運転姿勢など人間中心のクルマづくりにこだわった
アクセラ改め、世界基準のネーミングとなったマツダ3。古くは、愛車でもあったファミリアがマツダ323という車名だったのを思い出す。このタイミングでマツダ3の車名を与えたのは、このマツダの世界戦略車でもあるコンパクトカーが、マツダの新世代商品群の第一弾であるからでもある。
話題のスカイアクティブXは秋に登場! アクセラの後継モデルMAZDA3がついに日本で発売開始
写真、そして実車を見ても強烈なインパクトを受ける、キャラクターラインのない湾曲したボディ面で構成されるボディはじつに新鮮だ。周りの景色を映し出す、魂動デザインの深化そのものと言っていい。それは、引き算の美学。不要な要素を取り除く独自の造形である。
ファストバックとセダンを用意するボディのサイズは全長4460(セダン4660mm)×全幅1795×全高1440mm(セダン1445mm)。ホイールベース2725mm。ズバリ、アクセラ時代と大きく変わらない、日本でも扱いやすいサイズに収まっている。
パワーユニットはスカイアクティブG(ガソリン)の1.5L、2L、年内発売予定となる世界初の燃焼方式を採用し、ガソリンとクリーンディーゼルのいいとこ取りをしたマイルドハイブリッド機構を併せ持つスカイアクティブX。そしてスカイアクティブD 1.8Lクリーンディーゼルを用意。ミッションは6速AT、および6速MT(ファストバックのスカイアクティブG 1.5LならびにスカイアクティブX搭載グレードのみ)を組み合わせる。
今回、テストコースでプロトタイプを試乗する前に、さまざまな技術説明があったのだが、そのなかでもとくに興味深かったのが、「人間中心」という考え方への深い思いである。
例えば、走行性能においては運転姿勢にフォーカス。理想の運転姿勢を人間が歩いているときの姿勢と定義し、人間のバランス能力を引き出すことを追求したスカイアクティブ・ビーグル・アーキテクチャーを新開発。具体的には、自分の足で歩いているような運転感覚重視。シート、ボディ、サスペンション、タイヤでそれを実現しているのだが、人間のバランス能力を引き出す、骨盤を立たせた姿勢を保てるシート設計、レイアウトが肝となる。
実際に、いすの上に置く、姿勢を不安定にする健康器具で体験したのだが、骨盤を立てた姿勢を取ることで、姿勢が安定することを確認。
その上で、マツダ3の運転席に着座すると、上半身のサポートは自然なのだが、お尻がグッと沈み込み、腰まわりを優しくサポート。これまであまり経験したことがない新シート、着座感であることが分かる。とにかく心地よく、自然に座れるシートなのである。
ステアリング操作やブレーキペダルのタッチにもこだわりが
まずはファストバックのXD PROACTIVE ツーリングセレクションでゆっくりと、ショッピングセンターの駐車場で空いている駐車スペースを探しているような速度で走りだせば、1.8L、116馬力、27.5kg-mのスペックを持つクリーンディーゼルエンジンは、滑らかに、静かにマツダ3を走らせる。東京ディズニーリゾートの駐車場もそうだが、途中、パイロンが立ち、低速でステアリングを切るようなシーンに遭遇したりするが、その際、クルマが向きを変えても、肩が多少揺れても、頭の動きはないに等しい。
それがスカイアクティブ・ビーグル・アーキテクチャーの効果なのだが、低速のみならず、交差点の右左折、車速を上げたS字カーブが連続するようなワインディングロードの走行でも威力は絶大。すでに述べたように、シートの形状的サポートはほぼないにもかかわらず、お尻の沈み込みや、座面先端を持ち上げ、座面と太股裏をしっかりと密着させることができるサイサポート機能によって最適なドライビングポジションを決められれば(というか、決めないと意味なし)、高速レーンチェンジや山道走行でも、上半身に自由度がありつつ、お尻と腰がしっかりとホールドされ、なおかつ頭の動きは最小限のドライブが可能になる。
つまり、視線の動きも少ないため、長距離・長時間の運転(乗車)でも、疲れない。乗り心地に関しては、テストコース内のみの走行ゆえ、公道試乗での印象を待ちたいが、大径18インチ専用タイヤの縦バネの洗練されたやわらかさが際立つ、段差やうねりを乗り越えてもマイルドなタッチが好ましく感じられた。
マツダ3は安定感も抜群だ。大径ステアリングによるステアリングレスポンスの良さ、リヤタイヤの踏ん張りの良さのバランスが見事で、マルチリンクからトーションビームに、一見、スペックダウンしたかのようなリヤサスペンションも、じつは人間中心のチューニングに基づく変更だという。
ブレーキのコントロール性も抜群である。日常的な踏み始めからのタッチはソフトで踏みやすく、コントローラブル。一方、緊急時など急制動を要する奥では、ガッチリとした剛性感と制動性を持っていた。
エンジンの動力性能は、ある意味、スペックから想像する以上でも以下でもない。CX-5などに積まれる、2.2Lユニットの濃厚なエンジンフィール、豊潤なトルク感はないものの、むしろ爽(さわ)やかで穏やかな動力性能に好感が持てた。人間の足の筋肉に着目した、ペダル操作に対する加速度、コントロール性、自在度UPの思い通りの加速感も、そうした印象を支えるマツダらしい、スペックに現れない開発陣渾身の配慮である。マツダ3は「日常を鮮やかにする実用車」であり、スポーツハッチバックではない。ちょうどいい性能と言い換えてもいいだろう。
テストコースでの限られた試乗でも進化を体感
マツダ3の大きな特徴のひとつに、徹底した車内の静粛性レベル引き上げがある。その技術のひとつが、新たなる遮音、吸音対策。ボディまわりの穴をふさぐことでノイズの侵入を防ぐという観点からは、例えばドアスピーカーのための穴を開けずに済ませるため、ドアスピーカーをカウルサイドに移動。結果、ノイズの進入を押さえるとともに、スピーカー位置が乗員の耳に近くなり、よりよい音質を得ることにも貢献しているのだ。
加えて、ボディまわりの鉄は、振動を減衰させないので、振動エネルギーをBピラー内側などに張り付けた特殊樹脂で減衰させる手法を新開発。まさに、振動減衰力に富んだ、魔法のボディが実現できたのである。その特殊樹脂を張り付けた「減衰節」は10カ所にあり、そのほか減衰接着剤7.5m、剛性接着剤7.5mもの手当てが行われているからすごい。実際、路面の変化にも対応するリニアで穏やかな、質の高い静粛性実現しているという。具体的には、車内騒音レベルは上級SUVのCX-5に匹敵するとか。
一方、2LのスカイアクティブG、セダンの2.0S Lパッケージに乗り換えれば、プロトタイプの試乗車の個体によるエンジンフィールのバラつきは認められたものの、しっとり滑らかな加速フィールと、軽快感が魅力のファストバックに対して、より落ち着き感ある操縦性が特徴となる。こちらは本革シート仕様だったが、体重65kgの筆者だと、ファブリックシートほどお尻の絶妙な沈み込みが得られず、本革シートの選択は、やや体重のある人向けと思わせた。
ちなみにテストコースでの直進安定性は文句なく、140km/hでもビシリと直進。運転席&助手席、カーテン&フロントサイドに加え、ニーエアバッグまで全車標準とし、これまた全車標準のクルージング&トラフィックサポートCTSや、新たに前側方接近車両検知FCTAが加わった先進安全機能、全車速渋滞追従機能(AT車のみ)付きACC、ブラインドスポットモニタリング、レーンアシストシステムなどによって、連続高速走行、長距離・長時間のドライブも安心快適と思われる。
そして、KDDI製のSIMを装備することで、ヘルプネットのSOSコールボタンや、専用コネクトナビの装備で「MY MAZDA」というオペレーターサービスを利用することも可能。後者は緊急時のみの対応で、遠隔ナビ設定やお店の紹介などには対応していないが、安心という点では大きく進化したと言えるだろう(サービスの拡充は望みたいが)。
マツダ3が今年の国産コンパクトカーの目玉の1台であることは、今回の、ごく短時間のプロトタイプ試乗からでも明らか。走行性能における、操る側の基本中の基本と言える、どんな先進安全機能よりも先に語るべき、運転姿勢、運転の疲れにくさにフォーカスを当てたクルマづくりは、なるほど、勢いに乗るマツダの新世代商品群、第一弾のクルマへの深いこだわり・見識に思えた。
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