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【試乗】新型レクサスLSは「超高級」でも「スポーティ」な二面性をもつ!

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【試乗】新型レクサスLSは「超高級」でも「スポーティ」な二面性をもつ!

 大柄ボディでもワインディングを「攻めたく」なるフットワーク

 今年1月のデトロイトショーで初公開されて以降、3月のジュネーブショーでハイブリッド、4月のニューヨークショーでFスポーツ、そして6月に日本仕様のお披露目と先進の予防安全パッケージ(レクサス・セーフティ+A)が発表された新型LS。

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 開発コンセプトは「初代LSの衝撃を超えるクルマ」であるが、その実現のためには従来の延長線ではなく、デザイン、パッケージング、パワートレイン、プラットフォームなど全てを刷新させることだった。筆者は旭利夫チーフエンジニアを含め開発チームに色々な取材を行なってきたが、ついにステアリングを握る時がやってきた。場所はアメリカ・サンフランシスコである。

 いきなり結論になるが、新型LSはいい意味で「二面性」のあるクルマである。

 エクステリアは6ライトのクーペシルエットを採用し、ジャーマン3のライバルとは異なる独自性を表現しているが、よく見ると従来モデルの要所をシッカリと抑えたレクサスらしいスタイリング。好き嫌いは確実に出ると思う、好きな人にはハマるデザインだ。個人的にはレクサスのアイデンティティの一つ「スピンドルグリル」に見合ったプロポーションに仕上がったと思っている。

 一方、インテリアは低重心パッケージでかなり低めの着座位置となっているが、運転席はドライバーズカーらしい、ほど良い包まれ感を持ちながらも視界は非常にクリア、後席はクラストップのレッグスペースが確保され、フォーマルセダンらしいゆったりとした空間を実現している。ヘッドクリアランスも全高の低さを考えると余裕があるが、サンルーフ付きはやや閉塞感があるかも!?

 パワートレインは2種類、V型6気筒3.5リッターツインターボ+10速ATは、いい意味でターボらしくない実用域からトップエンドまで綺麗にストレスなく回る気持ちいいユニット。普通に走っている時はエンジンやATの存在を感じさせず、LSならではの静粛性や滑らかさが光るが、いざアクセルを踏み込むと心地よいサウンドとキレのいいATが主張する。歴代モデルで静粛性を極めたクルマだからこそ、「静」と「動」を上手にコントロールできているのだろう。

 V型6気筒3.5リッター+マルチステージハイブリッドはLCにも採用されているユニットだが、こちらもハイブリッドの欠点であるラバーバンドフィールを減らし、ダイレクトでスムースなフィーリングを実現している。こちらは実用域では問題ないが、いざアクセルを踏み込んだ時に、車両重量に対して絶対的なパフォーマンスが足りないように感じた。

 一定速では明らかにガソリン車を超える静寂さだが、アクセルを踏む込みEV走行からハイブリッドに切り替わる際にエンジンがちょっと唸り過ぎな感もある。スポーティと言えばスポーティだが、LSのキャラクターを考えると、こちらは「静」と「動」のギャップは激しいと感じた。個人的にもう少しモーターアシストを活かす制御でもいいように感じた。

 今回の試乗コースは高速道路(フリーウェイ)からワインディング、一般道までさまざまなステージが用意されていたが、フリーウェイではビシーっとした直進安定性にしなやかに路面を捉える足さばきの良さが印象的で、まさにLSらしい優雅でドッシリとした乗り味だ。

 それでいて、いざワインディングで走らせると全長5m超、ホイールベース3125mm、そして車両重量は2トンである事を忘れてしまうフットワークの軽さや修正舵が極めて少ない正確で一体感の高い走り、たとえるならも一クラス下のGSに乗っているようなサイズ感の不思議な感じこそ、メルセデスやBMWとは違ったレクサス独自の“味”なんだと思う。

 そもそも歴代LSはワインディングを楽しむクルマではなかったが、新型は「おまえはスポーティセダンか!!」と攻めたくなってしまうハンドリング備えている。視界の良さに加えオーバーハングが短く四隅にタイヤがあるので、狭い道であっても距離感が取りやすいので、誰が運転しても操りやすいクルマだと感じた。

 新型には「ノーマル」と「Fスポーツ」が用意されているが、そもそもノーマルで従来のFスポーツを遥かに超える運動性能と快適性能がバランスされているため、「ノーマルで十分でしょ!!」思う一方で、Fスポーツはノーマルよりハンドリングにキレがあり、クルマがより小さく/軽く感じる。これは専用セットのサスペンションに前後異形タイヤ、さまざまなシステムを統合制御するレクサス・ダイナミック・ハンドリング(LDH)の効果が大きいと思うが、制御の介入を感じさせない自然なフィーリングもこれまでのレクサスとはちょっと違う部分だ。

 その一方、快適性に関してはノーマルとFスポーツの差はほとんど感じないレベルで、個人的にはノーマルの場合デフォルトは少し快適性に振ったほうがグレード毎の個性は光るのでは……と感じた。ちなみに走りの特性が5タイプ選択可能なドライブモードセレクトはノーマルはノーマル→コンフォートの差、Fスポーツはノーマル→スポーツ/スポーツ+の差がわかりやすかったので、ディーラーで試乗する際にはその辺りもチェックしてほしい。

 佐藤琢磨選手の「相棒」ロジャー安川さんも太鼓判

 じつは試乗会場で元インディカードライバーでインディ500で優勝した佐藤琢磨選手のスポッターを担当したロジャー安川さんに出会ったので、新型LSの印象を聞いてみた。

「新型はカッコいいだけでなく、見た目と走りがマッチしていると思います。パフォーマンスは従来モデルから飛躍的にレベルアップしており、パワートレインはどちらもゆっくり走りたい時は静かだけど、アクセルを踏み込むと加速も音もいい」

「前席はサイズや重さを感じないハンドリング、後席はリラックスできる快適性を両立。感心したのはブレーキで、凄くフィーリングがよくてビックリしました。確かにボディサイズは大きいですが、視界もよく距離感が取りやすいので誰が乗っても操りやすいと思います」

「個人的に選ぶならFスポーツですね。今までLSでワインディングを走ろうとは思いませんでしたが、このモデルはコーナーを攻めていると自然と笑顔になってしまいました」、とのことだった。

 結論、個人的にはLS500 Fスポーツのトータルバランスの良さが光ったが、インテリアに日本の伝統美からフィードバックされたアイテムが選択可能なノーマルの最上級グレード「エグゼクティブ」もいいなぁ……と、グレード選びは非常に悩ましい。

 欲を言えばLFAのようにユーザーの好みを形にできるオートクチュール仕様があってもいいと思う。また、このシャシーであれば、Fスポーツを超える「LS F」も不可能ではないはず。パワートレインはV型6気筒3.5リッターツインターボ+マルチステージハイブリッド、この組み合わせは技術的には可能のようなので……。

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