現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【インプレッサ カローラスポーツ マツダ3】 超白熱のカテゴリー!!! 国産Cセグハッチバック王座決定戦

ここから本文です

【インプレッサ カローラスポーツ マツダ3】 超白熱のカテゴリー!!! 国産Cセグハッチバック王座決定戦

掲載 更新 8
【インプレッサ カローラスポーツ マツダ3】  超白熱のカテゴリー!!! 国産Cセグハッチバック王座決定戦

 ここ最近、国産のCセグメントカテゴリーで、5ドアハッチバックモデルが続々と刷新されている。

 2018年には従来のオーリスからカローラスポーツにフルモデルチェンジ、2019年にはアクセラがマツダ3とグローバルネーミングでフルモデルチェンジされ、同年秋にはインプレッサスポーツがマイチェンを受けてD型となった。

【最新技術REレンジエクステンダーをひっさげデビュー!!】 マツダ2は2021年フルモデルチェンジ!!!

 グローバルではいまだにVWゴルフがベンチマークとなっているこのクラスだが、国産車も実力派がひしめき合っているのだ。ならば現在どのモデルが果たして王座に就くのにふさわしいのか?

 レーシングドライバー、自動車評論家の松田秀士氏が実際に乗り比べて徹底チェック! インプレッサスポーツとともにマイナーチェンジを受けたXVの試乗も合わせて掲載!

■インプレッサスポーツマイチェンでの改良点
・フロントバンパー&グリルのフェイスリフト
・LEDハイ&ロービームランプ採用
・リアフォグランプ装着
・17&18インチアルミホイールの新デザイン
・マルティファンクションディスプレイのデザイン変更
・シート材質(メイン/サイド)の変更
・マルチインフォメーションディスプレイつきメーターのデザイン変更
・アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能
・ドアミラーメモリー&オート格納機能
・リバース連動ドアミラー
・集中ドアロック(オートドアロック・アンロック機能つき)
・アイサイトツーリングアシストの採用
・アダプティブドライビングビーム採用
・フロントビューモニター設置

●【画像ギャラリー】インプレッサスポーツ カローラ マツダ3 そしてXV!!! 人気・実力ともに折り紙つきの4台をギャラリーでチェック!!!!

※本稿は2020年1月のものです
文・リポート:松田秀士/写真:ベストカー/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2020年2月10日号

■エントリーリスト

●スバル インプレッサスポーツ2.0i-Lアイサイト(246万4000円)

 2016年に登場した歴代5代目モデルが2019年秋にマイチェンを受けた。内外装を変更し、先進安全装備のアイサイトが従来の「Ver3」から「ツーリングアシスト」に進化。

●マツダ マツダ3ファストバック20Sプロアクティブツーリングセレクション(269万1741円)

 3代続いたアクセラからグローバルネームのマツダ3として生まれ変わったマツダの量販モデル。SKYACTIV-Xをイメージリーダーとする「第7世代商品群」のトップバッター。

●トヨタ カローラスポーツG “Z”(282万4800円)

 かつてのカローラランクス、カローラFX以来となるカローラの名を冠した5ドアハッチバックモデルが従来のオーリスから車名を変更し、激戦区のCセグハッチバック車市場に参戦。

■各社から出揃った実力派モデル どれを選ぶのが正解?

 昨年秋にインプレッサとXVがマイナーチェンジを受けたのだが、今回ボクが注目しているのはインプレッサだ。SUV全盛のこの時代だけど、国産Cセグ5ドアハッチバックはライバルのエントリーが続き興味深いカテゴリー。

 そこで話題の新星マツダ3と評価の高いカローラスポーツのハイブリッドを持ち出しインプレッサの試乗会に殴り込み! 同時比較試乗で王座決定戦だ。

 試乗車両はインプレッサスポーツ2.0i-Lアイサイト。比較試乗車として持ち込んだマツダ3もガソリンエンジンの2L。カローラスポーツは1.8Lハイブリッドだ。

 インプレッサの改良点は上のキャプションをご覧いただくとして、走りの変更点は、スバル側からは最新のプラットフォームであるSGPの強みを引き出すサスペンションの改良によって乗り心地とハンドリングを高い次元で両立、とある。

 ではまあ走り出そう。ドラポジを決める。ボクにとってインプレッサはベストなポジションがとれる1台だ。しかもダッシュボードが低くフラット、そしてAピラーも細くサイドの視界もいい。動かし始めてすぐに運転しやすいと感じる。

 さらに今回、駐車場から出口に行くまでに何か従来型のモデルとは違う気持ちよさを感じる。運転を始めて1分少々。こういう感覚は久しぶりだ。なにがいいのかはまだ説明できない。

 ではここまでをほか2台と比較してみよう。2台ともAピラー角が寝ていてフロントガラスが頭上近くまで迫る印象。

 マツダ3はヘッドアップディスプレイのダッシュ上部の膨らみが少々気になる。カローラスポーツはセンターディスプレイ上部のはみ出しによって左フェンダーの隅がわかりづらい。Aピラー越しのサイド視界を含めてインプレッサはかなりいい。

●インプレッサスポーツ

ピラーの細さとダッシュボードのフラット感でサイドの視界のよさが運転のしやすさを感じたというインプレッサスポーツ

●マツダ3

マツダ3はAピラーが寝ていてヘッドアップディスプレイのダッシュ上部の膨らみが気になったという

●カローラスポーツ

カローラスポーツはセンターディスプレイの上部はみ出しで、左フェンダーの隅がつかみにくいという

■想像を超えたSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の進化

 市街地を抜けて首都高速に乗る。ここでインプレッサの乗り出しの気持ちよさをようやく説明できるようになる。

 サスペンションがソフトになっており、確かにマンホールや路面補修の継ぎ目を通過しても以前のようなガサツな振動や突き上げを感じない。

 これはあとで主査の布目氏に確認したところ、主な改良はプラットフォームのポイントポイントの補強なのだという。

 ボクは個人的にSGPを高く評価していて、剛性面でやることはないと感じていたのだがまだまだやることはあったのね、ということ。

 車体がしっかりしたからサスペンションがしっかり仕事(動く)するようになったのだ。

同カテゴリーでもインプレッサスポーツとマツダ3ファストバックはまったく違う個性の走りを見せる

 特にホイールトラベルの初期に余裕が生まれた感じで、ロールさせるようなコーナリングではこれまでどおりのしっかりとした剛性感があるからスバリストの方、ご安心を。

 この乗り心地、マツダ3はやや硬めで低速では嫌味はないが、路面のアンギュレーション(傾斜)をしっかり感じるリアル派。カローラスポーツはインプレッサよりもホイールトラベルが大きく市街地レベルの乗り心地は1番。

 続いて首都高に入る。ここでモノを言うのはまず加速。

 カローラスポーツは市街地での発進加速で電動モーターの強みがありスッキリしていたが、速度が乗る高速域でほかの2車ほど力強さは感じず、マツダ3とインプレッサの自然吸気2Lのレスポンスのよさと加速力に押され気味。

 で、高速で速度が乗ると気になるのが室内静粛性。路面にもよるが、マツダ3は減衰節を採用している効果なのか?

 ロードノイズの高周波域がよく抑えられ、耳障りなノイズ感が低い。次いでカローラスポーツ、そしてインプレッサ。はい、インプレッサの次の課題はロードノイズだ。

■運転支援を比較

 さて、高速では運転支援を試そう。特にインプレッサは「アイサイトTA」が装備されたのだ。都合のいいことに事故渋滞に遭遇。ステアリング上のスイッチをONにして速度設定スイッチで設定する。全車速域対応だ。

 渋滞停止時の前車との車間もちょうどよく、停止する時のブレーキのかけ方も自然で早すぎず遅すぎず。安心して任せられる。

 また、通常巡行中のLKA(車線内中央維持機能)も非常に優れている。アイサイトはミリ波レーダーを使わず、ステレオカメラのみによるACC(前車追従)とLKAのコントロールだが、明らかにカメラの補捉域が広く車線を見失わないので途切れない。

 この点、カローラスポーツも同等のコントロールだが片方の車線が読み取れないことが多く、確かにインプレッサのほうが途切れない。

 マツダ3はACCが全車速対応だがLKAは60km/hまでの渋滞対応に限定されている。ここではインプレッサに軍配!

 ではハンドリングだ。サスペンションが動くようになったインプレッサはこれまでより安定性を増した。日本中どこを走ってもガラス面のような路面はなく、常に路面は変化する。つまり、サスペンションの路面吸収率が上がったことで外乱に対する4輪の接地度合いが上がり、加えてAWDによるトルク分散で安心・安定感が向上。

マイチェンで進化したインプレッサスポーツのアイサイトツーリングアシストを試す松田氏。通常走行中のLKA(レーンキープアシスト=車線内中央維持機能)もステレオカメラのみながら、そのカメラの補捉感が非常に優れていたと高く評価

 レーシングドライバー的には、よりコーナーへも気持ちよく飛び込めるようになった。その意味でスパっとステアリングを切り込めるのはマツダ3。

 操舵してからのダイレクト感が高いのでマツダの理想とするコントロール感があり、乗せられている感が少ない。カローラスポーツはこの点、ある程度ロールを許容するが尖っていないので誰でもOK! 的な間口が広いハンドリングだ。

■インプレッサSTIスポーツ試作車にも試乗

 ところで、今後のデビューが予想されるインプレッサSTIスポーツの試作車にクローズドコースで試乗してみた。サスペンションに無駄な動きがなく、低速域でもしっかりとホイールトラベルしている。

 電動パワステはそのままだというが、明らかにステアリングが重い。つまり、接地性が向上しているのだ。以前、辰己英治氏が開発したレガシィtSを思い出した。あの時よりもサスペンションは硬いが、ハンドリングの質感がtSなのだ。

WRX並みの応答を持ったこのクルマが「インプレッサSTIスポーツ」として2020年にもいよいよ登場か?

■松田氏の軍配はインプレッサに!

 結論! 今回はインプレッサの優勝。アイサイトTAの性能の高さ。乗り心地とハンドリングの安定感。運転のしやすさを評価しました。ただ一点、気になるのは燃費だけ。

松田秀士による3車の採点表 ※ADAS=先進運転支援システム

今回試乗した各モデルの諸元表

【番外コラム】XV改良モデルに試乗してみた

〈REPORT/永田恵一〉

 インプレッサの最低地上高を上げるなどしてクロスオーバー化したXVは、現在インプレッサシリーズにおける重要な柱に成長しているモデルである。

 今回の大幅改良でスバル車においてちょっと気になるアプライドがD型になったインプレッサに対し、XVは現行モデル同士だと約半年遅れの登場ということもあり、今回の改良でC型となった。

 C型になったXVの改良ポイントは、

・2L NAが2018年に追加された2L NA+小型モーターのハイブリッドとなるe-BOXERに統一されたこと(e-BOXERの追加後はXVにおけるe-BOXERの比率が50%程度まで上がっていたという)
・インプレッサ同様にアイサイトがツーリングアシストに昇格
・雪道や悪路でのトラクション性能を高める「X-MODE」はSNOW・DIRTとDEEP SNOW・MUDが選択可能になった
・若干の内外装の変更と装備内容の充実

と、明確なデザイン変更やサスペンションの改良があったインプレッサに比べると変わった部分は少ない。

 e-BOXERを搭載する最上級グレードのAdvanceに試乗したところ、オンロードで乗ったかぎりはツーリングアシストとなったアイサイトの進化以外、発表どおり改良前からの違いは特に感じられなかった。

 しかし、久々にXVに乗るとXVがほとんど失う要素なく、悪路走破性や乗降性の向上などが得られる魅力あるクルマなのが再認識できた。それだけにインプレッサの特に4WDを買うならXVも選択肢に入れることも薦めたい。

XV改良モデルのe-BOXERの走り自体は改良前と変わらず。居住性もCセグSUV車としては標準以上のレベルを誇る

●【画像ギャラリー】インプレッサスポーツ カローラ マツダ3 そしてXV!!! 人気・実力ともに折り紙つきの4台をギャラリーでチェック!!!!

こんな記事も読まれています

中団から抜け出せないキャデラック。現状、優勝争いは「ほど遠い」とバンバー/WECスパ
中団から抜け出せないキャデラック。現状、優勝争いは「ほど遠い」とバンバー/WECスパ
AUTOSPORT web
コスパに優れたBYDドルフィンがさらにお得になっちゃうかも! 最大50万円の購入資金が当たる「BYD DOLPHIN ありかもキャンペーン」実施中
コスパに優れたBYDドルフィンがさらにお得になっちゃうかも! 最大50万円の購入資金が当たる「BYD DOLPHIN ありかもキャンペーン」実施中
THE EV TIMES
アネブルが水素エンジンモデルを「人とくるまのテクノロジー展 2024」に展示へ
アネブルが水素エンジンモデルを「人とくるまのテクノロジー展 2024」に展示へ
レスポンス
千葉の「高速不毛地帯」に悲願の出入口が!? 東関東道「検見川スマートIC」計画は今どうなっているのか 国道357号の”鬼渋滞”緩和にも期待!?
千葉の「高速不毛地帯」に悲願の出入口が!? 東関東道「検見川スマートIC」計画は今どうなっているのか 国道357号の”鬼渋滞”緩和にも期待!?
くるまのニュース
フェラーリ、イモラの失態を“反省”/昨年より大幅に遅いラップタイム/今季初ソフトetc.【WECスパ木曜Topics】
フェラーリ、イモラの失態を“反省”/昨年より大幅に遅いラップタイム/今季初ソフトetc.【WECスパ木曜Topics】
AUTOSPORT web
巨大な“足場要塞”お見せします 上信越道の「岩塊撤去工事現場」6月公開 険しい現地は設備もスゴい!
巨大な“足場要塞”お見せします 上信越道の「岩塊撤去工事現場」6月公開 険しい現地は設備もスゴい!
乗りものニュース
マツダ新型「最上級モデル」初公開! FR×直6エンジンでめちゃ“楽しそう”! 日本販売も予定のビッグな「CX-80」は「CX-8」と何が違うのか
マツダ新型「最上級モデル」初公開! FR×直6エンジンでめちゃ“楽しそう”! 日本販売も予定のビッグな「CX-80」は「CX-8」と何が違うのか
くるまのニュース
2.7億円ではポルシェ「959」はお高い? F1パイロットも歴代オーナーに名を連ねる渋色「コンフォート」はフルレストア済みのお買い得車!?
2.7億円ではポルシェ「959」はお高い? F1パイロットも歴代オーナーに名を連ねる渋色「コンフォート」はフルレストア済みのお買い得車!?
Auto Messe Web
テオ・プルシェールがアロウ・マクラーレンと正式契約。インディ500を除く2024年インディカーの全戦に出走へ
テオ・プルシェールがアロウ・マクラーレンと正式契約。インディ500を除く2024年インディカーの全戦に出走へ
AUTOSPORT web
フレッシュアップされた2代目 日産「ジューク」に初試乗
フレッシュアップされた2代目 日産「ジューク」に初試乗
AutoBild Japan
【セーフティカーは速くないと】 ポルシェ・タイカン・ターボGTがフォーミュラEのSCへ
【セーフティカーは速くないと】 ポルシェ・タイカン・ターボGTがフォーミュラEのSCへ
AUTOCAR JAPAN
渋谷に「最強オフロードSUV」現れた!? 新型「ラングラー」発表! デザイン刷新で魅力増した!? 打越社長が語る魅力とは
渋谷に「最強オフロードSUV」現れた!? 新型「ラングラー」発表! デザイン刷新で魅力増した!? 打越社長が語る魅力とは
くるまのニュース
ホンダ「次期型オデッセイ」どうなる!? “大胆”刷新で近未来デザインに? 「高級ミニバン」次なる進化とは
ホンダ「次期型オデッセイ」どうなる!? “大胆”刷新で近未来デザインに? 「高級ミニバン」次なる進化とは
くるまのニュース
冒険を楽しめるキャンプミーティングも開催! クシタニ「ONTAKE EXPLORER PARK」の2024年シーズンがスタート
冒険を楽しめるキャンプミーティングも開催! クシタニ「ONTAKE EXPLORER PARK」の2024年シーズンがスタート
バイクのニュース
期待通りの大ヒットに! V12に5.3Lってロマンの塊だな!! 英国スポーツカーの象徴[ジャガー Eタイプ]
期待通りの大ヒットに! V12に5.3Lってロマンの塊だな!! 英国スポーツカーの象徴[ジャガー Eタイプ]
ベストカーWeb
生誕60周年! ホンダ「S600」はなぜ生まれた? ニュルでクラス優勝して世界に名を知らしめたブラバム ホンダのコンビとは?【クルマ昔噺】
生誕60周年! ホンダ「S600」はなぜ生まれた? ニュルでクラス優勝して世界に名を知らしめたブラバム ホンダのコンビとは?【クルマ昔噺】
Auto Messe Web
5月11日(土)THE MOTOR WEEKLY 放送予告!
5月11日(土)THE MOTOR WEEKLY 放送予告!
Auto Prove
ポルシェ、ベッテルをル・マンで起用しない理由を説明「この物語は終わったわけではない」
ポルシェ、ベッテルをル・マンで起用しない理由を説明「この物語は終わったわけではない」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • JC8登録の旧設計モデルと比較するのもどうかと思うけど、最新設計のニューモデルを凌ぐレポートにスバリストは感激ですよ!!
  • mazdaの質感が高すぎて1台だけCGみたいで草
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

200.2295.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.7272.4万円

中古車を検索
インプレッサ スポーツの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

200.2295.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.7272.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村