スズキ ジムニー 「オフロードはもちろん都心でも堂々とおしゃれに乗れる本格クロカン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

オフロードはもちろん都心でも堂々とおしゃれに乗れる本格クロカン

2023.5.22

年式

2018年7月〜モデル

総評

どちらかというとマニア向けで、オフロードや雪道を走ることが多い人にしか刺さらないクルマだったジムニーを、一躍メジャーな人気に押し上げたデザイン力にまず脱帽。アップライトな視点と直線基調のボディという扱いやすさで、都心部でも堂々とオシャレに走れる本格クロカン。快適性＆見た目重視ならトップグレードのXCがオススメですが、実用性＆コスパ重視ならXLでも十分な満足度です。

満足している点

純正から非純正までジムニー向けのアクセサリーがアフターマーケットには豊富に流通しているので、外装も内装も自分の好きなように仕上げていける楽しさがあります。カスタム好きな人にとっては、1/1ミニカーみたいな感覚で夢中になれるクルマでしょう。わが家のジムニーもスピーカーやシフトレバー、センターコンソールボックスなどインテリアの便利さをアップしたり、ホイールやタイヤをワイルド系に履き替えたりと、楽しんでいます。

不満な点

ほとんど不満はないですが、純正だと2スピーカーなのでとにかく音が割れたり、高速道路に入るとよく聞こえなかったりしたんですが、パイオニアのジムニー用スピーカーに替えたら劇的によくなりました。あとは全面UVカットガラスのはずがSPFが低いようで、油断してうっかり日焼けをしたので100%UVカットフィルムを貼ろうと検討中です。

デザイン

5

伝統の丸目ヘッドライトは残しつつ、全体的なフォルムは丸みが取れて、Aピラーの角度も立ててボクシーさを強調。絶妙なさじ加減でタフさとモダンさを融合しており、一目惚れする人続出のデザイン。機能的にも、凸凹の道で水平感覚が取りやすく、障害物にボディを引っ掛けにくいなど、道なき道を走ることのできるクルマらしさが満点です。

走行性能

4

市街地のオンロード走行が従来モデルに比べて劇的に進化したと感じます。とくにコーナリングでの安定感は、ビヨンと伸びて沈むような感覚が薄くなり、高速道路でも直進安定性がアップしたと感じます。これなら、本格クロカン4WDの扱いに慣れていない人でも運転しやすいと思います。ジムニーの走りの魅力は、ひとたび雪道やオフロードに出ていけば、別人のように頼もしくタフに走るところでしょう。

乗り心地

2

お世辞にも良いとは言えないのが乗り心地です。一般道でも常に縦揺れ、横揺れとノイズも大きめに入ってくるので、静粛性や上質感を求める人にはオススメしません。ただ、後席スペースが狭いと誤解している人が多いのですが、乗り込んで座ってしまえば予想以上にゆったりと座れます。天井も高く、左右にトートバッグくらいが置けるようなスペースもあるので、長距離でも窮屈さは感じない居住性。3人家族なら十分に使える室内空間です。

積載性

4

ラゲッジスペースそのものは真四角で余計な出っ張りもほとんどなく、荷物が効率的に積みやすいのですが、フロアが高いので荷室高が850mmしかなく、背の高い荷物は厳しいと思います。後席と助手席を倒すことができるので、スキーや釣竿などの長尺物は大丈夫。フロアが樹脂になる防汚タイプというのも嬉しいところです。

燃費

3

スズキの先進技術が詰まったR06A型ターボエンジンに、機械式の副変速機を持つ5速MT、4ATという組み合わせ。燃費ははなから期待していませんが、カタログ数値で5MTが16.6km/L、4ATが14.3km/L（WLTCモード）と、そこそこの燃費性能を持っています。わが家の5MTモデルで市街地メインで走って、平均実用燃費が11.5km/Lくらいというところです。

価格

5

ここまで本格的な4WD性能を備えたモデルが150万円台から買えるというのは、世界のどこを探してもないくらい貴重だと思います。ベースグレードにはおもてなし装備はほとんどついていないけど、真ん中のXLならシートヒーターが付き、キーレスプッシュスタートになるので十分に実用的。納期が長いことがネックですが、その分、中古車の値落ちも少ないのでリセールバリューにも優れたクルマだと言えます。