■初代「シルビア」は日本初のカラーTVアニメが始まった昭和40年に誕生
日産の「シルビア」といえば、「走り屋向けスポーツカー」「デートカー」というイメージを持つ人が多いと思います。もともと初代シルビアは、『走りよりも美しいクーペ』というスペシャルティカーとして登場しました。
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歴代シルビアのなかでも、初代シルビアは特異な存在です。発売期間は1965年4月から1968年6月となり、2代目シルビアの登場まで7年のブランクがありました。そのため、2代目とはメカニズムでの関連性は薄くなっています。
発売された1965年は、大塚製薬からエナジードリンクの先駆け『オロナミンCドリンク』が発売、日本初のカラーテレビアニメ『ジャングル大帝』が放送開始と、いまに続く新時代の幕開けの年でもありました。
初代シルビアは、発売前年の1964年の東京モーターショーに『ダットサン クーペ1500』という名で展示。その後、シルビアとして発売されます。
内外装デザインに携わったのは、日産の社内デザイナーだった木村一男氏。開口部以外に継ぎ目ないボディは『クリスプカット』と呼ばれ特徴的なボディデザインでした。
初代シルビアは、1965年当時の金額で120万円(現在の価値で約490万円:消費者物価指数で計算)となり、販売台数も少なく554台でした。
■メカニズムにも最新装備を満載
何よりも美しいスタイルが特徴的な初代シルビアですが、メカニズムは「ダットサン・フェアレディ(SP310型)」のシャシーに1.6リッターの直列4気筒エンジンを搭載していました。
いまでは、当たり前になったフロント・ディスクブレーキや変速時にギアを入りやすくするシンクロメッシュという機構を全段に付けた4速マニュアルトランスミッションを採用するなど、当時としては最新装備を備えています。
ホイールベースは、フェアレディと同じでサイズは小さく、全長3985mm、全幅1510mm、全高1275mmです。現行車と比較すると「日産 ノート」よりも全長は10センチ短い長さ、全幅は軽自動車よりわずかに広い程度というサイズになります。
そして、シルビアはモータースポーツへの参加も記録に残っています。国内のレースのほか、1966年の『第13回 マカオ・グランプリレース』などに参戦しています。
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