スポーツランド菅生で行われたスーパーGT選手権第7戦のGT300クラスは、ポイントリーダーのARTA NSX GT3が初優勝。シリーズチャンピオン獲得に向け大きなリードを手にした。
BRZがコースレコードでPP
土曜日に行われた予選では61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝(右)がコースレコードでポールポジションを獲得。決勝日にはSUBARU代表取締役社長の中村知美氏(中)が激励に駆けつけ、井口卓人(左)らとSUBARU応援席に手を振り必勝を誓うのだが。
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天候に翻弄されたスタート、ポールの61号車BRZはドライタイヤで失速。その脇をレインタイヤ装着の2番手スタート55号車ARTA NSX GT3が危なげなくインを差しトップへ浮上する。
予選3番手の25号車HOPPY 86 MC、5番手の7号車D'station Vantage GT3もスリックタイヤでポジションを維持できない。56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG、33号車エヴァRT初号機 X Works GT-Rがこの2台、さらには61号車BRZも交わし2位グループを形成する。
熾烈な2番手
55号車NSXは一気にペースを上げ差を広げにかかると、やがて10秒以上のリードを築き独走体勢に。2位争いは56号車GT-R、4号車AMGが、そして65号車LEON PYRAMID AMGがジワジワとポジションを上げこれに加わる。そして11周目に4号車が56号車を捉えると、13周目には65号車もこれをパス。
2台のAMGはやがてテール・トゥ・ノーズ状態のバトルを展開。4号車はヨコハマ、65号車はブリヂストンと履くタイヤは違うがお互い一歩も引かぬこう着状態。するとここでGT500クラスのマシンがコースアウト、SC導入前にと37周目に2台同時にピットインをする。ここでピット作業を素早く終えた65号車が4号車の前でコースに復帰、実質2番手ポジションを手にする。
4号車、65号車の2台のAMGの直後につけていた96号車K-tunes RC F GT3だが、SC導入前にピットインできずに大きく遅れをとってしまう。しかしSC解除後すぐピットへ向かい、やがてここから怒濤の追い上げを見せることに。
55号車NSXもSC導入前にピットインを行いトップの座を堅持していた。しかしその背後に65号車をコース上で攻略した4号車AMGが急速に接近。路面のコンディションとヨコハマタイヤがマッチしたのか、1.5秒差まで詰め寄る。しかしその後、今度は55号車のブリヂストンが有利に働き再びギャップを広げ始める。
NSX GT3の初勝利
最終的に2位に15秒の大差をつけ55号車ARTA NSX GT3が、マシンをスイッチしてからの初優勝。未勝利のポイントリーダーがついに1勝を手に入れた。またこれはスーパーGTにおけるNSX GT3の初勝利でもあった。
そしてピットでは主に55号車を監修する土屋圭市エグゼクティブ・アドバイザーがスタッフと喜びを分かち合っていた。
優勝した55号車の2人はシリーズポイントで14.5ptもの大量リードで最終戦を迎えることになる。その相手は後半怒濤の追い上げで3位入賞を果たした96号車。かつてペアを組んでいた高木真一と新田守男、共にホンダ育成ドライバー出身の福住仁嶺と阪口晴南。奇しくも相似形の2組が最終戦で一騎打ちとなる。96号車は優勝しなければ望みは無いと言って良い程のポイント差だが、昨年12ptリードを逆転されシリーズ王者を奪われた55号車高木も安心はできない。今年こそはと勝利を狙ってくるはず。
スーパーGT選手権 GT300クラス 第7戦決勝結果(ポイント獲得者)
1位 55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺)
2位 4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
3位 96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)
4位 65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
5位 56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ)
6位 33号車 エヴァRT初号機 X Works GT-R(ショウン・トン/道見真也)
7位 21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/富田竜一郎)
8位 52号車 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹)
9位 9号車 PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE(横溝直輝/峰尾恭輔)
10位 18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮)
2019スーパーGT GT300クラス ドライバーランキング(上位10組)
1位 61.5pt 高木真一/福住仁嶺(55号車)
2位 47pt 新田守男/阪口晴南(96号車)
3位 41.5pt 谷口信輝/片岡龍也(4号車)
4位 41pt 平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ(56号車)
5位 36.5pt 小暮卓史/元嶋佑弥(88号車)
6位 31.5pt 蒲生 尚弥(65号車)
7位 29pt 高橋翼/アンドレ・クート(87号車)
8位 28pt 平中克幸/安田裕信(11号車)
9位 27.5pt 脇阪薫一/吉田広樹(52号車)
10位 25pt 吉本大樹(60号車)
シリーズ最終戦は11月2,3日にツインリンクもてぎで開催される。ポールポジションの1ptを巡り予選から激しいバトルが期待できそうだ。(PHOTO:井上雅行)
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