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ついたあだ名は「水中メガネ」! ホンダの真骨頂「遊び心」しかない「初代Z」とは

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ついたあだ名は「水中メガネ」! ホンダの真骨頂「遊び心」しかない「初代Z」とは

 この記事をまとめると

■N360の派生車として登場した「Z」は軽スペシャリティカーの先駆けだった

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■スズキからはフロンテクーペが誕生するなどライバルが生まれるほどのヒットとなった

■2代目は軽SUVに姿を変えて復活したが、こちらは時期が悪かったこともあり不発だった

 大ヒットした軽スペシャリティカーの先駆け的存在

 ホンダが4輪自動車への進出を決意し、まず開発に取り組んだのは軽自動車のスポーツ360(S360)とT360だった。それらは2輪で培ったホンダの高性能技術を随所に適用したクルマだった。そのあと、広く一般の消費者へ向けた本格的乗用車として登場したのが、N360である。その爆発的人気を受け、派生として生まれたのが初代ホンダZだ。

 N360のエンジンを活用しながら、外観は、軽自動車のスペシャリティカーと言っても過言ではない2ドアハッチバック車で、ドアハンドルは縦型に配され、ドア開口部と一体となるところや、後ろのハッチバックが窓枠と一体で開閉される機構など、大衆車と違った遊び心を備えていた。

 ホンダZの存在感は、登録車の日産スカイラインGTや日産ブルーバードSSSへの憧れと並ぶほど、ホンダという自動車メーカーの価値を訴える商品力を持っていた。

 1970年のホンダZに続き、翌1971年にはスズキからフロンテクーペが発売となった。軽自動車にお洒落さや贅沢さ、あるいはスポーティさなどが価値として広がった時代でもあったのだ。そして4ストロークエンジンのホンダZと、2ストロークエンジンのフロンテクーペという好みも分かれ、ホンダZ派かフロンテクーペ派かといった空気もあった。

 ホンダZの独特な顔つきは、初期には空冷エンジンを搭載したのでグリルが横長で細かったが、のちに水冷エンジンを搭載するようになってラジエターの冷却性能向上が必要になり、グリルの口を大きく開いた顔つきとなった。原点という意味では、空冷エンジン時代の顔つきが、ホンダZをより象徴し、精悍に見えた。

 この時代、ホンダの軽自動車ではライフという車種も1971年に登場し、N360を起点とした嗜好の多様さが生まれ、1970年からの排出ガス規制によって停滞気味であった新車市場に、軽自動車という枠組みのなかでクルマ選びを楽しめる一時代を築いたといえる。

 初代の生産終了から24年の空白期間を置いて、1998年に2代目のホンダZが現われた。

 初代とは趣が大きく変わり、ミッドシップにエンジンを搭載する今日のSUV(スポーツ多目的車)的な4輪駆動車であった。乗用車的な乗り味だが、ミッドシップであるがゆえに前後重量配分に優れ、4輪駆動による走行安定性を備え、あらゆる道で自在な走りを楽しめる軽自動車だった。

 しかし当時はスズキ・ワゴンRに象徴されるハイトワゴンの全盛期であり、2代目ホンダZの独創的商品性は必ずしも消費者に浸透しなかった。軽SUVのスズキ・ハスラーが人気を得るに至った今日であれば、2代目ホンダZはより消費者の関心を呼んだかもしれない。

 使い勝手や経済性など実用性が重視される軽自動車の基本的価値とは別に、心のゆとりや楽しさを覚えさせるホンダの提案が、初代と2代目のホンダZそれぞれに表現されていたといえるのではないだろうか。

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みんなのコメント

9件
  • カタログの見開きページで、アメリカ海軍のファントム戦闘機と並ぶ
    ホンダZの姿がなんとも凛々しい!
    よくこんな上手い写真が撮れたものだと感心します…
  • エンジン側のケーブルジョイント部がタコメーターよりも高かったため、経年劣化でエンジンオイルがタコメーター 内に入り込むトラブルがあった。
    同年代のスカイラインやセリカでさえ間接照明のメーターだったのに、NⅢとZは透過照明を採用した。Nはグリーン、Zは素敵な青だった。
    更にZには特別塗装色のゼロブラックと言う名前の艶消し黒があり、取説にはワックスを掛けないようにとの注意書きがあった。
    また、ライフにも採用されることになるボディのサイドパネルとルーフパネルの溶接部分をルーフ上面に設定し、モールで隠すという手法が採られた。これは現代のクルマの多くに採用されている。
    スペアタイヤは3分割のリアパンパーの真ん中が開いて、その奥に収納されているので、例え荷室に荷物があってもタイヤを取り出すことができた。
    GSには軽初のディスクブレーキと5速ミッションが搭載されていたし、遊び心というよりも、先進装備満載だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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