ある意味一番「エコ」な車
最近の車はエコカーであることが当たり前で、それに伴い減税や割引などの対応もあり、エコカーでなければ売れない時代と言っても過言
2010.12.20
- 総評
- ある意味一番「エコ」な車
最近の車はエコカーであることが当たり前で、それに伴い減税や割引などの対応もあり、エコカーでなければ売れない時代と言っても過言ではないと思います。
さて、世間では気軽にエコカーと言いますが、その定義は何でしょうか。
それは大気汚染物質(窒素酸化物や一酸化炭素、二酸化炭素など)の排出が少なく、燃費が良い車のことだと思います。
もちろんそういったがエコカーが世の中に多く走ることは歓迎です。
限られた資源で今の車社会を維持し続けるには、まずはガソリンの消費量を少なくする事が先決でしょう。
しかし、これはあくまでも「車を買ってから」のことを前提としています。
ユーザーからすれば、燃費の良い車は財布にも環境にも優しく歓迎なのは当たり前ですが、はたして世の中のエコカーは本当に、環境に“エコ”なのでしょうか。
エコカーの代名詞でもあるプリウス。
もちろん「車を買ってから」のエコロジーさはトップクラスですが、それを支えるバッテリーは5年~10年ほどでダメになります。
また、プリウスに限ったことではありませんが、一般の車は10万~20万キロも走れば、あちこちガタが来て買い替えの時期でしょう。それが一般車のサイクルです。
このプロボックスは一部がエコカー減税対応になったもののメーカーが躍起になっているほどのエコカーではありません。
しかし、この車10万、20万キロ程度ではビクともせず、余裕で40万、50万キロと走ります。
それもヨタヨタ走るのではなくまだまだこれから!と思わせる走りです。
50万キロも走れば外も中もあちこち傷だらけになるでしょうが、車の基本性能は実にしっかりとしています。
頑丈さを第一にトヨタが開発したんだなぁと感動すら覚えるつくりです。
見た目は無骨でカッコよさなど微塵もありません。どうみても商業車です。
しかし、その実は気候変動の激しい日本でさえ一般車の何台分もの寿命を耐えうる屈強なつくり。
燃費が良いのも結構ですが、車を10万キロで交換、交換を繰り返していたらその車1台作るのにどれほどのレアメタルが必要になるのでしょうか。どれほどの二酸化炭素が空気中にばら撒かれるのでしょうか。
プロボックスを1台買えば一般車の5台分はもつ。これぞ究極のエコカーでしょう。
ひとつのものを長期間使うことが本当のエコだと思わせてくれる1台です。
- 満足している点
- 価格に対して恐ろしいほどの頑丈さ。丈夫さ。屈強さ。
開発費のほとんどが丈夫に作ることを最優先に作られている。
だいたいこの価格でスタビライザーまで入っている念の入れよう。
80タイヤは鳴きもせずしっかり接地面を捉え、普通のタイヤとほとんど違和感がない。
商業車を前提に作られているので荷室が広く、収納も豊富。
長時間座っていても疲れ知らずのシート。質感は目を細めたくなるほどショボいが中身はクラウンより素晴らしい。
視界、運転姿勢、インパネ類の操作などが総じて良く、とても運転しやすい。
今の車としては珍しくリアウインドウが全開する。
多少ぶつけようが、傷をつけようが、車はへこんでも気持ちはほとんどへこまない、この気兼ねの無さ。
どこへ行っても商業車に見られるので屋根にスノボを載せたり、ロードバイクを載せたりすると面白い。それも無駄に趣味丸出しのもの。旅行へ行くと宿の人が「え?業者?お客さん?どっち?」となる
さすが元トラックメーカーのトヨタ。商業車として妥協の無い作り。基本部分は他車の部品を使いまわしコストを下げ、必要な箇所には惜しまず耐久性の高いものを配備する。おかげで50万キロ程度なら余裕で走る。
年間数千キロ程度しか使わない人にとっては一生これ1台で耐えうるかもしれない。
それはとてもエコなこと。
- 不満な点
- 派手な車、速い車が好きな人はどうみても買う気が起きない。
特にでかいミニバンや怪奇なエアロ、にぎやかなマフラーが大好きな人は、タダでもいらないレベルかもしれない。
この車はカッコをつけて乗る車ではないし、間違えても見栄などはれる訳ではない。しかしプライベート用として使うにはこれほど今の社会にやさしい車は無い。
残念ながらこの車をプライベート用としていると、「なんでもっといい車を買わなかったの?」と言われる。商業車=安くてダメな車というイメージが先行しているようで本当に残念です。
アンテナがいちいち窓を開けてのばさなければならない。これはいただけない。
荷物を大量に載せるとさすがに上り坂はキツイ。
質感がかなりショボいが値段を考えれば当たり前。これが無駄に良ければ大切に使おうと思ってしまい、気兼ねなく使えるこの車のコンセプトからズレでしまう。
商業車らしくスピードをだすとけっこうウルサイ。
前はいいがリアシートはかなり薄くて長時間の使用は尻が痛くなってくる。人より荷物が載っていることが圧倒的に多いので気にはなりません。
- デザイン
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- 走行性能
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