速すぎて言葉にならない、問答無用
コルベット史上最強最速はもちろんのこと、現代のスポーツカー事情においても世界五指に入る“速さ”を誇るZR1。これを上
2011.12.31
- 総評
- 速すぎて言葉にならない、問答無用
コルベット史上最強最速はもちろんのこと、現代のスポーツカー事情においても世界五指に入る“速さ”を誇るZR1。これを上回るパフォーマンスが欲しいと言うのであれば、楽に4千万円以上の出費を覚悟しなければならない。
ノーマル仕様のコルベットとは“何から何まで”ほとんど別物と言っていい。パワートレインだけでなく、サスペンションもボディユニットも違う。と、ここまで書けばコルベット好きなら7リッターユニットを積むZ06を思い出すはず。そう、ボディ骨格はZ06と同じく、サーキットで活躍したC5Rコルベットを由来とする、アルミニウム構造のコンペティションタイプだ。
そこに、6.2リッタースーパーチャージャー付きV8スモールブロックエンジンを押し込んだ。実に647psを発揮するというから、途方もない。CTS-Vなどに積まれるV8もスーチャー付6.2リッターだが、ZR1用はGMパフォーマンスビルドセンターで一基ずつ手組みされるスペシャルエンジン。25mm持ち上げられたボンネットフードには窓が開いており、そこからスーパーチャージャーユニットの一部が見えているのがZR1の証だ。
- 満足している点
- インテリアとエクステリア
ギアボックスをリアアクスルに置くトランスアクスル方式を採用した。Z06同様に6段マニュアルミッションのみとの組み合わせだが、Z06とは違ってツインプレートタイプを使う。これにより、より強力なエンジンをよりスムースに操ることができるようになった。
いっけんノーマルと大差ないように見えるスタイリングも、よく見ればディテールがかなり異なっている。Z06と比べても、相当に勇ましい。空力パーツを中心にカーボンファイバー地が目立って見えているが、実は前フェンダーやフードもカーボン製。軽量化には徹底的にこだわった。
専用デザインのアルミホイールの向うにはブレンボ製カーボンコンポジットブレーキローターが見える。キャリパーがテーマカラーのブルーにペイントされているのも特徴だ。
外装や中身に比べると、インテリアの雰囲気はさほどノーマルモデルと変わらない。ロゴ入りのスポーツバケットシートが目立つ程度。ラグジュアリィな雰囲気さえ漂っており、600PSオーバーのモンスターをこれから走らせるという緊張感など微塵もない。
走らせてきて
実際、エンジンをかけて街中をそろそろ動かしている限りは、ひょっとするとノーマルコルベットより上質じゃないかと思えるほど静かにしなやかにしっとりとジェントルに走る。シフトレバーを通じていかにも暴れん坊の大排気量と繋がっているゾ! とアピールしまくるやんちゃなZ06とは好対照。マグネティックライドを標準装備しており、快適なクルージングが楽しめた。
街中では2000回転までで事足りる。その間は、高級GTカーの乗り心地。ライバルが欧州の3千万円超級ラグジュアリィGTスポーツカー、と開発者が言っていたわけがよく理解できた。ところがひとたび過給器付きエンジンを目覚めさせると...。
そう、アクセルペダルを踏み込めば、いやはや、言葉にならない加速とはこのこと。あまりにも速すぎて、意識が付いていかないほど。しかも、Z06とは違って、猛々しくないから、実際の速度感がとても掴みづらい。感じているよりも3割は速いのだから、免許が何枚あっても足りないとはこのことだ。
昔ながらのアメリカンマッスルを満喫したいならZ06を。コルベットだって世界一級のパフォーマンスを発揮できるということを試したい向きはZR1を。性格はまるで違っているので、迷うことはないはずだ。
- 不満な点
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- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験