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『私を輸入車で連れてって』後編

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『私を輸入車で連れてって』後編

JAIA(日本自動車輸入組合)が主催する大規模な輸入車試乗会にマンガ家・コラムニストの辛酸なめ子さんが参加した。免許のない彼女が評価する最新輸入車の後編。

“ランボルギーニ セラピー”に感動後半はふたりのりのスポーツカー、アルファロメオ「4C スパイダー」からスタート。鮮やかなブルーのボディがスポーティでいかにも速そうです。

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乗ってみると体感速度が1.5倍くらいで60km/hぐらいでもかなりのスピードを感じ、レースに参加しているような疑似感が。アクセルを踏むと「グイーーン!」「ブロロロー!」と、エキゾーストサウンドが響き、路面が近くてスリリング。

運転している人はかなり楽しいようでした。青い海、ブルーの車、青い空が完璧に調和していて、どこまででも走っていきたい気持ちになりました。

続いて、ランボルギーニ「ウラカンEVO」です。今までの人生、乗る機会がなかったランボルギーニですが、ついに初乗車。

輝度と明度と彩度、すべてがかなりの強さでまぶしいボディカラーは「Arancio Xanto」。赤とオレンジが混じったような100%ポジティブカラーです。

こちらの車種は、ドアが上に開かない一般的なタイプでした。車高が低く、乗り込むときに「これがランボルギーニか」と、感じ入りました。

内装のデザインにはくどいくらい六角形が多用されています。風水的にも縁起が良く、調和や安定、パワーの増幅を表す形。その六角形がサブリミナル的に刷り込まれるセレブレーション空間です。

走り出すと小石がピシピシ跳ねて車高の低いクルマの底に当たるという、ランボルギーニの洗礼ともいうべき現象を体験。しかし運転する人によると、普通に運転しやすいそうです。

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「ブオーン!」というアクセル音も主張しまくっていて、この超目立つ車に試乗していると、いい意味でだんだん自己顕示欲が高まってきます。「ランボルギーニに乗っている私を見て!」という気持ち。海辺の家々の窓から、エンジン音に気付いた人が見てくれないか期待してしまいました。大磯プリンスホテルの前で宿泊客がチラ見してくれたときは、ひそかな充実感に満たされました。

山に向かって走っているときは、山々が女体に見えてランボルギーニを招き入れようとしているかのような錯覚に。ランボルギーニは男性性の極限の理想形で、乗っているだけで女性ホルモンが分泌する感が……。

エンジン音が全身に響き血行促進。“ランボルギーニ セラピー”と名付けたいくらい、心と体が高揚しました。

海外旅行しなくても輸入車試乗で世界のセンスを吸収!続いて乗ったルノー「トゥインゴ」には、ランボルギーニとはまったく逆のベクトルで癒されました。ブルーのボディに、フランスのセンスが結集したインテリア。

ドアの形、ヘッドレスト 、キャンパストップの質感など、細かいデザインにもこだわりが感じられます。かわいさとクールさをバランスよく併せ持ったクルマで、手頃な価格というのも魅力的。

天井の窓を開けると頭頂部にさわやかな風を感じました。ランボルギーニで火照った身体がクールダウン。

最後、都内に帰還するために乗ったのは、ボルボのフラグシップSUV「XC90」。こちらもXC60とおなじく人気のボルボです。7人も乗れる広さで、余裕と安心感にゆったり浸ってチルアウト。

XC60とおなじく、スウェーデンの有名コンサートホールの音場を再現したというサウンドシステムでニュースを聴いたら、アナウンサーの一言一言が立派な演説に聞こえました。

ボルボに始まりボルボに終わった今回のJAIA試乗会。世の中のニュースは不安な情報が多いものの、ボルボはすべての不安やネガティブ要素から隔絶された安全領域であることを実感しました。

年に1度の機会ですが、輸入車に乗りまくれて、人間としての経験値が高まり、グローバルな感覚を身に付けられた気がします。

海外旅行しなくても輸入車試乗で世界のセンスを吸収できそうです。

文・辛酸なめ子 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

1件
  • この記事ここで受け入れるヤツ少ねんじゃね?w
    輸入車は故障がーとか脳内でしか判断出来ない貧乏性なヤツらの集まりだからw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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