現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 本国ドイツと日本じゃ「カブトムシ」の愛称なのに世界じゃ……「ゴキブリ」「黄金虫」ってVWビートルの「あだ名」が自由すぎて笑う

ここから本文です

本国ドイツと日本じゃ「カブトムシ」の愛称なのに世界じゃ……「ゴキブリ」「黄金虫」ってVWビートルの「あだ名」が自由すぎて笑う

掲載 7
本国ドイツと日本じゃ「カブトムシ」の愛称なのに世界じゃ……「ゴキブリ」「黄金虫」ってVWビートルの「あだ名」が自由すぎて笑う

 この記事をまとめると

■総生産台数2000万台を超える通称フォルクスワーゲン・ビートル

フォルクスワーゲンの歴代オープンモデルを紹介!

■カブトムシという呼び名は本国ドイツで付けられたもの

■これが他の国に行くと違う虫で呼ばれる例が多数見られる

 同じ車種名なのに愛称が国によって違う「ビートル」

 車名が国ごとに違うこと、クルマ好きならよくご存じかと。最近の例でいえば、トヨタ・ハリアーは米国名「VENZA(ヴェンザ)」で、日産エクストレイルは同じく「ROGUE(ローグ)」と名付けられています。日本名そのままでは発音しづらいとか、慣習的に合わない(日本名そのままだと、妙な意味になる等)といったことから、車名が変えられるのはよくあること。

 一方で、お国柄で車名というかニックネームが変わるというクルマもあります。総生産台数2000万台を優に越え、世界各国でいまでも走り続けているフォルクスワーゲン・ビートルは、正式社名が「ビートル」になる前から、それこそ各国で勝手に名付けられ、親しまれてきたようです。

 ビートルの名は世界各国でまかり通っていますが、正式名称になったのはごく最近で2011年に発表された3代目からのこと。1998年に登場したFFになった2代目は「ニュービートル」という車名で、なんだかややこしいことになっています。

 愛称となったビートルはご承知のとおりドイツで初代モデルが「Kafer(カブトムシ)」とあだ名が付けられたことが始まり。そもそも初代は第二次大戦中にヒトラーがフェルディナンド・ポルシェ博士に「国民車」の開発を命じた「KdF Wagen」を原型としたので、戦後になって同社が生産する際もこうした記号的な名前でタイプIとか、1200や1300など、型式や排気量をもとにしたそっけない車名が続いたのだと思われます。

 となると、愛称とかニックネームで呼びたくなるのも自然な流れ。最初にドイツで呼ばれはじめた「Kafer(カブトムシ)」が「Beetle(カブトムシや甲虫)」と英訳され、偉大な愛称がスタートしたわけです。ずんぐりむっくりしたボディ、決して俊足ではない様子はまさにぴったりな表現ですから、世界中に浸透したのも大いに納得。しかしながら、そこからの発展というか、転生はいささかアナーキー(笑)。

 まずはビートルと呼ぶのが流行っていたかのようなアメリカなのに、一般的に定着したのは「Bug(虫けら)」という呼び名でした。ビートルが上陸した1950年代のアメ車はテールフィンが付いているようなフルサイズがトレンドでしたから、ふたまわりも小さなビートルがバグに見えてしまうのも致し方ありません。

 それでも、これは愛情を込めたニックネームでもあり、ディズニーによる「Love Bug」なんてビートルを主人公にした傑作映画が(続編とリメイク含め5~6本)製作されるほど。劇中ではビートルが「ハービー」と名付けられているので、アメリカのちびっ子に「ハービー」といえばビートルを指さすことがデフォ、らしいです。

 南米ではまさかの「ゴキブリ」呼ばわり!

 このケイファーとかビートル、あるいはバグという虫というキーワードは世界各国でさまざまな解釈がなされ、カブトムシ以外にもバリエーションが広がっています。たとえば、フランスでは「Coccinelle(てんとう虫)」だそうで、個人的にはカブトムシより的を射ているというか、可愛らしいのではないかと。さすが、芸術の国といった感じでしょうか。

 それがお隣のイタリアになると「Maggiolino(黄金虫)」となり、虫は虫でも国によって解釈が違うことがわかります。ただ、イタリア人に「マッジョリーノって知ってる?」と聞いてみると「ああ、美味しいよね」と謎の返答(笑)。アメリカのハービーほどには浸透していないようです。

 で、同じくラテン系のスペインになると「Escarabajo」。エスカラバッホと発音するようで、これまた甲虫、とくに黄金虫という意味だそうで、ケイファーを由来としていること想像しやすいですね。とはいえ、フォルクスワーゲン・エスカラバッホといわれても我々日本人がビートルをイメージするのはちょっと難しいかもしれません(笑)。

 また、同じラテンでもビートルを生産していたこともあるメキシコになると「Vocho」という愛称となり、意味こそ虫ですが、フォルクスワーゲン・ビートルだけにつけられたものだそう。なので、あえてフォルクスワーゲンという社名をつけなくても、レンタカーのカウンターなどでは「ボチョある?」で通じるみたいです。

 最後は南米での愛称「Fusca」。かの地ではビートルを指す一般的な呼び名として定着しているようですが、もとは「南米産の大ゴキブリ」の一種だそうです(笑)。たしかに、甲虫からカブトムシ、黄金虫といったトランスフォームはあるものの、ゴキブリまでたどり着くとは、さすが世界のベストセラーだけのことはあります。ブラジルでは「どんなクルマ乗ってんの?」「あ、ゴキブリ(fusca)だよ」的な会話が成り立っているのでしょうね。

※写真はアフリカでのフォルクスワーゲン・ビートル

 なお、フォルクスワーゲンがセンスいいなと思うのは、こうした各国の呼び名を車名エンブレムとして販売しているところかと。日本国内でも入手できたようですから、ビートルマニアの方は、ぜひお気に入りの愛称をチェックしてみてはいかがでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

7件
  • ヒトラーの遺産だね。
  • >最初にドイツで呼ばれはじめた「Kafer(カブトムシ)」が「Beetle(カブトムシや甲虫)」と英訳され、偉大な愛称がスタートしたわけです。

    ドイツ語の「Kafer(ケーファ)」も英語の「Beetle」もカブトムシ単体ではなく「甲虫」全体を指す言葉。
    それを日本ではBeetleを「カブトムシ」って訳しちゃったから誤解が拡がった。
    なのでゴキブリは違うけど、コガネムシもクワガタもテントウムシもすべて「Kafer(ケーファ)」であり「Beetle」ということ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

-万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

90.9320.0万円

中古車を検索
ビートルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

-万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

90.9320.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村