赤黒ボディがカッコいいDR30型スカイライン 2000ターボRSに試乗
旧車好きな20歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらって今どきの若者目線の素直なインプレをお届けする企画。今回は、山梨県富士河口湖町の「T.M.WORKS」協力のもと、1983年式の日産DR30型「スカイライン 2000ターボRS」に乗ってみました。
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300馬力にアップしたハイチューン仕様
2004年生まれの佐々木藍咲さんは、2023年に女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」でレースデビューした女性ドライバー。プライベートでも大のクルマ好きである佐々木さんが、とくに好きなのが旧車とのこと。旧車ショップのツーリングに参加したり、KYOJO CUPのパドックエリアで開催されているイベントのひとつである旧車同乗試乗会にコッソリ(?)参加したりしているほどだ。
今回は「T.M.WORKS」の協力のもと、日産DR30型「スカイライン 2000ターボRS」に試乗してもらった。この車両はTRUSTのT518Zタービンを装着し約300psという仕様となったうえで、T.M.WORKSのハイパフォーマンス・ダイレクトイグニッションコイルキットが装着されている。ダイレクトイグニッション化により高電圧配線のプラグコードが不要になり、電力損失を抑えることができるため、安定した点火を実現。これにより始動性の向上や全回転域でのパワー&トルクアップ、さらにオーディオや車両ECUなどの電子機器へのノイズも抑制してくれるというアイテムだ。
なぜか『西部警察』を知っていて大興奮!
当時国産最速の一角を担ったスカイライン 2000ターボRSは、『西部警察』をはじめとした劇中での活躍も有名だ。21世紀生まれの佐々木さんは絶対に世代ではないと思いきや、なぜか『西部警察』を知っていた。
「このフロントバンパー、『西部警察』のクルマと同じですよね? カッコいいです! あと、やっぱりスカイラインらしいポイントというか、丸目4灯のテールランプが良いですね。それとこのツライチ感! 引っ張りタイヤでムチっとしながらツライチなのがカッコイイです」
フロントはエアロクラフト製のスポイラーが装着されており、ホイールはワタナベエイトスポークRタイプで、フロント8Jのリア8.5Jだ。前後とも195/55R15のタイヤを装着しているので、リアは結構引っ張っている見た目となる。
高性能GTカーならではの装備が満載
エクステリアも注目ポイントの多かった佐々木さんだが、旧車好きであるためDR30の姿形は見慣れていたのかもしれない。むしろインテリアの方での驚きが多い印象であった。
「なんか、ダンパーっぽい絵とスイッチがあるんですけど、もしかして純正で減衰とか変更できたんですか? この時代に凄くないですか!? あと、ドア内装に傘置きがあるの嬉しいですね。私、雨女なので! それと後ろを見てみるとピラーレスなのは驚きました! リアシートからもドアの開閉ができるドアノブがあるんですね。これも今ではあまり見ない装備ですよね」
佐々木さんが注目したスイッチは「フットセレクター」と呼ばれるもので、車内から減衰力特性を変更できるショックアブソーバーを備えていた当時のスカイライン。1981年に導入されたこのメカニズムは当時世界初であった。また、ピラーレスや傘置きといった豪華な装備は、当時の国産トップスポーツでありながら高性能GTでもあった面影を感じるポイントだ。
ターボの圧倒的な加速感が楽しい!
これまでさまざまな旧車を試乗してきた佐々木さんだが、タービンが変わったハイチューン仕様に乗るのはこれが初。その加速感に魅了されている様子であった。
「ブーストかかった瞬間から凄い! めっちゃ楽しい! ターボって感じですね。でも下の実用トルクもしっかりあって、街中を乗ってる分には普通のマニュアル車って雰囲気で、ちょっとクラッチが重たいけど繋がり方もクセがなくて、あまり気を遣うところはないです」
ノーマルで190psを誇ったFJ20エンジンは当時最強のスペック。量産車世界初の1気筒あたり4バルブを有するターボエンジンはまさに当時の最先端技術であった。ボディサイドにも「4VALVE DOHC」というゴールドのステッカーが輝く。ただ、ステアリングフィールには疑問を感じた部分もあるようだ。
「パワステが付いてて楽な感じはするんですけど、なんというか、ハンドリングのダイレクトな雰囲気に欠けるというか、センター付近がゆらゆらするというか……なんかピンと来ない感じです。乗り心地自体は結構良くて、ビックリしました!」
DR30型スカイラインのステアリング機構はボールナット式。現在一般的なラック&ピニオン方式が採用されるのは、この次のモデルとなるR31型になってからだ。このあたりはパワステの有無というより、メカニズムの基本的な部分で超えられない壁と言えるだろう。
佐々木藍咲選手の日産 スカイライン 2000ターボRS 〇と×
好きなポイントは?
「やっぱりターボの加速感! NAとは全然違うフィーリングです! あとはフロントリップとタイヤの引っ張り感が好きですね」
変えたいポイントはある?
「うーん、そのものを変えるのは難しいかもしれませんが、リニアじゃないステアリングフィールを変えられたら嬉しいです。あとこっちも好きですけど、後期の鉄仮面なフェイスも見てみたい!」
佐々木藍咲選手とは
佐々木藍咲さんは富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした、2004年生まれの若手女性レーシングドライバー。2024年シーズンは開幕戦で5位入賞を飾り、7月20日~21日に全日本スーパーフォーミュラと併催されたRd.2の予選では4位となっている。上位陣はフォーミュラでのレース経験もある強豪揃いなので、成長を感じさせるシーズンだ。
また、今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦。7月13日~14日に開催された富士ラウンドでは初参戦ながら予選44位、決勝37位で無事に完走するとともに、ルーキー賞を受賞した。12月22日(日)に行われるKYOJO CUP最終戦での走りにも注目だ。
レーシングドライバーとして活動しながら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めていて、公私ともにクルマ漬けの生活を送っている。
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みんなのコメント
それとハロゲンライトの体験もこの30スカイラインで、当時は明るかったな!