皆が恵まれているわけではない
ずっと売れているクルマを諳んじることはたやすい。ランドローバー・ディフェンダー、ボルボXC90などが例に思い浮かぶ。
価格高騰する前に買っておきたいモダン・クラシックカー5選 日本車は3台入選
しかし、短命に終わったクルマはどうだろう? メーカーは売れると踏んで発売したクルマなのに、意外とそうでもないことが多いのが現実である。
英国で短命に終わったモデルを、いま振り返ろう。販売期間を3年、2年、1年と分けてみた。
3年しか売られなかったクルマたち
アルファロメオ・スパイダー 2007‐2010
スポーツカーというよりも、屋根のあく乗用車。
重すぎる。安定しない。にもかかわらず、むりにクイックにしすぎている。
フィアット・イデア 2004‐2007
ひとを運ぶクルマとしては良いデザイン。ただし騒々しく、ぎくしゃくしていて安っぽい感じは販売当初から望みのないを意味していた。
ホンダCR-Z 2010‐2013
イギリスでは3年前に販売終了しているが、アメリカではこの間まで売られていた。
アイデアは素晴らしいと思う。80年代のCR-Xを彷彿とさせるデザインに低公害なドライブトレインを詰め込み、環境面に対するスポーツカーの背徳感を、少しでも和らげることができたクルマだ。
しかしCR-Zは遅い。これなら小型のディーゼル車に乗ったほうがよっぽど良いようにも思える。
メルセデス・ヴァネオ 2002‐2005
広告をでかでかと表示できるようにデザインされたクルマ。もちろん大半がそういう使われ方をしたハズだ。
セアト・トレド 2005‐2008
3世代目のトレドは、ずんぐりしたアルテア無しには語れない。大きすぎたトレドに突きつけられたのは、「NO」という言葉。
トヨタ・アーバンクルーザー(日本名:イスト) 2009‐2012
クールな名前、クールな見た目、いろいろクールすぎたのか、市場受けはコールドだった。
ヴォグゾール・アンペラ 2012‐2015
高価格ゆえに無頓着なひとばかりであった。
2年しか売られなかったクルマたち
アストン マーティン・シグネット 2011‐2013
聞いたところによると、アストンを持っているということをゴルフコースで誇示するために乗るクルマだとか。(ほんとうのところは不明)
キャデラックSTS 2009-2010
GMはわざわざ右ハンドルを用意したが、45台しか売れなかった。これは痛い。
シボレー・ボルト 2013‐2015
シボレーの撤退を決定づけたクルマではないものの、販売台数がふるわなかったのも事実。
クライスラー・デルタ 2011‐2013
クライスラーが定期的におこなう、他社のクルマに自社のエンブレムを付けて販売し、失敗する例のひとつ。
ランチア・デルタはかつてラリーの舞台で活躍したが、その姿はどこにもない。合掌。
クライスラー・セブリング 2007‐2009
何台残っている? 不明
アメリカでレンタカーとしてよく使われているようなクルマを買って何が楽しいのだろうか?
ダッヂ・アヴェンジャー 2007‐2009
先述のセブリングと似ている。ただし値段の割にパフォーマンスは良い。
ダッヂ・ジャーニー 2008-2010
ひとを運ぶためのクルマ。それ以外の何物でもない。
ダッヂ・ニトロ 2007‐2009
ずんぐりしたルックスはユニークだが、ダッヂのもうひとつの失敗作となってしまった。
フィアット・クロマ 2005‐2007
1980年代に作られていたクロマに敬意を払って付けた名前。ルックスは良い。
MG SV 2003‐2005
何台残っている? 不明
カバのようでカッコいい。デ・トマソの果たせなかったプロジェクトの修正版である。
ルノー・ヴェル・サティス 2002‐2004
伝統的な「何を考えているのかわからない」クルマのひとつ。特筆すべき点? 何もない。
ルノー・ウインド 2010‐2012
奇妙な形をしたニッチなロードスター。
ルノーUKは2011年の末には販売を取りやめることをすでに決めていたそう。
ローバー・シティローバー 2003‐2005
英国には2166台も残っているらしい。素晴らしい。今後、急激に少なくなるだろう。
TVRサガリス 2004‐2006
TVRが経営破綻しなければもっと売れていただろう。
ヴォグゾール・シントラ 2007‐2009
アメリカから輸入してラベルだけ張り替えたようなゴミ。
1年しか売られなかったクルマたち
シボレー・エピカ 2008-2009
ひとことで言えば、とてつもない失敗作。死ぬほど退屈な4ドアサルーンである。
シボレー・トラックス 2013-2014
クロスオーバーを連想させるネーミングと、セミデジタルのダッシュボードが良かったが、ちょうどこの頃、シボレーはヨーロッパ撤退を余儀なくされた。
ホンダ・レジェンド 2006-2007
このクルマはまさに伝説(レジェンド)だった。
10年前としては画期的なオートマ、セルフステアリング・レーンキーピング、衝突緩和システムなどのオプションを備えていたからだ。
ブルートゥースやバックカメラも当時は目新しい装備であったが、英国における欠点はディーゼルエンジンの設定がなかったこと。
ホンダ・ロゴ 2000-2001
スーパーミニサイズのクルマでとても平凡、それがロゴ。バスに乗るよりもマシ、というレベル。
ただし信頼性は高かった。このクルマは日本でウケるサイズだったように思う。
すぐにジャズ(日本名:フィット)にバトンタッチすることになったけれど。
日産キューブ 2010
日本では、よく見かけるクルマだが、イギリスの道では不気味で馬鹿げたデザインに映る。
ルノー・フルーエンスEV 2012‐2013
ルノーは当時79台の電気自動車を売ることに成功(失敗)した。
ルノー・コレオス 2008‐2009
SUVブームに乗れなかったクルマ。ルノー・サムスンはこれを改良して販売している。
サーブ9-5 2010‐2011
サーブの深刻な資金不足で、新しくオーナーになりたいと思っているひとの夢は儚く散ることとなった・
スバルB9トライベカ 2006‐2007
インプレッサWRXの影で、この鼻の突き出たSUVはひっそりと姿を消していった。何台残っているかも不明。
スズキ・キザシ 2012‐2013
4駆で2.4ℓのガソリンエンジン、オートマ、CO2排出量の多さ。英国で販売台数が少ない、決定的な要因だった。
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