2014年6月
■2014年6月
ダイハツは軽自動車のスポーツカーであるコペンをフルモデルチェンジし、2014年6月19日に発売した。
電動開閉式の樹脂製ルーフを持つ2シーターのオープンスポーツであることなど、基本コンセプトの部分は従来のモデルと変わらないが、クルマの開発から生産、販売に至るまで、さまざまな新しい取り組みを実施している。
ボディの基本プラットホームはDフレームと呼ぶ縦横に補強を入れた新ボディ構造を採用し、これによって上下方向の曲げ剛性で3倍、ねじり剛性で1.5倍という極めて高い剛性を持つボディに仕上げている。これはフラットなライド感覚や高い操縦安定性につながるものだ。
搭載エンジンはKF-VET型直列3気筒660ccのターボ仕様。軽自動車のパワーについては自主規制で47kW(64ps)に決められているため、動力性能の数値は変わらないが、さまざまな改良が加えられてレスポンスと吹き上がりのスムーズさを増すとともに燃費性能を向上させている。7速のスーパーアクティブシフト付きのCVTと5速MTが組み合わされる。
CVT車は25.2km/Lを達成してエコカー減税で免税の対象になり、5速MT車も減税の対象だ。
サスペンションは前輪がマクファーソンストラット式、後輪がトーションビーム式を採用する。取り付け部分を含むサスペンション剛性の強化やロール剛性バランスの最適化などが図られている。
メインマフラーの共鳴構造により、走りだしの力強さと高回転域での気持ち良くサウンドを演出したスポーツサウンドを聞かせる。
ボディ外板のパネルを樹脂化してパネルの着せ替えが可能な仕組みを採用したのも大きなポイント。ボンネットフード、トランクフード、フロント/リヤバンパー、フロント/リヤフェンダー、ロッカー、フューエルリッドなどにボルトの締めつけ構造を採用し、パネルの交換を可能とした。
なお今回発表されたのはコペンローブとコペンクロスモデルの2タイプで、ローブは6月19日に発売され、クロスモデルは2014年秋に発売が予定されている。さらに2015年年央には、第三のデザインのモデルを投入する予定という。
オートエアコンやプッシュ式スターターなどの基本的な快適装備が標準で備えられ、安全装備もまずまずの充実度ながら、追突軽減ブレーキのスマートアシストは設定されていない。
■2014年11月
ダイハツは軽オープンスポーツのコペンに、2つめのデザインを採用したエクスプレイを2014年11月19日に発売した。
エクスプレイは2014年6月に発売されたローブに続くもので、ローブと基本骨格や足回りを共用しながら、ドレス-フォーメーションのひとつの提案として「タフ&アグレッシブ」をコンセプトに大胆な外観デザインを採用し、新ジャンルの軽オープンスポーツであることを表現している。また多面体ボディが力強さを感じさせ、多角形グリルが新しい表情を作っている。
アルミホイールはエクスプレイ専用デザインの16インチホイールを採用するとともに、オプションでBBS製の鍛造アルミホイールをオプション設定している。
内装についてはブラックを基調に、センタークラスターをインパネ上面まで張り出した斬新なデザインとした。
搭載エンジンは直列3気筒660ccの12バルブDOHC+インタークーラー付きターボ仕様で、47kW(64ps)/92N・mのパワー&トルクを発生する。5速MTとCVTの設定があることなど、先に発売されたローブと共通の仕様とされている。
■2014年12月
ダイハツは軽オープンスポーツのコペンに、最上級グレードとなるローブSを追加し、2014年12月24日に発売した。
今回追加されたローブSは先に発売されたローブをベースに、スポーツプレミアムブランドの装備を新型コペン用の新設計して採用したもの。初代コペンでアルティメットエディションとして人気を得ていたバージョンを再来ともいえるモデルである。
足回りには、ダイレクト感あふれるハンドリングや操縦安定性とフラットな乗り心地を追求した専用設計のビルシュタイン製ショックアブソーバーを採用し、コペン専用設計のBBS製16インチアルミホイールをメーカーオプションとして設定している。これらによって操舵の正確性向上と、より引き締まった上質な乗り心地の両立を図っている。
内装には、手ざわりと意匠にこだわってスエード調生地を使用したレカロシート(内装色に合わせベージュ/ブラックの2色を設定)と、MOMO製革巻きステアリングホイールを専用設計として採用した。さらにCVT車にはステアリングから手を離さずマニュアル感覚のシフト操作ができるパドルシフトをダイハツとして初採用している。
ほかにマルチリフレクタータイプのハロゲンフォグランプやメッキ加飾(ドアインナーハンドル、サイドブレーキボタン、エアコンレジスターノブ)も採用されている。
■2015年6月
ダイハツ工業は軽オープンスポーツのコペンに、ローブ、エクスプレイに続く3番目のモデルとしてセロを追加するとともに、エクスプレイの上級グレードとなるエクスプレイSを追加し、2015年6月18日に発売した。
今回発売されたセロは、先行して発売した2つのデザインのモデルと骨格や足回りなどを同一にしながら、親しみやすさと躍動感の融合をテーマに、流れるしずくのような一体感ある外観デザインを採用した。
セロの特長である丸型ヘッドランプには、1つの光源でハイビームとロービームの切替が可能なバイアングル・LEDヘッドランプを軽自動車で初めて採用した。LEDクリアランスランプはリング状に光る個性的なデザインとした。
インテリアはインパネを水平基調のストレートフレームとすることでスポーティなイメージを追求している。また 、自発光式の3眼メーターはセロ専用のシルバリング付きブラック盤面を 採用している。
搭載エンジンやトランスミッション、足回りなど、基本メカニズムはこれまでの2モデルと変わらないが、今回発売したセロと昨年発売したローブはドアを除く樹脂外板やヘッドランプなどの灯火器類の交換を可能としている。
交換用のDRESSパーツの設定は、量産車では世界初の試みで、ローブからセロに交換するときのパーツ代は35万円前後で2015年10月に発売する予定という。
■2015年12月
ダイハツは軽自動車のオープンスポーツカーであるコペンに、セロの上級モデルとなるセロSを追加し、2015年12月24日に発売した。コペンシリーズの中でもセロは良く売れていて、販売比率が50%に達する売れ筋モデルだ。
今回追加されたコペンセロSは、コペンエクスプレイSやコペンローブSに採用されているビルシュタイン製のショックアブソーバーを採用した。これはコペンに合わせて専用設定されたもので、操縦安定性とフラットな乗り心地が追求されている。
インテリアも手触りとデザインにこだわったレカロシート、MOMO製の本革巻きステアリングホイールなど、プレミアムブランドのパーツを採用したほか、CVT車にはマニュアル車感覚のシフト操作が可能なパドルシフトを採用した。またレッドインテリアパックをメーカーオプションとして設定し、レッドのレカロシートを備えることで、特別な1台としている。