もくじ
ー AMG第5のモデル 全て4WDで登場
ー 2種類のガソリンエンジン
ー CLSとの違い AMG製V8エンジンにあり
ー スタイリング コンセプトのまま AMGらしさを強調
ー インテリアもAMG流 走りはGTとの共通点あり
ー まずは3モデルで発売開始
ー トップモデル GT63 S 4マティック+とは?
『新型メルセデス-AMG 4ドア・クーペ』すべての画像をみる
AMG第5のモデル 全て4WDで登場
メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスカー部門、AMGの最新作となるGT 4ドア・クーペが公開された。
トップモデルとなるGT63 S 4マティック+には、639psを発するターボ付き4.0ℓV8ガソリンエンジンが積まれ、3.2秒の0-100km/h加速と最高速度315km/hを可能にしている。
ポルシェ・パナメーラのライバルは、英国では9月の発売が予定されているが、デリバリーは2019年1月以降となりそうだ。価格についての正式発表は行われていないが、そのスタートプライスは8万5000ポンド(1290万円)程度となる見込み。
GT 4ドア・クーペは、SLSクーペと同ロードスター、GTクーペと同ロードスターに続いて、メルセデス-AMGが送り出す第5のモデルとなる。
「4ドア・クーペ」の名が示すとおり、このクルマはサルーン派生のクーペ・モデルであり、そのメカニカル・コンポーネントはメルセデスCLS同様となる。しかし、このモデルは現行GTクーペに着想を得ており、ファストバック・スタイルのテールゲートを持つ。こうしたデザインは新たなAMGモデルに実用性を与えるためには不可欠な要素であり、AMG最高経営責任者のトビアス・ムアースは「高いレベルでの日常的な使い勝手」を確保することができたと語る。
2種類のガソリンエンジン
GT 4ドア・クーペは2種類のガソリンエンジンで販売を開始する。GT53 4マティック+には、メルセデス製の新3.0ℓ直列6気筒エンジンにマイルドハイブリッド・システムが組み合わされる。
GT63 4マティック+とGT63 S 4マティック+には、他のAMGモデル同様、それぞれ異なるチューニングを受けたAMG製4.0ℓV8エンジンを搭載。
その名が示すとおり、発売当初にライナップされるこれら3つのモデルは完全トルク配分式の四輪駆動が標準であり、最新のE63 4マティック+同様、9速ATとの組み合わせとなる。
AMG初の4ドア・ファストバック・モデルに使用されるのは、メルセデス・ベンツのMRAプラットフォーム。シャシー、電気システムなどを含めた多くのコンポーネントが、最近発表されたばかりの3代目CLSと最新Eクラスと共通のものだ。
CLSとの違い AMG製V8エンジンにあり
機械的にはCLSとEクラスと似た点の多いGT 4ドア・クーペではあるが、AMG独自の設計も盛り込まれている。例えば、このクルマのフロントエンドはAMG謹製のV8ガソリンユニットなど、異なるパワープラントを収納するため大きくなったエンジンルームに合わせて長くなっており、AMGのエンジニアによれば、パッケージングの制限により、このAMG製V8エンジンをCLSに積むことはできないという。
GT53 4マティック+では、その電気システムは48V仕様となる。48Vシステムは、EQブーストと呼ばれるパワートレインの一部として、ブレーキングやスロットル・オフでのコースティング時に運動エネルギーを回収するためのモーター制御に用いられる。CLS53 4マティック同様、回収されたエネルギーはリチウムイオン・バッテリーに貯められ、電気ブースト機能によりパフォーマンス向上のために使用される。最近S560eに搭載されたより進歩したEQパワーシステムとは異なり、この新たなAMGでは電気モーター単独で走行することはできない。
スタイリング コンセプトのまま AMGらしさを強調
昨年ジュネーブで公開され好評だったGT 4ドア・コンセプトのスタイリングは、若干の変更を受けたのみで、そのままGT 4ドア・クーペの量産モデルにも適用されている。
AMGファミリーとしてのアイデンティティーを明確にするため、GTクーペとロードスターのフロントとリアを中心に、いくつかデザイン・キューがそのまま使用されている。しかし、そのユニークな新型モデルのボディには、既存のメルセデス-AMGモデルと共用するパネルや要素は存在しない。
デザイン責任者のゴードン・ワグナーによれば「GT 4ドア・クーペは、われわれのデザイン言語を最もハッキリとしたかたちで表すとともに、パフォーマンス・ブランドとしてのAMGの独立した存在感を強調するものです」とのことだ。
このモデルのシルエットは、低く構えつつ、フロントのホイールハウス近くまで迫るその長いボンネットに特徴づけられており、ワグナーはこのデザインについて、これまでに登場した4つのシートをもつメルセデスとして「最もアグレッシブなダッシュボードからホイールへの」処理だと話す。
共用プラットフォームと同じようなコンポーネントを反映して、GT 4ドア・クーペとCLSのホイールベースは同じ2939mmだが、この新型AMGモデルの方がより長く、低く、幅の広いボディを持つ。
インテリアもAMG流 走りはGTとの共通点あり
インテリアではAMG独特のテイストと4シーターとしてのシートレイアウトが採用されている。なかでも主要なテーマはメルセデスの「ワイドスクリーン・コックピット」の新たな解釈であり、インストルメントとインフォテインメント機能をもつふたつの高精細ディスプレイが、ダッシュボードの高い位置に収められた1枚のパネルに収納されている。
走り出してみれば、GTクーペとロードスターとのハッキリとした繋がりが感じられる。GT 4ドア・クーペにも幅の広いセンターコンソールが与えられ、高さのあるセントラルトンネルが豪華なトリムのキャビンをリアまで貫いている。
フロントにはE63同様、厚みのあるパッドを持つスポーツシートが備わるが、その取付け位置は十分に低く、スポーティなフィールを醸し出している。一方で、低い位置にセットされたリアシートはE63以上のヘッドルームを確保しているとのことだ。
まずは3モデルで発売開始
シリーズのエントリーモデルはGT53 4マティック+となる。このモデルにはCLS53 4マティックと同じマイルドハイブリッドのドライブトレインが与えられ、435psのターボ付き3.0ℓ直列6気筒のガソリンエンジンは1800rpmの低回転から70.9kg-mというトルクを発揮。
さらに電気モーターにより22psの出力と25.4kg-mのトルクが追加される。これらのパワーは9つのギアをもつATのAMGスピードシフトTCT 9Gトルクコンバーターと、完全にトルクの可変配分が可能なAMGパフォーマンス4マティック+を介して四輪へと伝達される。
車重1970kgのGT53 4マティック+の0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は285km/hとなる。AMGによれば、複合燃費は11.0km/ℓ、CO2排出量は209g/kmとのことだ。
一方、CLS53の場合、0-100km/h加速は同じだが、最高速度は249km/hとなり、複合燃費は11.5km/ℓ、CO2排出量は200g/kmとなる。
トップモデル GT63 S 4マティック+とは?
さらに上級モデルとなるのが、車重2025kgのGT63 4マティック+である。このモデルではさらに進化したAMG製9速スピードシフトに湿式クラッチのMCTが組み合わされ、AMGパフォーマンス4マティック+によって四輪を駆動することで、
・0-100km/h加速:3.4秒
・最高速度:311km/h
に達しており、複合燃費とCO2排出量はそれぞれ9.1km/ℓと252g/kmとなる。
導入当初のトップレンジとなるのは車重2045kgのGT63 S 4マティック+である。エンジンはGT63 4マティック+と同じだが、チューニングの違いによって、その出力は54ps増しの639ps、トルクは10.1kg-m増の91.7kg-mを2500rpmで発揮する。
トランスミッションと4WDシステムはよりパワーの小さいV8モデル同様だが、0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は315km/hに達する。これにより、GT63 S 4マティック+は、AMG製4シーターとしては最速のモデルとなる。なお、複合燃費は8.9km/ℓ、CO2排出量は256g/kmである。
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