シトロエン 2CV のみんなの質問

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今から70年くらい前に設計されたシトロエンの2cvが未だに現代車と比べても遜色なく普段使いに使えるのは、当時の設計者が優れていたのと先見の明があったからでしょうか?

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回答一覧 (4件)

  • >未だに現代車と比べても遜色なく普段使いに使えるのは

    (?_?)2CV、乗ったことあります?
    『遜色ない』とは、とても言えませんが。(いや『オレはあれで十分だ』というなら『遜色ない』ということになりますが、しかし客観的に見て『現代の普通のクルマ』の性能があるかと言うと、とても『ある』とは言えません。)

    ※初代のモデルは、最高巡航速度の目標を60㎞/hとしており、全体がそれで設計されています。
    ハト小屋みたいな車体構造も、あの妙なサスも、原始的な構造のブレーキも、信じられないほど細い大径タイヤも、全て『60㎞/h走行には十分な性能』として設計されています。

    ※60㎞/hというのは、現代の日本だと軽自動車規格の下の『超小型モビリティ』に匹敵する動力性能で、一般路での走行は一応(あくまでも一応)耐えられます。
    そういう意味では『現代車と比べても遜色なく普段使いに使える』と言えますが、しかし2CVは、自動車専用道路の走行が禁止されている超小型モビリティではなく、高速道路も走れる『普通乗用車』です。当初375㏄だったエンジンは、最終モデルは602㏄になり最高速はギリギリ100㎞/hを超えましたが(メーカー公称は106km/h)、この速度域では車体剛性やサスは明らかに限界に達しており、現代のクルマの様な走行安定性はありません。

    ※そして勿論ですが・・・衝突安全性能は、戦後の量産車中ダントツで最低です。2CV同様戦前に設計されたVW・タイプ1もいい加減ひどいですが、2CVの『ハト小屋構造』は伊達ではありません、2CVはタイプ1を軽く凌駕するほどの低性能ぶりです。(メルセデスと共に欧州車の衝突安全技術を牽引しているVOLVOでは、かつて2CVを使って『衝突恐怖映像(衝突オモシロ映像?)』みたいなものを作っていたぐらいです。)

    ・・・戦後の『世界4大大衆車』のうち、シトロエン2CVは、アウトバーンを全開走行可能な様に中身の刷新を繰り返したVW・タイプ1の様に2000万台超も売れたワケでもなく(2CVは380万台ほど)、’60年代に欧州ラリー選手権で無敵を誇り『峠最速』と言われたBMC・ミニ(後のローバー・ミニ)の様に2000年まで作られることもありませんでしたが(2CVのシトロエン本社の販売終了は1990年)、性能的に『世の中の基準の変化に全くついていけなかった』というのも理由の一つなのは明らかです。

  • 使えないですよ。
    この手を日常の足に使ってる人はその車に対して経験と深い知識を得たオーナーさんですから。
    普通の人がいきなり乗って日常の足にできるもんじゃないと思います。
    極めて非力ですし。

  • 遜色無くは使えないよ
    自動車としての機能はあるけど
    衝突安全性能は過去の車
    事故したら最悪だよ
    エアコンも無いし・・・
    覚悟無しで乗れない車だと思うけど

  • 2CV(ドゥ・シュ・ヴォー)とは、フランスのシトロエン社が1948年から1990年まで長きにわたり製造した、非常にプリミティブな形態の小型実用車だ。
    「プリミティブ」というのは2023年現在の評価であり、登場時の2CVはむしろ「先進的」といえる存在だった。
    1935年、元号で言うなら昭和10年の夏にヴァカンスで南仏へ出かけたシトロエン社の当時の副社長、ピエール・ブーランジェは、自国農民の移動手段がいまだきわめて19世紀的であることに気がついた。
    そして同時に自社のラインナップに小型大衆車がないという事実にも気づいた。
    「農民の移動手段の機械化」に寄与する廉価ながら高性能な小型車を開発できればまったく新たな市場を開拓でき、そして圧勝できると踏んだブーランジェは、農民向け小型乗用車の開発を技術者たちに下命した。
    だがブーランジェが出したオーダーは、今風に言うならきわめてハードルが高い内容だった。
    ・「こうもり傘に4つの車輪を付けた感じ」の簡素なクルマであること。

    ・しかし人間4名と50㎏のジャガイモまたは樽を載せて走れること

    ・時速60㎞で走行できること。

    ・3リットルのガソリンで100㎞以上走れること。

    ・カゴいっぱいの生卵を載せて荒れた農道を走行しても、卵が割れないぐらい乗り心地が良好であること。

    ・それでいて安価であること。

    1930年代後半の技術では「無理」と思われたこのオーダーを、しかしシトロエンの技術者たちは見事に具現化してみせた。
    そして身長2m近い大男であったブーランジェ自身がシルクハットを被ったうえで車内に乗り込む「ハット・テスト」も、2CVのプロトタイプは見事にクリアした。
    第2次世界大戦によるパリ陥落とその解放を経て1948年10月、シトロエン2CVはフランス最大のモーターショーであるパリサロンにて発表された。
    発表直後こそ「醜いアヒルの子」「乳母車」などと嘲笑された2CVだったが、デリバリーが開始され、実際の農道や国道などで2CVのステアリングを握った一般ユーザーは、そのきわめて高い実用性と汎用性、そして信頼性の虜となった。
    結果、醜いアヒルの子は発表からわずか数年で「国民車」へと昇格していったのだ。
    その後もシトロエン2CVは世界中の大衆および自動車愛好家に支持され、フランス国内の工場では1988年まで、ポルトガル工場では1990年までの40年以上にわたり、さまざまなアップデートを加えられながら生産されたというのが、2CVというクルマに関するさしあたっての概略である。
    ここでの提案は、そんなシトロエン2CVを2023年の日本で普段づかいしてみるのはどうだろうか?というものだ。
    しかし多くの者は言うだろう。
    おいおいちょっと待った。
    確かに昔のフランスの農村では先進的かつ革命的な乗り物だったのだろうけど、今は2023年だぞもはや先進的でもなんでもない、骨組みにブリキの板を貼っ付けただけのような危なっかしいクルマに、わざわざ乗る意味なんてないだろう?と。
    己の持ち物を決める権利はその者自身にしかないため、もちろん私は何かを無理強いするつもりなどない。
    ただ、前記の問いに対して「や、意味はありますよ」とだけは申しておきたい。
    最終型でも2CVのエンジンは排気量602㏄の空冷水平対向2気筒OHVという古色蒼然たるモノであり、最高出力は29.4psに過ぎない。
    そして当然ながらコンピューター制御のATなど付いているはずがないため、4段式ギアの変速は、インパネから突き出ている傘の柄のような棒を押したり引いたりしながら、ドライバー自身が手動で行う。
    「なんなんだ、この古くささは」と、初回乗車時は誰もが思うだろう。
    だが10分もすれば、あるいは10日も経てば、こう思うはずだ。
    もしかしたらクルマって、少なくとも長距離移動に使わない限りはコレで十分なんじゃないかと。
    発進時、最初の数メートルだけはさすがに激遅だが、ひとたびある程度の速度に乗れば、超高速巡航し、そして急減速するみたいな芸当はできないが、そもそも公道でそんな走り方をする必要はいっさいないことを思い出せば、シトロエン2CVのサイクロイド曲線を描くような穏やかな加減速こそが、実はクルマにとって美しい姿なのではないかと思えてくる。
    そして2CVは穏やかなだけのクルマではない。
    その走りっぷりというか運転の感覚は、むしろスポーツ的でさえある。
    単純にステアリングホイールを回すだけではほとんど曲がらないクルマだ。
    しかし旋回ポイントの手前で十分に速度を殺し、その結果として前輪に荷重をかけたうえで操舵すれば、ブリキの小舟のごとき2CVは、その全体を大きく傾けつつもしっかりと路面をホールドしながら、それこそ近海を行く年季の入った小型漁船か、あるいは斜面を行く熟練スキーヤーのように、古典力学の範囲内で颯爽と駆け抜けていく。
    つまりシトロエン2CVに乗るということは、ややこしい言い方をするなら「デジタルテクノロジーのオーバードーズ状態から逃走する」あるいは「自らの身体性を取り戻す」ための試みであり、もっとシンプルに言うなら「都会の慇懃なレストランを抜け出し、お天道様の下でおにぎりまたは釣りたての魚を食べるようなもの」なのだ。
    「うん、これで十分。というか、これこそが最高」という感覚である。
    世界中に「クルマ」と名が付くものは星の数ほどある。
    しかしこういった種類の快楽を確実に提供してくれる安価なクルマは実に少ない。
    だからこそシトロエン2CVは、機械的にはとっくに時代遅れになっていた1990年まで製造され続け、その後も、そのユーズドカーが世界中で愛好されているのだ。
    シトロエン2CVという稀代の「逆スーパーカー」は、数千万円級の純スーパーカーに勝るとも劣らぬインパクトとある種の気づきを、たかだか100万円か200万円の予算にて、あなたの人生に間違いなく与えてくれることだろう。

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