トヨタ カローラ 「150を超える国と地域で販売される国民車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
4

150を超える国と地域で販売される国民車

2022.6.24

年式
2019年9月〜モデル
総評
以前、カローラの開発担当者に話を伺ったことがある。世界中で販売するカローラの開発にはものすごく神経を使うらしい。どのクルマでも完成までには神経を使うが、「車両価格が安くて良い物を、長く使っても壊れないように」、となるとカローラがその筆頭になるというのだ。たしかに30年以上前のカローラが、未だに中東地域で元気よく走っている姿を報道番組などで見ると納得させられる。
満足している点
セダンに求められるフォーマル性と高い実用性。それに相反するかのような楽しい走り。これが高い次元で成立しているのがカローラのセダンだ。一時、ユーザー層の急激な若返りを図ったが、現行モデルからは落ち着いたクルマ造りと端正なデザインで安定の地位を確保した。ビジネスユース主体と思われがちだが、コネクティッド技術は2018年登場のクラウンに準じた高機能版を採用している。
不満な点
たとえばドイツの国民車にフォルクスワーゲン「ゴルフ」がある。誰もがゴルフとわかるアイコン的なハッチバックデザインが有名だ。カローラはボディバリエーションが多いからなんとなくセダンを選ぶユーザーは年齢層が高いと思われている。そこが惜しい。なにがなんでもスポーツイメージに頼るのはよくないが、たとえば軽量ボディの特別モデルなどがあっても良いのではないか。わかりやすい華が少ない。
デザイン

4

じつにオーソドックスな3ボックスセダンながら、切れ長の鋭いヘッドライト形状を組み合わせた顔付きを特徴とする。キーンルックと呼ばれるこの顔付きは、導入当初、賛否があったが、すでにトヨタの顔をして世界で認知された。開口面積の広いグリルはエンジン内部への導入空気量を増やしつつ、歩行者保護の観点からも非常に優秀。ヘッドライトなど灯火類の被視認性向上も見込める。
走行性能

3

直列4気筒1.8Lのハイブリッド、1.8L、1.2Lターボの3タイプ。ハイブリッドにはE-Fourの4WDが用意される。1.2Lターボは6MTのみの設定だ。ハイブリッドモデルは年時改良が加えられるたびにドライバビリティが向上。1300kg台の車重だから不足なく走る。1.2Lターボも力強いが、6MTのシフトフィールがあまりよくない。スポーツというより実用的にふられ、カチッとした操作感が薄い。
乗り心地

4

想像以上に粘り、カーブでも安定している。これがカローラシリーズ全般にいえる特徴だ。なかでもボディ剛性がもっとも確保されているセダンは前席、後席ともに乗り心地が良い。とくに荒れた路面や段差を越えた際、後輪からの突き上げが非常にすくなく、かつ車外騒音の透過も少ない。ハイブリッドとターボW×Bではモーター(ターボはエンジントルク)を制御して前後ピッチングを抑える。
積載性

3

小さな隙間部分を活用して小物スペースを確保しつつ、トランクルームはVDA方式で429Lとボディサイズからすれば広いスペースを確保した。ゴルフバッグであれば3つ積載できる。またトランクルームではリッドを閉めた際にヒンジが荷物を圧迫しないよう角度と収納方式を考慮した。後席は6:4分割可倒式のトランクスルーを採用し、長尺物の積載と乗車人数の確保を図っている。
燃費

3

ハイブリッドモデルの燃費はFFモデルのWLTC値で29.0km/L、4WDでは26.8km/L(いずれも最良値)。1.8Lは14.6km/L、1.2Lターボモデル(6速MT)は15.8km/Lとそれぞれ落ちる。数値はハイブリッドにかなわないが、1.8Lの実用燃費が高い。市街地では排気量なりに落ちるが、高速道路モード値は1.2Lターボの17.7km/Lに肉薄する17.6km/Lを達成する。
価格

4

1.8Lのエントリーモデル「G-X」で1,936,000円。カローラのスタートプライスが200万円!と驚きの声もあるが車両の作り込み、たとえば上位モデルに匹敵する高剛性ボディと後輪のダブルウイッシュボーン式サス、数々の先進安全技術を考えれば納得がいく。長年の使用からでないと評価しづらい耐久信頼性だが、さすがカローラ。過酷な環境でも道具として全うする様はランクル並だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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