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ハイドロで車高上がってる状態? そう思ったアナタに読んで欲しい シトロエンC5 XヒプノスPHEV

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ハイドロで車高上がってる状態? そう思ったアナタに読んで欲しい シトロエンC5 XヒプノスPHEV

フラッグシップ、でもジャストサイズ

その昔からシトロエンが気になるという業界関係者は少なくない。

【画像】シトロエンC5 X ヒプノス・プラグインハイブリッド試乗の様子をみる 全53枚

今回も編集K君が「今度シトロエンC5 Xを借りるんです」と吹聴したら「ちょっと乗せて!」という輩がまぁまぁいたらしい。そこに今回のライターとカメラマンが含まれていたわけだが…

マニアが「今どきのシトロエンってどうなの?」と絶えず気にし続ける理由は、ドイツ車が定義していると思しき“現代自動車の指標”とは異なる静的/動的質感を期待してしまうからだろう。

C5 Xのスタイリングはクロスオーバーかつシューティングブレークのような個性派。まるでハイドロニューマチックで車高を上げた過去のモデルのよう。となれば乗り心地が気になって当然だろう。

シトロエンC5 Xは現行シトロエンのフラッグシップモデル。とはいえそのサイズ感はBMW3シリーズより若干長い(85ミリ)程度なので“扱いやすいサイズ感”といえる。

パワートレインはシトロエン/プジョーでおなじみの1.6Lのガソリンターボ・エンジンを搭載したモデルと、そこに110psの駆動用モーターを加えたプラグインハイブリッドの2本立てとなっている。駆動はシトロエンらしくどちらも前輪駆動である。

今回のシトロエンC5 Xヒプノス・プラグインハイブリッドは内外装に特徴がある特別仕様車。ブルーエクリプスとグリプラチナム(試乗車)という2色の専用ボディカラーと専用ホイールの他、インテリアにも特徴があり、外装のエンブレムやシートの端にギリシャ神話に由来するヒプノスのタグが添えられているのである。

ハイドロっぽい乗り心地はどこから?

シトロエンのフラッグシップといえば注目すべきはやはり「乗り心地」の部分だろう。

C5 Xのサスペンションは、かのハイドロニューマチックではなく金属スプリング。ところが走り出してみると、その乗り心地はペースの如何に関わらず極上なのである。

というかシトロエンらしくユーモアに富んでいる、と表現すべきか。今どき珍しいほどのストローク感があり、バネも柔らかい。このため大きな周期の振動は伴うが、それなりのボディの大きさ、ホイールベースのおかげで「乗り物」としての心地よさが感じられる。

もう少し観察していくとC5 Xの乗り心地にはスプリングの柔らかさだけでなく、シートの質感や車格に対して細くて厚みのある(205/55R19)エコタイヤ、さらにはPHC(プログレッシブハイドローリッククッション)と呼ばれるダンパーも寄与していそうだ。

PHCは名前ほどに複雑なシステムではなく、ダンパー内にセカンダリーダンパーが仕込まれたシステム。というとメガーヌR.S.が備えているHCC(ハイドローリックコンプレッションコントロール)が思い浮かんだ。

実際に両者の構造は似ているように見えるのだが、ルノーがそれをバンプラバー的に使っているのに対し、シトロエンはかなり早めからセカンダリーが働きだし、最後はリアホイール内から窺える白い塔のような別体の長いバンプストッパーで優しく受け止める。

ハイドロではないにせよC5 Xのアシはそれなりにコストが掛かっているのである。

これは秀作。それでも残るさらなる期待

C5 Xプラグインハイブリッドは乗り心地と、それ以外の部分の雰囲気にも整合性がある。

ほどよくラグジュアリーな内装や1.6Lターボ+8速ATの伸びやかな加速、そしてリアシートスペースの広さにもボディサイズ以上のラグジュアリー感が感じられる。

今回ひとつだけ気になったのはデジタルインターフェイスにけっこうな慣れが必要な点だが、オーナーならば時間が解決してくれる問題だろう。

1.6Lの4気筒ターボ、リアのアシは現代フランス車のほとんどをカバーするトーションビーム等々、C5 Xをスペックシートから読み解くと「大したもの」には見えない。

サイズのわりに安グルマ? という印象を持たれても不思議ではないのだ。だが先に記した通り、シトロエンは自分たちが重要視する部分=乗り心地に対して様々な策を講じている。また大き目のボディを小さなエンジン+前輪駆動で引っ張るというのはシトロエンの伝統でもある。一般的な結論として、C5 Xプラグインハイブリッドは秀作と言っていいだろう。

だが最後に一言、マニア的には「シトロエンの旗艦モデルにはハイドロニューマチックを!」というか「21世紀の今こそハイドロ+モーターで勝負してほしい!」と思わずにはいられない。

簡潔な作りはフランス車のお家芸だが、シトロエンのそれは他よりももう少し複雑、というか独創的であってほしい。外観だけでなく中身でも。だからこそファンは絶えず「今どきのシトロエンってどうなの?」と気にしてしまうのである。

試乗車のスペック

価格:682万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4805×1865×1490mm
燃料消費率:17km/L(WLTCモード)
駆動方式:FF
車両重量:1790kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1598cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:180ps/6000rpm
最大トルク:25.49kg-m/1750rpm
総電力量:12.4kW/h
フロントモーター最高出力:81kW/2500rpm
フロントモーター最高トルク:32.63kg-m/500~2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:205/55R19(フロント)205/55R19(リア)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

3件
  • suzuki
    シトロエンの場合普通のコイルスプリングサスでも伸び方向のストロークがすごく長めで段差などでフワッと上に浮く柔らかい感じが国産や他の車種とは大きく違う味付け。連続した段差で小刻みに上下するバネ下の動きとかも古くから。
  • ko2********
    つまりシトロエンのPHCがルノーのそれと違うのは、ルノーがセカンダリー側と捉えている領域をむしろメインとして、動き出し…プライマリー側の減衰を限界まで緩め、バンプストップは本来のバンプストッパーで受け止める、という考え方で組み立てているところなんですね。
    どちらかといえばハーモフレックに近い、とすると意外や日本にもシトロエン的なものがあったということですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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