BMW アクティブハイブリッド 7 のみんなの質問

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BMWの6直気筒エンジンはシルキーだって言いますが、それはBMWの技術がずば抜けているとかそういったことではなくて、6気筒エンジンというエンジン形式がもたらすものなのでは?

別に国産直列6気筒エンジンだって(現在は直6はなくなったようですが)エンジンを上まで回せば気持ちいいのでは?

と、思ったりするんですがやっぱりBMW 直6エンジンってすごいんでしょうか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

●直列6気筒が減ってきたわけとは?
現在,マスプロの乗用車用エンジンで残っている直列6気筒ガソリンエンジンは,下記の3つだけになりました。
・BMW
・ボルボ
・TRV (少量生産ですが)

では,どうして直6は減り,V6型に変わってきたのでしょうか? それは,下記5つの理由からです。

(1) FF駆動用と兼用したい … FFでの横置きのため,エンジン長を短くしたい
(2) クランク軸振動が大きい … V6より1.7倍くらいクランク軸が長くなります。このためクランク軸のねじり振動が大きくなります。これを抑えるには,エンジンブロックの高強度化が必要です
(3) 燃費を改善したい … クランク軸のメタルベアリングの数が,直6は7個ですが,V6では4個に減ります。その分,メタルでの抵抗が低減し,燃費が改善します
(4) レスポンスを改善したい … メタルが少ないので,抵抗が少なくなり,レスポンス(短時間で高回転域まで到達)が改善します
(5) 放射音 … エンジンは騒音源なので,できるだけ真四角に近い方が,エンジン表面積が小さくなります。このためV6が有利です

●BMWでは,どうやって上記の課題を克服しているのか?
(1) FF駆動用と兼用したい … FF駆動は車両の前後重量バランスが60:40くらいになり,タイヤの負荷を前後で同じようにできません。このため前後重量バランスが優れる50:50にするためFR駆動を採用しています。このためFFでの横置きエンジンの制約がありません

(2) クランク軸振動が大きい … クランク軸の強度を上げるとともに,剛性の高いベアリングビーム構造を採用し,クランク軸振動を抑えています

(3) 燃費を改善したい … 研磨精度をあげることで摺動部の抵抗を下げています

(4) レスポンスを改善したい … 研磨精度向上だけではなく,バルブトロニック(後で説明いたします)という技術でスロットルバルブでのポンピングロスを低減し,エンジン応答性を改善しています

(5) 放射音 … 燃焼室に近いところは高シリコンのアルミニウムですが,そのアルミニウムをマグネシウム合金で鋳ぐるみしています。こうすることでエンジンの強度を保ったまま,重量を6%軽くできます。振動源は軽いほど,放射音エネルギが小さくなるので,騒音にも有利になります。またエンジンが軽いと,前後重量バランスを50:50に近づけやすくなります

●マグネシウムによる鋳ぐるみは?
マグネシウムとアルミニウムには電位差があり,通常では,電位腐食がおきます。このため鋳ぐるみの接合部分では,特殊な材料を使い,腐食を抑えています。

●バルブトロニックとは?
ガソリンエンジンはスロットルバルブで吸入空気量を調節して,出力を加減します。このため街乗りのような負荷の低い条件では,スロットルバルブはほぼ閉じていて,スロットルバルブから燃焼室間は負圧になります。ちょうど細い針のついた注射器で空気を吸うような状況です。
BMWのバルブトロニックは,吸気弁のリフト量を連続的に可変する技術です。スロットルバルブが無いので,この吸気抵抗(=ポンピングロス)が非常に小さくなります。2001年に世界で初めて実現しました。トヨタと日産が2007年に類似技術を出しましたが,小さい開度の時の正確さは,まだ追いついていません。

●過給ダウンサイジングは?
BMWは欧州メーカの例に漏れず,ターボ・チャージャのような過給機をつかったエンジンのダウンサイジングをやっています。しかしダウンサイジングが目的ではありません。過給機を使い,低速トルクを稼ぎ,高い運転性を実現することが目的です。また過給圧の調整をすれば,同じエンジンからいろいろな出力のエンジンをつくることができます。
日本のエコエンジンは,ある特定の車種だけに使い,カタログ燃費を争っています。しかしBMWは,そのようなエンジンに興味がありません。あるBMWのエンジニアにそのことを尋ねると,「BMWは特殊解のエンジンに興味は無い」との回答でした。つまりいくら燃費が良くても,ある特殊な条件でしか使えない,つまり軽自動車のごくごく一部だけに採用するような技術は本物ではないのです。
BMWの過給エンジン技術は,たとえば7シリーズ全車に適用しているように,非常に汎用性の高い技術です。つまり「特殊解」ではなく「一般解」です。

●水温制御は?
BMWの一部の直6エンジンは電動ウォータポンプを使い,冷却水の高水温制御をしています。水温が高いほどオイル粘度が低下し燃費が良くなるからです。もちろん加速時は,温度を下げます。

●どうしてBMWだけができるのか?
BMWの哲学は,「何が良いか?」です,2番目が「どうすれば安くなるか」です。この良いものを追い求める哲学のため,BMWでは,高い技術をどんどん量産車に採用しています。バルブトロニックのようにコストの高い技術でも,多くのエンジンに採用すれば,どんどんコストが下がります。

こうして振動特性の優れた直6はBMWだけができるのです。

ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2012.1.18 21:55

詳しい回答ありがとうございました。
難しいことはよく分かりませんが何だかすごい!の一言です。

ありがとうございました。

その他の回答 (5件)

  • 直6は確かに振動が出にくいエンジンです。

    直6からV6に移行していく中でも、BMWは直6にこだわってきたのです。
    もともと高回転まで回すのには適していません。
    二次振動、三次振動が出てしまい、それを押さえ込む技術が必要です。
    クランクプーリーにバイブレーションダンパーを採用したりしています。
    エンジンを分解するとわかるのですが各々のパーツのクォリティーが高いです。
    例えばバルブコッターなどは非常に小さなパーツですが、溝が3本切ってあります。普通は2本です。
    わかる人にはわかっていただけるはずです。
    こんなところにもBMWのこだわりがあると思います。

    BMWのディーラーに勤務していた頃、E36のM3(S50エンジン)のエンジンパーツを、日産の技術課がしこたま購入していました。
    研究していたのですね。カムシャフトだけでも何十本単位です。

    エンジンだけでなく足回りでも、スカイライン(R31まで)などは参考にしていたようです。
    全然、追いつけてませんでしたね。
    R32から別の足になってず、いぶん良くなったと思います。

  • 色々な6気筒に乗りましたが国産では昔の日産のL20がBMWならE36のM3、メルセデスならM103やM104が良かったです。あとは別格だったのがアルピナの6気筒エンジンです。エクスタシーを感じたのはこれと90年代のAMGのがある6気筒エンジンだけで際限なく回る快感と言えました。

  • それは大昔の話しですよね。 たしか40年くらい前には言われていましたから。

    まだ日本車のレベルが低かったのでBMWにはかなわなかったのではと思います。

  • 乗ったことはないですが、やはりBMWは違うという人が多いですよねえ。

    ただ、シルキー6というのは、BMWの6気筒全てを指すわけではなく、特定のエンジンを指す言葉です。
    本来はね。

    そのエンジンのできばえがあまりにも素晴らしく、世界中の人を魅了したので、シルキー6と呼ばれたわけです。

  • 4気筒にくらべ6気筒の方が確実に回転がスムーズです。
    乗り比べると分かります。

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