BMW 2シリーズ グランクーペ 「FFベースでお手頃サイズだが、やはりBMWの一族」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

FFベースでお手頃サイズだが、やはりBMWの一族

2023.9.6

年式

2019年10月〜モデル

総評

大きくなった3シリーズに対して、2シリーズグランクーペは手頃であり、立体駐車場の利用も可能だ。クーペライクなスタイリングもセールスポイントで、パーソナルユースとしてはちょうどいいBMWでもある。FRレイアウトや前後の重量配分にこだわるユーザーには認めがたいかもしれないが、ステアリングを握ってみるとBMWの一族であることを実感させられる。

満足している点

2シリーズのグランクーペはFFをベースとしたモデルでありながら操縦安定性にすぐれ、ルックスもなかなかスポーティ。イメージリーダーのM235i xDriveグランクーペは重い4WDシステムを搭載しながら圧巻の動力性能をもたらし、それでいて実用域でも扱いやすい。

不満な点

スタイリングを優先させたモデルだけに、室内空間はゆったりという感じではない。リヤに向かってなだらかに傾斜するルーフは乗降性の面においていまひとつだ。メーターについても反時計回りのタコメーターは慣れるまで違和感がある。

デザイン

3

1シリーズと共通の前輪駆動のプラットフォームを採用する4ドアクーペ。最新のBMW車と同じく大型のキドニーグリルを採用し、リヤにもL字型をモチーフとしたリヤコンビネーションランプを装着。プレミアムテイストは控えめだが、いかにもBMWらしいデザインでまとめられている。全幅は立体駐車場に無理なく入庫できる1800mm。インテリアは1シリーズと共通デザインのインパネを採用する。

走行性能

4

試乗したのは最上級グレードのM235 xDriveグランクーペ。エンジンは306馬力/450Nmを発生する2リッター4気筒直噴ターボだ。このユニットは1750〜4500回転で最大トルクを発揮するだけに実用域でも扱いやすい。もちろん回せばシャープな吹き上がりが得られ、圧巻の加速性能を披露する。4気筒ながら滑らかな回転フィールも印象的でサウンドの演出もスポーティ。ワインディング走行も軽快でスポーティかつ安心感のある走りが確かめられる。

乗り心地

3

タイヤは前後とも225/40R18サイズのランフラットタイヤを標準装着。低速ではやや硬さを感じる乗り味だが、高速クルーズではフラットで落ち着くタイプだ。5人乗車の可能なキャビンは前席優先の造りで、後席はフットスペースや頭上まわりがタイト。

積載性

3

トランクルーム容量は430リットルを確保。フロアは低くフラットで扱いやすく、フロア下にもちょっとしたスペースがある。40:20:40の3分割後席シートバックをアレンジすることで4人乗車時でも長い荷物の積載が可能だ。

燃費

4

WLTCモード燃費は12.1km/L。ハイパフォーマンスモデルとしてはけっして悪くない数値だが、動力性能と経済性のバランスを図るのであれば1.5リッター3気筒直噴ターボを搭載した218iグランクーペが13.8km/L、2.0リッター4気筒ディーゼルターボ搭載の218dグランクーペが17.1km/Lを実現している。

価格

3

M235i xDriveグランクーペは708万円と高価だが、ベーシックな218iグランクーペ プレイは490万円より。動力性能と経済性をバランスさせた218dグランクーペMスポーツは556万円だ。（2023年8月時点）