重厚なパワーと滑らかさはV12だけがなせる技
エンジンはV12ツインターボという贅沢さ。実はV12エンジンはいまやプレミアムブランドでも絶滅危惧種で、もはやこのM760Liとメルセデス・ベンツ S600ロングくらいしか搭載例がない。あとはロールスロイスやベントレーといった、ラグジュアリーブランドとスーパースポーツカーが採用するのみだ。
M760Li用V12は、同じグループのロールスロイスで使われているものとエンジンブロックは共通。ボア×ストロークを変えることで、ロールスロイスは6.75L、BMWは6.6Lと微妙に差をつけてブランドの差別化を図っているらしい。いずれにしても、なんとも贅沢な話である。
これだけ贅沢なパワープラントを使っているのだから、車全体がこのV12エンジンに最適化されていたとしても不思議ではない。事実、M760Liのハンドリングや乗り心地は、V12エンジンのよさを最大限引き出すようにチューニングされているような気がしてならなかった。 M760Liの主役であるV12エンジンがどんな性格の持ち主かといえば、静かで回転フィールが滑らかなことはいうまでもない。しかし、サルーン用V12の多くがそうであるように、N74B66Cと名付けられたこのパワーユニットも回転上昇のスピードは穏やかで、シュンと素早く立ち上がるというよりは、もっとゆったりとしていて息の長い加速感が続くイメージ。そして気がつけば強大なパワーの奔流にのみ込まれているというキャラクターなのだ。
エンジンのラグジュアリーさを際立たせるために、乗り心地は極めて快適に仕上げられている。全般的には柔らかめの足回りで路面からのゴツゴツ感は完全にシャットアウト。しかも、急峻なショックを受けても振動が一切尾を引かないあたり、ボディの剛性というか制振特性にもかなり注意を払って開発されていると見た。
ソフトなサスペンションゆえに、ハードコーナリングを試せばロールもするが、ボディの傾きが際限なく続くかと思えばそうでもなく、節度あるロール感で不安は抱かない。また、同じ理由により左右に素早く切り返すようなS字コーナーでももたつくことなく、テンポよくノーズの向きを変える身軽さを備えていることにも驚かされた。
したがって、快適性とスポーツ性のどちらに主軸が置かれたシャシーかといえば僅差で快適性となるが、スポーツ性にも十分配慮されている仕立てなのだ。その意味で、7シリーズのMパフォーマンスモデルに相応しい設定といえる。 同様のことはキャビンのしつらえについても当てはまる。最上級のレザーを用いたシートの手触りは恐ろしくソフトで、ホワイト系の染色も鮮やか。それでいて、そこはかとないスポーツ性も感じさせるこのインテリア・デザインこそ、M760Liの一方の白眉かもしれない。
いずれにせよ、M760Liが多彩な魅力を備えたラグジュアリー・スポーツサルーンであることは間違いないだろう。 文/大谷達也、写真/尾形和美【試乗車 諸元・スペック表】●M760Li xドライブ 4WD型式3BA-7U66最小回転半径6.1m駆動方式4WD全長×全幅×全高5.27m×1.9m×1.49mドア数4ホイールベース3.21mミッション8AT前トレッド/後トレッド1.62m/1.62mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS◯車両重量2320kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量2595kgミッション位置フロア最低地上高0.14mマニュアルモード◯標準色アルピン・ホワイトIIIオプション色ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ミネラル・ホワイトメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、ピュア・メタル・シルバーメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ベルニーナ・グレー・アンバーエフェクトM、タンザナイト・ブルーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、フローズン・ダーク・シルバーメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック掲載コメント-型式3BA-7U66駆動方式4WDドア数4ミッション8ATAI-SHIFT-4WS◯標準色アルピン・ホワイトIIIオプション色ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ミネラル・ホワイトメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、ピュア・メタル・シルバーメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ベルニーナ・グレー・アンバーエフェクトM、タンザナイト・ブルーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、フローズン・ダーク・シルバーメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、フローズン・カシミヤ・シルバーメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径6.1m全長×全幅×全高5.27m×1.9m×1.49mホイールベース3.21m前トレッド/後トレッド1.62m/1.62m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量2320kg最大積載量-kg車両総重量2595kg最低地上高0.14m掲載用コメント-エンジン型式N74B66C環境対策エンジン-種類V型12気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量78リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)6.9km/L総排気量6591cc燃費(WLTCモード)6.7km/L└市街地:4km/L└郊外:7km/L└高速:8.9km/L燃費基準達成-最高出力609ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm850(86.7)/5000エンジン型式N74B66C種類V型12気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量6591cc最高出力609ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm850(86.7)/5000環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量78リットル燃費(JC08モード)6.9km/L燃費(WLTCモード)6.7km/L└市街地:4km/L└郊外: 7km/L└高速: 8.9km/L燃費基準達成-
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みんなのコメント
で、いい加減に、評論家ぶった文章は時代遅れ。である。なのだ。ではなくですます
口調の方が好感を持てる。
自動車評論の世界は90年代から変わっていないですね。WWW
L6プラットフォーム進化版+V12気筒の組み合わせ(=Rolls-Royce)
BMW ブランドでは、これが最後になるかも知れない絶滅危惧種。
登録した瞬間に価値ガタ落ち、それでも懐に置いておく人だけが維持する車かもしれません。
(そもそも、簿価をとるなら、Porsche、Ferrari)