新型「ランドクルーザー」は静粛性でガソリン有利、オンロードのベストはGRか
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 226
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 226
オンロードでのランクル300の振る舞いは、良くも悪くもボディオンフレーム構造のクルマのそれである。市街地を60km/h未満ではソフトで鷹揚な乗り心地に終始する。速度を上げてもその特性は変わらないが、加減速によるピッチングが目立つようになる。今回、ランクルはボディの骨格に高張力鋼板を用い、フード、ルーフ、ドアをアルミ化するなど全体の軽量化と重心を下げる努力をしているが、絶対的に重いため、揺れの大きさは抑えきれない。左右のロールはうまくコントロールしているが、ピッチングが気になった。ACCで加減速をクルマ任せにしている時には特に。また目地段差などを通過した際に車体がブルッと揺れるのもフレーム構造の宿命として残る。フレーム構造のクルマとしてはエスカレードとともに最も快適な部類に入るが、モノコック&エアサスのラグジュアリーSUV軍団と比べられると辛い。フレーム構造とは関係ないが、高速走行時にエンジンフードが波打つように振動するのが気になった。
ガソリンとディーゼルのZXの試乗の後、ごく短時間ながらディーゼルのGRスポーツにも試乗することができた。市街地や首都高を流れに乗って走行するだけではっきりと特性の違いを感じた。フラットネスが高まり、シャキッとした印象となるのだ。これは状況に応じて前後スタビライザーの効力を変化させられるE-KDSS(GR専用装備)の効果だろう。乗り心地を悪化させず、フラットネスだけが高まるような乗り味を実現していた。他のグレードにも設定してほしい。
試乗したZXはガソリンが730万円、ディーゼルが760万円。GRスポーツは800万円。同じパワートレーンを搭載し、装備を簡略化したグレードは510万円からある(GX。5シーターのガソリンのみ)。質素だが220万~290万円以上安いこちらのほうが、よりランクルの本質が凝縮されているのではないかと想像するが、試乗車はなく未確認。
ランクルは日本市場では主に輸入車のラグジュアリーSUVと販売競争を繰り広げることになるのだろうが、あくまでラグジュアリーSUVではなくヘビーデューティーなクロスカントリー・ヴィークルだ。開発陣も、パワフルさはともかく、装備の豪華さ、乗り心地の快適さを最優先したわけではなく、あくまでもキャッチフレーズにも用いる「どこへでも行き、生きて帰って来られる」ことを目指したという。そのことを理解して乗れば、動力性能、快適性、経済性のすべてに納得できるはずだ。それはともかく、悪路走破性を試していないランクル試乗記にさほど価値はない(メーカーとの約束で今回は悪路走行禁止だった)。できるだけ早く悪路へ持ち込んだうえでの印象を報告したい。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
KGモーターズ、超小型モビリティの車名を『mibot』と発表
【祝20周年で20のトリビア】マクラーレン本社の知っていて自慢できるウンチクを紹介「設計コンセプトはNASAとディズニー!?」
「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?
俳優パトリック・デンプシーがレース復帰へ。マグヌッセンやダルジールらが出場する耐久シリーズに参戦決定
日産の新型「小さな高級車」公開! “大胆顔”「コンパクトSUV」のデザインに込められた意味とは? オシャ内装&タフ外装の「新キックス」米に登場へ
こりゃトラックドライバーにとってパラダイス! いすゞエルフが採用した「スペースキャブ」がスゴイ!!
1990年代、クルマの珍技術3選 Vol.2
新しいホンダ シビックが出た!──GQ新着カー
スーパーSUVの本命、ついに日本で乗った!──新型フェラーリ プロサングエ試乗記
ポルシェ博物館、来場者が600万人に…『911ターボ』50周年記念展は7月から
道路の「トンネル」 なぜ「5000m以上」少ない? “ギリギリ”4998mに抑えた例も… 「長すぎるトンネル」限られているワケは
ビール会社がF1のスポンサー、いいんですか? ハイネケンがF1とのパートナーシップで狙うモノとは
【若手も中堅も不足中】“クルマ離れ”はある意味ラッキー! 自動車メディアを目指す人必見の業界事情とは?
218万円の激安カローラクロス「G“X”」はアリかナシか? 装備をチェックしてみた!
【悲報?】販売好調の人気SUV「ヴェゼル」が商品改良で“大穴グレード”を落とした大人の事情
「シエンタ」が商品改良。変更点は少ないが、ハイブリッド7月、ガソリン8月と納期が大きく改善
イタリア語で「12気筒」を意味する新型フェラーリは「デイトナ」似。SDGs時代もV12は不滅?
【円安効果はごく一部!】国産自動車メーカー好調の理由は日本お得意の“着実な積み重ね”にあった
【今わかること比較】走りと後席の快適性は新型「フリード」優勢。「シエンタ」に勝る点、劣る点
【VIPの隠密仕様】アルヴェル4人乗り「スペーシャスラウンジ」準備中。目立ちすぎLMより本命
【装備充実】ミドルサイズSUV「F-PACE」にジャガー90周年特別仕様車を追加 917万円から