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【昭和の名車 125】日産 プレジデントは国産初の大型高級乗用車として誕生した

掲載 更新 10
【昭和の名車 125】日産 プレジデントは国産初の大型高級乗用車として誕生した

以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「日産 プレジデント」だ。

日産 プレジデント(H30型):昭和40年(1965年)10月発売
1965年(昭和40年)10月の東京モーターショーで発表されたのがプレジデントだ。当時、車両価格が300万円という高価な設定だったが、背景には国内でも高級車に乗りたいという要望が高まっていたことがあった。現実的に公用車、社用車、自家用車としては同クラスのアメリカ車や欧州車が多く、それを使用している層が同等の国産大型車を待望していたともいえる。

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プレジデントの室内長は1940mmあり、これは当時のアメリカのフルサイズカーであるリンカーン・コンチネンタル(1900mm)よりも長かった。プレジデントはこの室内スペースいっぱいに豪華さを演出したのが最大の特徴だ。シートは特殊レザー張りとするだけでなく、ベンチタイプを始めセパレート、セミセパレートなど、42種類の組み合わせから選べるようにし多様なニーズにも応えた。

機能部品も当時の最先端を行くものだ。フロントウインドーに熱線吸収ガラスを採用し、リアウインドーは曇り防止のために電熱線入りとしたほか、パワーウインドー、パワーベンチレーター、パワードアロック、パワーシート、クーラー、リアシート専用ヒーターなどの豪華装備を満載した。

搭載されるエンジンはY40型と呼ばれる4LのV8 OHVとH30型という3Lの直6 OHVの2種類となる。前者のスペックは180ps/32.0kgm。最高出力は4800rpmとほどほどの回転数ながら、最大トルクは2800rpmから発生するというもので、アメリカンV8的に低回転からモリモリとトルクが立ち上がるエンジンだ。メカニズムも4バレルキャブレター、電気式オートチョーク、デュアルエキゾーストパイプを採用する凝ったものとなった。エンジンの静粛性を図るために、オイルタペットとサイレントチェーンを採用し、高級車にふさわしい快適性も持たせている。このV8エンジンはC仕様、D仕様の2グレードに搭載された。

後者のH30型直6は、最高出力130ps/4400rpm、最大トルク24.0kgm/3200rpmを発生した。当然V8には劣るが中低速でトルクが太い実用的なエンジンとなっており、こちらはA仕様、B仕様の2グレードに搭載された。

トランスミッションは2種類あり、D仕様、C仕様とB仕様のオプションとして、ボルグワーナー製の6ポジション3速ATが採用された。6ポジションとは、P、N、L、D1、D2、Rのことで、従来のDに加え走行状態に応じてD1(ロー発進)、D2(セカンド発進)が選択できるのが特徴だった。A仕様は標準で3速フルシンクロMTとなる。

ボディ構造は、サイドメンバーを内蔵する強度剛性の高いモノコックボディを採用するなどし、車格にふさわしい安全性も配慮されている。サスペンションはフロント:ダブルウイッシュボーン/リア:リーフリジッドという当時の高級車の公式に沿ったもの。ちなみに乗用車としては日本初のパワーステアリングを採用したのもプレジデントだった。

ブレーキは全グレードともフロントにディスクブレーキが採用された。当時のディスクブレーキは初期制動力の甘さが指摘されることがあったが、プレジデントではマスターバック付きとすることで、小さな踏力でも十分な効きが得られるようにしていた。

プレジデントは、その時代の最先端技術が注ぎ込まれた日産車のフラッグシップとして、1965年の登場時から2010年まで長きに渡ってその役目を務めたが、2012年に5代目シーマに統合されるかたちで、その幕を閉じた。



日産 プレジデント D仕様 主要諸元
●全長×全幅×全高:5040×1795×1460mm
●ホイールベース:2850mm
●重量:1600kg
●エンジン型式・種類:Y40型・V8 OHV
●排気量:3988cc
●最高出力:180ps/4800rpm
●最大トルク:32.0kgm/3200rpm
●トランスミッション:3速コラムAT
●タイヤサイズ:7.00-14 6P
●価格:300万円

[ アルバム : 日産 プレジデント はオリジナルサイトでご覧ください ]

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