日産 プリメーラ 「「思い通りに走る愉しさ」まさに 技術の日産」のユーザーレビュー

「思い通りに走る愉しさ」まさに 技術の日産

2021.2.28

総評

キレのあるハンドリング、必要充分な室内とトランクスペース。ひとりでドライブを楽しむも良し、複数人で遠出するのも良し。今の時代では少し珍しい、しかし「クルマの個性」がよくわかる、しっかりしたクルマです。

満足している点

◇切った分だけ曲がるハンドリング。「タイヤが垂直に接地している感」がよくわかります。
◇必要なとき、しっかり加速できるエンジントルク。頻繁にギヤチェンジしなくとも、ストレス無くスピードUPができます。発進時の粘りもあり、エンストしにくいところも魅力です。
◇時代に囚われないシンプルなデザイン。内面の良さがそのまま現れたような、質実剛健な雰囲気を持っています。

不満な点

◆室内にドリンクホルダーがひとつもありません。ペットボトルであれば、運転席シートとドア開口部の隙間に丁度差し込むことができ、実質ドリンクホルダーがあるようなものですが...。やはりドアトリム側などに、ホルダーは欲しいところです。
◆窓ガラスに紫外線カットなどがありません。熱も含めてしっかり室内に入るので、夏場の日差しは正直暑いです。
◆乗り心地がやっぱり堅い。低速では凹凸をしっかり拾うので、クルマに興味が無い人からすると不快かもしれません。逆に言えば、車体剛性がしっかり確保できていることになります。

デザイン

5

一見すると四角い？エクステリアと思いきや、パネルやカドは全て曲面で出来ています。フロントグリルからボンネットへ続く、段差の無い流麗なライン。リヤドアからリヤフェンダーにかけて、徐々に立ち上がるプレスラインと絞り込み。エンブレム以外にメッキが無く、緩急つけた曲面で、個性が表現されています。90年代初頭の雰囲気を持ちながら、どこか普遍的な、時代に左右されない主張を併せ持っています。
インテリアも、何かに媚びるような複雑な装備はありません。機能美を優先させた、シンプルかつ落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
「クルマそのもの」を大切にしたくなる、実は味わい深い、日産ならではのパッケージング思想が現れています。

走行性能

4

何と言っても、このクルマの持ち味は「ハンドリング」にあります。「ハンドルを切る=クルマが曲がる」という当たり前のことが、これほど忠実に現れて、運転する愉しさまで溢れてくる。そんなクルマは、国産車では意外と珍しいのではないかと思います。
特別速いクルマではありませんが、加速したいときにはしっかり前に進む。エンジンそのもののトルク感、力強さを兼ね備えています。
進む、曲がる、止まる、がドライバーの意思通りに出来る。人間の感性に馴染むクルマです。

乗り心地

3

正直言うとカタい...。鋭いハンドリングと引き換えに、細かな段差はほぼ全て拾います。フロントシートも比較的固めに作ってあるので、しっかりした走りが出来るものの、低速では輪をかけてカタくなります。一方で、高速道路になると、しっかり地に足ついた安定感に変わります。まさに「フラットライド」。
ロードノイズと風切り音が少し大きい？タイヤなどで工夫すると、また変わるかもしれません。

積載性

4

広いトランクルームと、必要充分な室内スペースを持っています。トランクヒンジが下に潜り込まない「ダブルリンク式」なので、トランクスペースが余り無く使い切れます。プリメーラのタイヤ4つを横倒しに収納できるところは有難いです。前期型はリヤシートが動かず、トランクスルー機能が無いのは、ちょっと残念なところです。

燃費

2

今の時代に使うクルマとしては、ちょっと厳しい...。
ガソリンスタンドに行くと、ハイブリッド車やe-powerが恋しくなってしまうのが、正直なところです。
高速道路で一定巡行すると、そこそこ燃費は伸びてきます。

価格

3

リセールバリューはちょっと△？新車価格は妥当な範囲だったのではないかと思います。このハンドリングを味わうならば、充分お買い得です。

故障経験

パワーウィンドウなどは、不具合が起きやすい傾向があるかと思います。可能であれば、ガラスランの清掃やメンテナンスはやっておくべきかもしれません。
外観と内装の一部には、素地のプラスチックが使われており、紫外線による白化が目立ってきます。