日産 スカイラインGT‐R 「世界に誇れるニッポンのR」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

橋本 洋平
橋本 洋平(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
2

世界に誇れるニッポンのR

2021.10.29

年式
全世代モデル
総評
プレミア価格、部品の高騰、そしてそもそもメンテナンスにお金がかかるというクルマであるが、現代では味わえない独特な世界観が確立されているのがスカイラインGT-Rという存在だろう。いま振り返ると手の内に収めやすいサイズでありつつ、レースにも通用するパワーが得られるということが何といっても魅力的。RB26が発する骨のあるフィールもたまらない。
満足している点
エンジンレスポンスと湧き上がるパワーが何といっても魅力的。6連スロットルを装備することから、右足とエンジンがリンクした動きが味わえる。また、アテーサET-Sによって、テールスライドが起きた時でもコントロールがしやすく、横では無く前に引っ張って行く感覚が得られる乗り味もこのクルマの魅力だろう。
不満な点
ランニングコストの高さはGT-Rの宿命といっていいだろう。各部パーツは年々引き上がっていることから、壊れればそれなりにお金がかかると覚悟しておくべきだ。それ以外にも、そもそも車体は重く、タイヤは太く、燃費は悪いという宿命があるため、健康的な個体であったとしても消耗品にお金が消えて行くのは紛れもない事実だ。
デザイン

4

セダンと基本コンポーネントを共用することもあり、ベースモデルに引きずられる形が多かったが、第二世代の初代であるR32は4ドアモデルをコンパクトにすることで引き締められたスタイルを確立。R33は4ドアが拡大路線を歩んだため、ホイールベースが伸びた傾向となった。その拡大路線を反省したR34は少しコンパクトな路線を歩むことに。いずれもベースモデルでは存在しないブリスターフェンダーがポイントとなる。
走行性能

5

ポイントとなるのはグループAと呼ばれたレースで勝つために排気量まで吟味して登場したRB26エンジンとアテーサET-SというFRライクな走りを可能とする4WDシステムだろう。持てるパワーのすべてを効率よく路面に気持ち良く伝えて行くその組み合わせは、フロントヘビーという欠点がありながらも、他のライバルたちを引き離すのに十分な役割をしていた。
乗り心地

4

スポーツカーと肩を並べる走りがあるため、乗り心地はガチガチかと思いきや、いま振り返るとそれほど引き締められているわけではない第二世代GT-R。2+2というパッケージでホイールベースもそれなりに保たれており、重量もそれなりにあることから、ドッシリとした乗り味がある。R34後期にはMスペックという乗り心地重視のモデルも発売された。
積載性

3

テンパータイヤを装着していたこともあり、トランクの深さがそれほど稼げていなかった時代ということもあり、積載性はそれほど高い部類ではない。R33ではバッテリーをリアに配置したこと、R34では4ドアのみがリアオーバーハングを伸ばしたこともあり、4ドアと比べるとラゲッジスペースは小さい。おかげで運動性能が高いとなれば納得できるところだ。
燃費

3

ストップ&ゴーが続く環境で乗ると静かに走ってリッター6キロ台、高速巡行でリッター10キロくらいというのが実状だ。しかしながら、燃料タンク容量はR32が72L、R33とR34が65Lと、いずれも大容量があるため、航続可能距離に不満を持つようなことはないだろう。もちろん、満タン時はやや動きが緩慢になるため、走りを重視したいなら満タンにしないほうが良い。
価格

2

いまや3000万円オーバーの個体も存在するが、プレミア状態になっているのはいずれも距離が極端に少なく、室内保管がされていたような状態の良いものばかり。スタートラインは新車当時の価格に近い400万円台からだ。それでも距離がそれなりで修復歴アリという状況なのだから驚くばかり。買ってからもそれなりにメンテナンスでお金がかかると考えたほうが良い。
橋本 洋平
橋本 洋平
自動車ジャーナリスト
JAF国際B級ライセンスを持ち様々なレースに参戦。ワンメイクレースではチャンピオンを獲得したこともある。主にスポーツカーやタイヤのインプレッションを寄稿するほか、ドライビングレッスンのインストラクターも務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
日産 スカイラインGT‐R 新型・現行モデル

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