト氏は、まずi7について深く理解することからスタートしたという。完成した作品はどれも未来的であり、既存の価値観に容易に当てはまらない新奇さを備えている。
 今回の作品群についてニック・ナイト氏は次のように語った。
「今回のキャンペーンでは、人々のものの見方を少し解放し、新しい方法でイメージを解釈するよう促したいという思いがありました。それが、デジタルで色空間を反転させた理由です。画面を見ると、カメラの前とは違う世界が広がっていました。もはや私たちが住んでいる世界ではなく、存在しない幻想的な空間です。そこでは自由に何かを楽しんだり、新しいことを感じたりすることができます。新しい見方をもたらすだけでなく、ある種の決断や現実の制約から解放してくれます。私はすぐに、緑色や青色の肌をした人たちとの撮影が楽しくなりました。皆さんにも、この解放感を味わってもらえたらうれしいです。」
 我々は経験を通じて自らのなかに物の見方や判断基準を積み重ねていく。だがそれは時に、固執した考え方や価値観となって停滞を生み出す。そう、i7こそ、新しい時代のラグジュアリーカーであり、最新の価値観で作られたBMWなのだ。


BMWによる「前進主義のコンセプトを象徴するクルマ」というオーダーを受け制作された。

今最も先見性と影響力があるといわれているファッションフォトグラファーのニック・ナイト氏。80年代から山本耀司、アレキサンダーマックイーン、ジルサンダーなどとコラボレーションし、確固たる地位を確立。
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[BMW iX1×STEVE AOKI]最新BEV iX1のアートカーが登場
最新モデルと一流アーティストがコラボレーションするBMWアートカー。最新の電気自動車であるiX1をキャンバスに、未来へのメッセージが描かれた。

文●ユニット・コンパス 写真●BMW


スティーヴ・アオキ氏がアートカー制作に協力
 BMWを語るうえで欠かせないのがアートカーの存在だ。最新モデルをキャンバスに、時代を牽引するトップアーティストが腕をふるうアートカーは、走行可能なクルマ(ときにレースカーであることも)でありながら、同時に現代アート作品として扱われてきた。この伝統は、クルマのパワートレインがエンジンからモーターへと変わっても、BMWのなかで受け継がれている。
 最新のアートカーが公開されたのは、7月末にベルギーで開催された世界最大級の音楽イベント「トゥモローランド」でのこと。キャンバスになったのは、最新のBEVであるiX1。フルモデルチェンジしたX1をベースにした電気自動車だ。AWDモデルである「xDrive30」には、前後にモーターが搭載される。
 アーティストに抜擢されたのは、日系アメリカ人であるスティーヴ・アオキ氏。テーマは「メッセージ・オブ・ジョイ」。車体には、未来の人々への喜びと持続可能性のメッセージが記された。
 新型コロナの蔓延により、数年にわたり音楽イベントは中止となり、ウクライナでの戦争勃発など、社会情勢はますます不透明さと息苦しさを感じさせる。そんな状況だからこそ、未来への希望を表現したこのアートカーが輝いて見える。


スティーヴ・アオキ(1977年~)は、アメリカ出身の音楽プロデューサー、作曲家、音楽アーティスト兼DJで、ファッションデザイナーや起業家としても活躍している。

iX1は第5世代「BMW eDrive」テクノロジーを搭載。最初に登場する「xDrive30」は、最高出力313馬力で最大438km(WLTPモード)走行可能。

アートカーは世界最大規模の音楽イベント「トゥモローランド」にて発表された。

[BMW×USED CAR-1]今が買い時!? BMW先代モデルの中古車相場
現行モデルだと手が届きにくいけど、先代モデルなら現実的な価格帯で買えることがある。今回は人気BMWの先代モデルに注目し、相場を探っていこう。

文●ユニット・コンパス 写真●内藤敬仁、澤田和久、ユニット・コンパス ※中古車参考価格はグーネット2022年9月調べ。※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


[BMW 1シリーズ(先代)]現在では希少な存在のコンパクトFRモデル
 輸入車は、新型が出ると先代モデルが大きく値下がりするケースが多い。そして、なかには先代モデルのほうが魅力的な要素を備えている場合もある。たとえば1シリーズ、現行型はFF化したが、先代は同クラスでもめずらしいFRシャシーを採用する。走りを楽しむなら、先代モデルに軍配が上がる。しかも価格が安い!
 2011年発売なので、すでに10年以上が経過しているが、物件数は今でも豊富に流通。中古車平均価格は150万円となっており、100万円を切る物件も多いのが魅力だ。2015年には大幅改良が行われ、フロントデザインが一新された。この後期型の平均価格は185万円。どのグレードも物件が多いが、探しやすいのは1.6Lターボの「116i」。走りにこだわるなら3Lターボの「M135i」を。

中古車参考価格帯:40万円~440万円(11年~19年 全グレード)


室内の広さはFF化された現行型に劣るものの、先代モデルも実用性が低いわけではない。後席にも大人が過ごせる空間が確保され、ファミリーカーとしても十分使える。

年式別中古車物件ボリューム
2011年式:3%
2012年式:13%
2013年式:15%
2014年式:9%
2015年式:15%
2016年式:12%
2017年式:20%
2018年式:9%
2019年式:4%


[BMW 2シリーズ アクティブツアラー(先代)]相場がグンと下がった先代モデル
 より広い室内を求める人にオススメなのが2シリーズ アクティブツアラー。いち早くFFシャシーを導入し、コンパクトな大きさながらも広い室内を実現。こちらは2列シートだが、3列シートのグランツアラーも存在する。物件数が豊富で、特に初期の2015年式が3割近くを占める。中古車平均価格は180万円だが、100万円以下の物件も多数流通している。

中古車参考価格帯:70万円~400万円(14年~21年 全グレード)


このモデルの特徴は後席のゆとり。頭上、足もとともにスペースが確保されフル乗員でも快適に乗れる。荷室容量は最大で1510Lを確保でき、多くの荷物を積める。

年式別中古車物件ボリューム
2014年式:3%
2015年式:27%
2016年式:15%
2017年式:19%
2018年式:11%
2019年式:16%
2020年式:3%
2021年式:6%


[BMW 3シリーズ(先代)]BMWの大本命!手頃になった先代
 BMWの本命モデルといえば、やっぱり3シリーズ。2012年に登場した先代モデルは、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと各種パワートレインが設定されている。当初ディーゼルの相場が高かったが、現在の中古車平均価格(320d)は196万円と下がってきた。一方ガソリンは320iが豊富で、こちらの平均価格は180万円となっている。

中古車参考価格帯:80万円~370万円(12年~19年 セダンのみ・M3を除く)


年式別中古車物件ボリューム
2012年式:11%
2013年式:20%
2014年式:13%
2015年式:15%
2016年式:16%
2017年式:19%
2018年式:6%


[BMW 5シリーズ(先代)]上級セダンも先代なら100万円台
 2010年にデビューした先代5シリーズは、大幅に安くなっており、物件数も充実する。2013年以前の前期型は、100万円前後の物件も少なくない。特に注目すべきは初期の「523i」や「528i」で、低予算で自然吸気6気筒の走りを堪能できる(ただし物件は少なめ)。予算に応じた車探しができるだろう。

中古車参考価格帯:70万円~330万円(10年~17年 セダンのみ・M5を除く)


年式別中古車物件ボリューム
2010年式:12%
2011年式:22%
2012年式:16%
2013年式:17%
2014年式:12%
2015年式:12%
2016年式:9%


[BMW×USED CAR-2]先代ならクーペやSUVも手頃な価格で探せる
BMWのSUVやクーペにも買いのモデルが揃っている。先代モデルとなっても、色褪せにくいのが魅力。ここでは、BMW X3をはじめとする手頃な価格のSUV/クーペをピックアップしてみた。


[BMW X3(先代)]どんな場所でも頼もしいオールラウンダー
 せっかくBMWに乗るなら、セダンばかりじゃつまらない……。そんな人にはSUVやクーペを選ぶのもよい選択だ。最初に紹介するのは先代X3。全長4650mm、全幅1880mm、全高1675mm(2011年モデル)のミドルサイズは、運転のしやすさと室内の広さがバランスしているのが特徴。当初はガソリンエンジンのみだったが、2012年からディーゼルも追加され、幅広いエンジンを選べる。
 中古車はディーゼルの「xDrive20d」が豊富で探しやすい。こちらの中古車平均価格は270万円とやや高め。力強い走りを求めるならこちらを選ぼう。一方、ガソリンの「xDrive20i」は、平均価格が180万円と安くなっているが、物件数は少ない。なお、どちらもMスポーツ仕様が主流となっている。

中古車参考価格帯:90万円~360万円(11年~17年 全グレード)


10年以上前のモデルゆえデザインの古さは感じさせるが、居住性が高く快適だ。写真は「xDrive20d」で、最高出力184馬力、最大トルク38.7kgmを発揮してくれる。

年式別中古車物件ボリューム
2014年式:29%
2015年式:25%
2016年式:20%
2017年式:10%
2018年式:12%
2019年式:4%


[BMW 2シリーズクーペ(先代)]走りを楽しめる小型スポーツクーペ
 輸入車には大きくて高額なクーペは多いが、手頃な価格とサイズとなれば、選択肢は少ない。そんな希少な存在が先代2シリーズクーペ。中古車平均価格は、2L直4ターボの「220i」が220万円、3L直6ターボの「M235i/M240i」が310万円。カジュアルに乗るなら前者、スポーツクーペらしい走りを楽しむなら後者をチョイスしよう。

中古車参考価格帯:130万円~420万円(14年~21年 M2を除く)


4470mmの全長は、クルマとの一体感を感じられるジャストサイズ。取材車は赤いレザーシートがあしらわれている。220iにはMスポーツ仕様が設定される。

年式別中古車物件ボリューム
2014年式:17%
2015年式:24%
2016年式:13%
2017年式:15%
2018年式:11%
2019年式:11%
2020年式:9%


[BMW 4シリーズクーペ(先代)]優雅さと情熱を兼ね備えたクーペ
 3シリーズのクーペ版ともいえるのが4シリーズクーペ。ボディサイズは3シリーズに近く、2シリーズよりも落ち着いた走りが魅力。パワートレインは、2L直4ターボから3L直6ターボまで用意されるが、物件数が多いのは2Lターボ(420i)。中古車平均価格は、420iが230万円、435iが310万円となっている。

中古車参考価格帯:150万円~530万円(13年~20年 M4を除く)


インテリアの基本的なデザインは3シリーズと共通。豪華な仕立ても大きな魅力。

年式別中古車物件ボリューム
2013年式:6%
2014年式:39%
2015年式:16%
2016年式:19%
2017年式:13%
2018年式:1%
2019年式:6%


[BMW X6(先代)]クーペ風味の効いたSUV
 X5と共通のメカニズムを持つクーペSUVがX6。2014年に登場した2代目(先代)も手頃な価格でねらえるようになってきた。X5とは異なりガソリンのみで展開。3L直6ターボ(xDrive35i)と4.4LV8ターボ(xDrive50i)が存在するが、前者のほうが物件は多い。中古車平均価格は、「35i」が430万円、「50i」が460万円と同程度となっている。

中古車参考価格帯:360万円~530万円(14年~19年 X6 Mを除く)


年式別中古車物件ボリューム
2015年式:48%
2016年式:35%
2017年式:17%

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