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【ビッグネームを冠しているが派生車でも兄弟車でもない】名ばかりのクルマと侮れない6選

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【ビッグネームを冠しているが派生車でも兄弟車でもない】名ばかりのクルマと侮れない6選

 世の中には継続車、車名変更してリフレッシュを狙うモデル、ブランニューカーなどいろいろある。

 派生車はバリエーションを増やすための常套手段でファミリーを形成しているモデルも少なくないし、販売チャンネルなどの影響でフロントマスクなどを変更した兄弟車なども続々登場。

稀代の名車か? 進化はどこまで続く? エスティマが長年愛される理由

 しかし、中にはビッグネームを冠していて一見派生車や兄弟車のように見えるが、実はまったく違うクルマも存在してきたし、現在も存在している。

 これらのクルマをひとくくりに「名ばかりのクルマ」するのは少し乱暴な論調で気が引けるが、名前と内容が合ってないが個性や魅力を備えた侮れないクルマを6台ピックアップしてみた。ただし、今回はOEM車は対象外とする。

文:ベストカーWeb編集部/写真: TOYOTA、NISSAN、HONDA、池之平昌信

トヨタマークIIクオリス

販売期間:1997~2002年

 マークIIワゴンは長らく1984年にデビューした70系が継続生産されていたが1997年に生産終了。その後釜として登場したのがマークIIクオリスだ。

 当時はレガシィに端を発したステーションワゴン人気もあり、マークIIに新しいワゴンの設定は必須だった。

 マークIIワゴンの後継とは言うもののクオリスはマークIIとは名前が付いているがまったく別物。マークIIがFRなのに対し、クオリスはFFのカムリをベースにワゴン化したカムリグラシアの兄弟車だった。

全長4790×全幅1785×全高1470mm、2994cc、V6DOHC、215ps/30.5kgm、10.15モード燃費:9.2km/L、価格:345万円(3.0クオリスG)

 カムリグラシアとの差別化、マークIIとの近似性を強調するためにフロントマスクを当時のマークII風にアレンジ、スッキリ系のフロントマスク、本家のマークIIよりもはるかに広々とした室内で一定の人気はあった。

 エンジンも当然マークIIとは別物で2.2L、直4と2.5L&3L、V6の3種類をラインアップし、2.2Lと2.5Lには4WDも設定されていた。

 2002年に110系マークIIをベースとした正統派のFRワゴン、マークIIブリッドの登場により一代限りで姿を消した。ワゴン人気の凋落がなければ、クオリスという単一ネームで残っていたかも。

トヨタマークXジオ

販売期間:2007~2013年

 2007年に登場したマークXジオはミニバンとワゴンのクロスオーバーカーで、実質的にマークIIブリッドの後継的位置づけと言われていた。

 しかし、クオリス同様にマークXとは名ばかりで、マークXがFRなのに対し、当時トヨタが新開発したMCプラットフォームを採用するFFだった。

 これまでの日本車にない斬新なエクステリアを売りにしていたものの、ベースと言われていた2005年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカーのFSCに比べてごく普通なたたずまいとなってしまいインパクトもなかった。

全長4695×全幅1785×全高1550mm、2362cc、直4DOHC、163ps/22.6kgm、10.15モード燃費:12.8km/L、価格:286万円(240G)

 マークXジオは4+Freeというコンセプトをアピール。これはフロント、2列目を4座独立として、3列目をアレンジすることにより、ワゴン的にもミニバン的にも使えるというのをセールスポイントとしていたが、3列目はエマージェンシーシートの域を出ず、後に2列5人乗りが追加されるなど迷走した感は否めない。

 販売店などの絡みがあることはわかるが、新コンセプトを提唱したのだから、敢えてマークXの名前にこだわらず、ジオだけでよかったのでは?

トヨタクラウンコンフォート

販売期間:1995~2018年

 1994年に日産が市場投入したクルーに対抗し、トヨタは1995年にコンフォートをデビューさせた。コンフォートは小型商用車で、ほぼほぼタクシー専用車といったクルマだった。

 このコンフォートは小型タクシーだが、中型タクシー仕様としてホイールベースを105mm延長したのがクラウンコンフォートだ。

 クラウンと名乗るからにはチープではダメ、ということでクラウン譲りのグリル、王冠エンブレムも装着され、コンフォートと差別化されていた。

 クラウンの証である王冠エンブレムもデビュー時はシルバー、その後ゴールドに変更した後にシルバーに戻したりするなど地味に変更されていた。

全長4695×全幅1695×全高1525mm、1998cc、直4DOHC(LPG仕様)、113ps/19.0kgm、10.15モード燃費:9.8km/L、価格:251万2000円(2.0デラックスAT)

 そもそもコンフォートはクラウンベースではなく、80系マークIIセダンベースのため、その点では名ばかりのクラウンと言える。

 しかし、タクシーとしての需要は高く、2018年1月に生産終了となるまで、約24年間という長いモデルライフをまっとう。

 現在でも現役のタクシー車両として活躍中だし、クラウンコンフォートは耐用年数が40万km以上に想定されていると言われているので当面の間、街中から消えることはないだろう。

日産ローレルスピリット

販売期間:1982~1986年(初代)/1986~1990年(2代目)

 1980年代に入ると日本人のクルマへの関心が飛躍的に高まると同時に、質感や高級感を求めるようになってきた。各メーカーともそのニーズに合わせるかのように豪華仕様などをラインアップするようになった。

 そこで日産は1982年にローレルスピリットをデビューさせた。当時の日産車のヒエラルキーは、頂点にセドリック/グロリア(プレジデントは除く)、その下がスポーティなスカイラインと豪華路線のローレルで役割を分担。

 ローレルスピリットは、ベースとなったのは日産の載量販車種のサニー(B11型)で、メッキパーツなどを多用することで豪華仕様としたクルマだ。つまりサニーにローレルの豪華さを与えただけで、本家ローレルとは関係ない。

 エンジンは当時のサニーには1.5L、直4と1.3L、直4が搭載されていたが、ローレルスピリットでは高級感を強調するために1.5L、直4のみが搭載された。

 ローレルスピリットは豪華装備、快適装備を謳いながらも1500XJで119万9000円とサニーと変わらない価格で買い得感が高かった。

 ローレルスピリットは初代が1982~1986年、2代目が1986~1990年と2代にわたり小さな高級車路線で地味ながら奮闘。ローレルと関係ないながら2代にわたり生産されたのは一定の需要があった証拠だろう。

全長4050×全幅1620×全高1390mm、1487cc、直4SOHC、85ps/12.3kgm、10モード燃費:16.0km/L、価格:118万9000円(1500XJ)

全長4285×全幅1640×全高1385mm、1598cc、直4DOHC、120ps/14.0kgm、10モード燃費:12.6km/L、価格:178万3000円(グランドリミテッド

※ローレルスピリットの現役時代の燃費は10モード燃費(10.15モード燃費は1991年以降)

【番外編1】ホンダシビックタイプRユーロ

販売期間:2010~2012年(3510台の限定)

 2007年に4ドアセダンのシビックタイプR(FD2)がデビュー。強烈なスペック、胃袋が動くような硬い乗り心地もあり一般受けはせず販売苦戦。まさにマニア向けのクルマとして存在していた。

 そのいっぽうでハッチバックのシビックタイプR待望論が根強くあり、ホンダはそれに応えるように2009年11月から欧州の3ドアハッチバックのシビックタイプR(FN2)を日本に導入し、シビックタイプRユーロとして限定販売。

 シビックタイプRユーロは都合2回限定販売され、1回目が2010台限定、2回目が1500台だった。

全長4270×全幅1785×全高1445mm、1998cc、直4DOHC、201ps/19.7kgm、JC08モード燃費:10.8km/L、価格:298万円(ベースグレード)

 この当時シビックはマーケットによってデザイン、プラットフォームが違っていた。欧州版のシビックタイプRは、グローバルスモールプラットフォーム、つまりフィットと共通のプラットフォームを使った3ドアハッチバックだった。

 エンジンはFD2と同じ2L、直4DOHC、i-VTECでFD2が225ps/21.9kgmだったのに対し、タイプRユーロは、201ps/19.7kgmとやや控えめ。ハンドリングもマイルドで乗り心地もセダンとは比べものにならないほどよかった。

 シビックタイプRユーロがフィットベースということで名ばかりというのは、失礼すぎるが、同時期に発売されていた4ドアタイプRが歴代のタイプRの路線なのに対し、異端であることは間違いない。

【番外編2】トヨタカローラスポーツ

販売期間:2018年~

 2018年6月にデビューしたカローラスポーツは、欧州で人気が高かったものの日本ではブレークしなかったオーリスの後継車だ。

 このカローラスポーツは、名前こそカローラを冠しているものの、現行カローラアクシオ、カローラフィールダーとの共通点はほとんど皆無といっていい。

 なぜなら、カローラスポーツはプリウスで初採用された新世代プラットフォームの「TNGA」を採用。プリウス、C-HRに続くTNGA第3弾モデルなのだ。

 開発担当も、「カローラスポーツは基本的にC-HRとフロア、パワートレーンは共通で開発を進めた」とコメントしていることからも現行カローラとは関係がないことは明らか。

全長4375×全幅1790×全高1490mm、1196cc、直4DOHCターボ、116ps/18.9kgm、JC08モード燃費:17.2km/L、価格:261万3600円(GZ)

 パワートレーンは1.8Lハイブリッド(FFのみ)と1.2LターボでC-HRと同じだが、FFモデルには6MTが設定されているのが注目ポイントだ。

 現時点ではカローラと関係ないのにカローラと名乗っている名ばかりのクルマ、となるが、2019年にフルモデルチェンジするカローラがカローラスポーツに採用しているTNGAを元に開発されているとなると、先行的に発売されたモデルということになるので、単純に名ばかりとは言えないのだ。

 もっとも現行のカローラシリーズとまったく別物だとしても、オーリスではなくカローラスポーツとして発売したことで、トヨタがカローラの名前を大事にしていることが伝わってくる。

 カローラはこれまでにスプリンターという兄弟車もあったし、カローラの名前を冠した派生車が数多く登場してきたが、現在はカローラスポーツのみというのは寂しいかぎり。

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