せっかくのEV技術、この車に応用しようよ
間もなく発売と噂の15人乗りワイドハイルーフだが、せっかく今まで日産はEV技術を磨いてきたんだから是非ともE
2012.9.19
- 総評
- せっかくのEV技術、この車に応用しようよ
間もなく発売と噂の15人乗りワイドハイルーフだが、せっかく今まで日産はEV技術を磨いてきたんだから是非ともEVモデルをラインナップして欲しい。
燃料費が切実に経営に響いてくる地方のバス路線やデイサービス業界にとって、原油高が続いている昨今、喉から手が出るほど欲しい車なのである。
これら業務用車両は短距離使用がほとんどのため、連続して100kmを越えるような走り方をすることはまず滅多になく、EV最大の欠点である航続距離の短かさが問題視されることはほぼないと言って良い。
むしろリーフのような一般乗用車へのEV適用が事実上の失敗であることが世間に知れ渡ってしまったいま、EVの顧客ターゲットそのものの再考がいよいよ迫られている。
また、いすゞや日野が電気バスに消極的なことも日産にとってはこの上ない追い風である。
キャラバンをEV化することによるもう一つのメリットが、駆動方式の柔軟性が生まれる点である。
FFやRRや前後分離式4WDの採用が可能になることでプロペラシャフトを床下に通す必要がなくなれば、20cm近く床面を下げることが可能になる。
かのハイエース・ハイルーフでさえ、あれだけの車高がありながら成人男性が車内で直っすぐ立てるほどの室内高はなく、例えば地方のバス路線などはどんなに利用者が少なくてもトヨタ・コースターのようなマイクロバスを使わざるをえず、車体の大きさゆえの高額な維持費や燃料費によって経営が逼迫(第三セクターなら自治体への負担増)し、ひいては利便性の悪化や路線廃止を招く原因となっており、もし低床なEVキャラバンハイルーフが実現すればまさしく過疎地域の救世主となることは間違いない。
『キャブバンを作っている』『EVを量産できる』この両方を兼ね備えた現時点で唯一の国内メーカーである日産にはこういった社会的役割を意識した商品開発をして欲しいし、せっかくこれまで培ってきたEV技術を、「普及しなかったからやめます」というような半ば逆ギレで投げ出してしまったとしたら、私たち車好きにとってそれほど悲しいことはない。
ひとつ確信を持って言えることは、大して代わり映えしない今回のキャラバンでは、日産社内に出入りする業者に対する「おまえらハイエースやめてコレ買えよな」という無言のメッセージしか聞こえてこないということ。
- 満足している点
- ①先代キャラバン譲りの足元スペース。
試乗してみて真っ先に感じたハイエースとの違いはゆったりした足元スペース。
ロングホイールベース化したとはいえ依然としてハイエースよりは短く、その分フロントオーバーハングが大きくとられている。
またステアリングの径も小さく、万が一の時にハイエースだったら両足切断になるような事故だったとしても、キャラバンなら瞬時に足を引っ込めて助かるかも。
②ナローのスーパーロングハイルーフがある。
日本の救急車はコレをベースに作るべきである。
最近3ナンバー車が増えすぎたせいで、渋滞につかまって身動きが取れなくなっている救急車をよく見かける。
車幅が狭ければすり抜けて行けるものを、ワイドのハイエースなんか使ったばっかりに…。
- 不満な点
- ①重い。
同グレードの200系ハイエースⅠ型と比べ110kgも重い。
もしあと110kg軽量化できていたならおそらく200系ハイエースⅠ型同等の低燃費が叩き出せるはずなのに、実にもったいない。
②なぜあと一年半早く発売できなかった?
これは短所ではないが、先代キャラバンのディーゼルは2010年12月にポスト新長期対応をしたのに、それからわずか一年半後に別のエンジンでモデルチェンジするという、経営資源の無駄遣い以外の何ものでもないことをしているのがいただけない。
もちろん他車で引き続き旧エンジンを使っているんだろうけど、さすがに一年半というのは株主やファンとって気分の良いものではない。
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