ボルサリーノ・トゥさん
トヨタ クラウンエステート
グレード:アスリートG(AT_3.0)
2003年式
乗車形式:マイカー
地味で控え目ながら良いクルマだと思いますが「クラウンを買う人はワゴンは選ばず、ワゴンを買う人はクラウンを選ばない」のが、このクルマの販売面で敗因だった
2015.2.23
- 総評
- 地味で控え目ながら良いクルマだと思いますが「クラウンを買う人はワゴンは選ばず、ワゴンを買う人はクラウンを選ばない」のが、このクルマの販売面で敗因だった事は否定出来ません。端からこのクルマが欲しい人以外に対するアピールが弱くて思う様に拡販に繋がらなかった感が有ります。
トヨタの意図した所では無いにせよ、結果的に好き嫌いがハッキリ分かれるクルマだと思います。あれこれ迷ったり消去法でなく、端からこのクルマが欲しい人なら満足出来るでしょうしお薦めです。国産・輸入車問わず直接的なライバルが存在しない独特な立ち位置なので、飽きずに長く乗れるでしょう。
もし今から購入を検討するのであれば、微妙に装備が削られた最終型よりも、その1つ前の後期の中期、出来れば余裕の有る3リッターが良いと思いますが、低年式に目を瞑って非マルチ+非直噴+5速ATな前期型アスリートの2.5リッターも捨て難いです(ただし程度良好であるという条件付き)
- 満足している点
- 若干面白みに欠けるものの、ラージサイズのステーションワゴンらしい伸びやかなスタイルを実現する為に、リヤドアのサッシュを安易にセダンと共用せずにちゃんとテールゲートの角度と合わせて作り直したり、地味ながら細かい所まで神経が行き届いたデザインが良いです。また「前のオーバーハングが短く後ろが長い」いかにもFRらしい基本に忠実なプロポーションが遠目だと際立つ辺りも気に入ってます。長さに対して幅が控え目なディメンションなので、同クラスの他車に比べて大人しく感じますが、幅の狭さが実用面でのメリットに繋がっているので、そう悪い事だとは思わないです。
大半のシチュエーションを不足無くこなす動力性能や、今では相対的に普通になってしまったけれど、それでも大きな不満が無く、操作性も良好な装備類も「腐っても流石はクラウン」と思わされます。ナビはDVDですが、今でも十分使えます。また現行車でDVDナビを採用しているセンチュリーと同じ品番の地図ディスクなので、まだ暫くは更新の心配は無さそうです。
見切りの良い視界と、遠くから囁く様に聞こえるエンジン音等々、旧来のクラウンの世界観が濃厚で、結果として人から羨ましがられる事が無い代わりに、人を羨む事も無い独特な立ち位置が良いです。
- 不満な点
- クラウンのイメージからすると、乗り心地が硬く若干しなやかさに欠ける事。この点は旧来からのクラウンの世界観が濃厚な他の部分との齟齬を感じます。かと言って高速で吸い付く様な安定感が有る訳でもなく、現行のアスリート程こなれてない感じが強いです。タイヤのチョイスで多少改善出来る余地が有るのがせめてもの救いです。
今にして思うと、標準で付いて来たタイヤ(レグノGR-05)は静粛性は抜群な一方でやたらと路面の凹凸を拾う極端なチューニングで、乗り始めの印象が芳しくなかったのは、このタイヤの影響が大きかった事をミシュランに替えてから実感しました。ただそれでも完璧とは言えず、アドバンのデシベルに換える事でようやく納得出来るレベルになりました。
それと、些細な事ですが知名度が低い事。人とクルマの話題になった時に「クラウンワゴン」と言うと自分がピンと来ないし、「クラウンエステート」と言うと、言われた方がピンと来ない状況になりがちです(笑)生産終了から年月が経ち尚更です。
不満とは少し違いますが、買い替えたい気持ちが全く湧かない事。欠点は皆無ではないもの全体からすると些末なもので、直6エンジンや長さを強調した旧来からの自動車らしいスタイリング、そして何と言っても直接の後継車が存在しない事等、どうしても買い替える事で失う物が多い気がしてしまいます。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験