日産 スカイライン 「抑えきれない強心臓。耐えきれないシャーシ。」のユーザーレビュー

抑えきれない強心臓。耐えきれないシャーシ。

2022.6.13

総評

・セダンとしての完成度は高いです。
ナビ周りに古臭さは感じますが、車体デザイン、内装の質感は高評価。
ただ、スポーツセダンとしての出来はどうかと言うと中途半端と言わざるをえない。

・各部品の出来はよいのに、車という集合体としてはてんでバラバラといった印象。
パーツごとに別部門で作成して、ただくっつけましたという印象。

満足している点

・セダンとしては望外によい前方視界
・フラッグシップに恥じない静粛性&乗り心地

不満な点

・エンジンは完全に持て余している。
400ｐｓに耐えれても、400psが使える車体にはなっていない。
・操作系の手応えに統一感がない。
ハンドル、ブレーキはスカスカに軽いのにアクセルペダルだけ重い。

デザイン

5

サイドシルエットは非常にカッコイイ。
セダンデザインの黄金比があるとすればこれではないでしょうか。
また、曲線基調で非常にグラマラス。日産のデザインの中でも秀逸でしょう。

走行性能

2

・ハンドルとブレーキペダルの軽さに閉口。軽いというか軽すぎる。
ただ、ブレーキペダルは軽いながらもストッピングパワーの調整はきちんとできるので慣れれば問題なし。

問題はステアリング。
バイワイヤ化されているのはいいが、手応えが無さすぎてフロントタイヤが宙に浮いているかのようなフィーリング。
スポーツ+にしてもまだ軽すぎる。
100歩譲ってハイブリッドモデルならまだしも、400Rでやるべきセッティングではない。
バイワイヤならモーターのアシスト力でいかようにもセッティングできるはずなのに手抜きとしかいいようがない。
轍等のキックバックをドライバーから遮断し、疲労軽減を狙ったらしいが、必要なインフォメーションまで削ってしまっては疲労軽減どころではなく危険でもある。今後の熟成に期待。

・エンジンは「素晴らしい」のかもしれない。
というのも、エンジンパワーに対してのトラクション不足、車体剛性不足で路面にパワーが伝達できていない。
晴天ドライ路面、スポーツモードで8割踏んだところでTCS介入。踏めないというより踏んでも進まない。
剛性が不足している車体で、柔らかい脚にしたらどこに飛んでいくのかわからないので脚を硬めて誤魔化したが、今度はトラクション不足で滑るからTCSでなんとか走れるようにしました、という印象。
宝の持ち腐れ。

じゃあサーキットならよいかといえば、2トン近い車重で何するのって話。セダンのキャラクターとも使い方が完全に合っていない。
安易にＡＷＤ化しなかったのは潔いが、制御しきれてないのであれば判断ミスとしかいいようがない。

・ボロカス書きましたが、セダンとしての出来は非常によいので、一般道では大人しく走り、高速では直線番長する使い方が一番幸せではないでしょうか。

乗り心地

5

・ランフラットタイヤを履いているにも関わらず嫌な振動、突き上げもなく、硬めではあるがドイツ車と比較すればソフト目。
・街乗り程度ではエンジンはユルユルと回っているだけで音はほぼ聞こえません。
遮音もかなり効いてるので静かなクルージングが可能。ロードノイズもほぼ入ってきません。
ただ、ランフラットタイヤにする理由が不明。
クルーザーとして突き詰めるなら脱ランフラットにすればもっと上質な走り味になるかと。

積載性

3

通常のセダンの容量では。

燃費

-

試乗のため不明。

価格

-

500万オーバーならアルテオン買ったほうが幸せ。

故障経験

試乗のためなし。