トヨタ ヴェルファイア 「アルファードよりも個性を演出できる」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
3
燃費
3
価格
2

アルファードよりも個性を演出できる

2023.9.4

年式
2023年6月〜モデル
総評
先代は兄弟車のアルファードに差を付けられていたヴェルファイアだが、エンジンやパフォーマンスパーツなどの専用装備が与えられ見た目だけじゃないキャラクター性が増して登場した。発売と当時にスマッシュヒットとなっているわけだが、このキャラクター性の深化は大いに正解だったと感じる。パーソナルカーとして所有するのであれば、アルファードよりも個性を演出できる選択ではないだろうか。
満足している点
大きな車体であることは間違いないが、日本市場での使いやすさを考えて全長5m、全幅1850mmを守っている点は素晴らしいと感じる。また、実際に座ってみるとウィンドウの配置の影響からか先代モデルよりも視界が良く、車体の見切りがしやすく狭い道での運転がしやすい点も好印象だ。乗り心地や高級感という点は言うまでもないが、長時間ドライブでも疲労度が少なそうなドライビングポジション、ロールの少ないフラットなコーナリングなどミニバンらしからぬ好印象を感させる。
不満な点
価格的な選択肢の少なさが現時点での不満点と言えるだろう。これはじきに解決されることを期待したい。機能的な面で言えば3列目シートの収納・展開の難しさ。ファミリーカーとして考えた場合、女性が1人で3列目シートの跳ね上げ操作を行うシチュエーションが多いと思うが、これが難しいのはネックと言えるだろう。あとはやはり納期が長いこと、読めないことが市場からも不満が多いのではないだろうか。
デザイン

5

全体的なシルエットはアルファードと共通となっているが、ミニバンでありながらサイドに独特のボディラインがあしらわれているのは独自の世界観を上手く演出している。また、フロントマスクがアルファードとヴェルファイアの大きな違いであるが、先代と異なり静かな力強さを感じるフロントマスクは馴染みやすさもあり、ヴェルファイアを選びやすくなったと感じる。個人所有のパーソナルカーとして考えると、個人的にはヴェルファイアを選びたくなるデザインだ。
走行性能

4

ボディ剛性が高められ、適材適所に構造用接着剤を採用することで不快な振動やロール感が減り、運転フィーリングはミニバンクラスではトップレベルでスッキリとしている印象だ。また、個人的に好印象を持ったのはドライビングポジションだ。ミニバンにありがちな足を下に降ろす感覚が少なく、サルーンほどではないが、SUV程度には足を前に伸ばすような体勢となっている。これならば長距離ドライブでも疲労度が少なくなるだろうし、コーナリングもドライバー的により楽になる。
乗り心地

5

先代モデルも乗り心地は良好であったため、フルモデルチェンジということを考えると驚くほどの進化は実感しにくいかもしれない。しかし、ミニバンの中でトップレベルの乗り心地であることには変わりないし、先代モデルよりも全体的な角が取れて乗り心地が良くなっているのは間違いない。車内の快適度で言えば、静粛性が向上したことの方が大きいと感じる。乗り心地、静けさ、どちらも大きく快適な移動空間として高い水準で実現している。
積載性

3

一般的な実用域では困らないと思うが、3列目まで快適に乗れることを意識しているためか、ボディサイズの割には積載可能なスペースが狭いと感じる。3列目を跳ね上げても、3列目シートの作りがしっかりとしているためか、思ったよりも狭い。また、跳ね上げの方式が少し手間なのもネックだ。このあたりは弟分のノア・ヴォクシーの方が優れていると感じる。ただ、積載性という実用性よりも高級サルーンを思わせる車内のおもてなし感を重視したコンセプトが表れた結果と言えるだろう。
燃費

3

ハイブリッドモデルはWLTCモード燃費で17.7km/Lという燃費性能を実現している。重量は2トンを大きく超えるが、それでもこの数値を実現しているのは優秀だと思う。対して2.4Lターボは走りを意識したパワーユニットであり、10.3km/Lの燃費とハイオク指定という仕様は現代のミニバンとしては攻めたもの。このパワーユニットを選ぶ理由はエンジンフィーリングの好みでしかないが、犠牲にするものも多いと言えるだろう。
価格

2

2023年夏の現段階では、すべてのグレードが登場しきっていないかもしれないが、上級グレードのみというグレード展開で、一気に高いクルマになったという印象は否めない。約650万円からという価格設定は手を出せる人が限られていると言えるだろう。アルファードは年次改良などでグレードが追加されるという噂が多くあるが、ヴェルファイアも同じようになるか注目したいところだ。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
トヨタ ヴェルファイア 新型・現行モデル

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