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軽自動車で上質さを追求したモデルとは!? 小さな高級車を目指した車5選

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軽自動車で上質さを追求したモデルとは!? 小さな高級車を目指した車5選

■満足度が高い上質なコンパクトカーたち

 1970年代に国内でマイカーが庶民にも普及しはじめたことにより、1980年代には出力の向上と装備の充実が一気に進みます。

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 なかでも、それまで大型なモデルにのみ搭載されていた快適装備や贅沢な機能が、比較的小型なモデルにも搭載されるようになりました。

 さらにバブル景気のころと1990年代以降には高級路線が小型車にも浸透し、各メーカーもそれまでに無い小さな高級車を発売。

 そこで、小さなボディサイズながらも、上質さにこだわったモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「コンチェルト」

 バブル経済が盛り上がりを見せていた1988年に発売されたホンダ「コンチェルト」は、当時、ホンダが業務提携していたイギリスのローバーと共同開発されました。

 ボディは6ライトウインドウが特徴的な、ヨーロピアンスタイルの4ドアノッチバックセダンと5ドアハッチバックをラインナップ。

 搭載されたエンジンは、当時のシビックと同じ1.5リッターと1.6リッターの直列4気筒エンジンで、4ドアセダンには従来のスタンバイ式4WDだけでなく、前後輪と後左右輪のタイヤへ独立して駆動力配分をおこなう4WDシステム「INTRAC(イントラック)」を採用するなど、先進的な機能が盛り込まれていました。

 上級グレードには、フルオートエアコン、電動パワーシート、キーレスエントリーや本革シートが採用されるなど、1.6リッタークラスとは思えない充実した装備で、小さな「レジェンド」とも評されます。

 コンチェルトは上質で快適なヨーロピアンテイストのクルマを目指していましたが、販売は決して良好ではなく、1992年に販売を終了。後継車の「ドマーニ」へバトンタッチしました。

●トヨタ「プログレ」

 1998年に登場したトヨタ「プログレ」は全幅が1700mmとコンパクトながら、搭載されたエンジンは2.5リッターと3リッターの直列6気筒であったため全車3ナンバーで、メーカー自らも「小さな高級車」をキャッチフレーズとしていました。

 全長は4500mmと「クラウン」より300mmほど短いもののホイールベースは2780mmと長く、前後席ともスペースには余裕があり、静粛性や乗り心地もクラウンと遜色ないレベルを確保。

 また、ウォールナットの本木目パネルや本革シート、高性能オーディオなどの高級車に相応しい素材や装備が採用されたほか、カーテンエアバッグやカーナビと協調したシフト制御をおこなう「NAVI・AI-SHIFT」など、当時、日本初搭載の最新技術が盛り込まれていました。

 駆動方式はFRで、サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンを採用。安定した上質な走りも実現した一方で、保守的過ぎた内外装のデザインは「退屈で地味」と評価され、年配者にしか受け入れられませんでした。

 プログレは一定のニーズがあったものの、1度もフルモデルチェンジすることなく2007年で販売を終了。2005年からは国内でレクサスブランドが展開されたため、実質的な後継車はレクサス「IS」です。

●マツダ「ベリーサ」

 2004年に登場したセミトールワゴン型コンパクトカーのマツダ「ベリーサ」は、2代目「デミオ」のプラットフォームを流用して開発されました。

 外観はデミオのようなポップなイメージではなく、フロントフェイスもリアビューも落ち着いた印象のデザインを採用。

 パワートレインは1.5リッター直列4気筒エンジンと4速ATの組み合わせのみで、駆動方式はFFと後輪をモーターで駆動する「e-4WD」がラインナップされています。

 ドアのロック/アンロックと、エンジンスタートができる「アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム」を全車に標準装備し、メーカーオプションでは約3000曲を収録できる「ミュージックHDD」が用意されていました。

 また、レザーパッケージを標準装備するグレードや、イモビライザー、オートライト、レインセンサーワイパーを組み合わせたパッケージが追加されるなど、2015年の生産終了まで装備の充実が図られます。

 ベリーサは大ヒットすることはありませんでしたが、11年ものロングセラーとなり、上質なコンパクトカーというコンセプトは現在の「マツダ2」へと引き継がれています。

■真剣に上質さを追い求めた軽自動車とは!?

●ダイハツ「ソニカ」

 2006年に発売されたダイハツ「ソニカ」は、軽自動車の主流が室内空間の広いトールワゴンに移行しつつあるなかで、流麗なデザインと優れた走行性能のパーソナルワゴンとしてデビュー。

 カップルをターゲットとして企画され、最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボエンジンによる余裕ある走りと、1470mmに抑えられた低い全高による安定感、そして、風切り音やロードノイズを低減させる技術を随所に採用して静粛性を向上させるなど、軽スペシャリティカーをコンセプトとしています。

 さらに、電子カードキーによるドアの解錠や施錠、ならびにエンジンの始動と停止が可能なキーフリーシステムを全車に標準装備。一部グレードには花粉除去モード付きのオートエアコンやクリーンエアフィルター、 セキュリティアラームが採用され、当時は軽自動車とは思えない充実した装備でした。

 しかし、クオリティの高さの割にソニカの販売は低迷。発売からわずか3年後の2009年に販売を終了します。

 当時の評価は高かったものの、すでにソニカのようなモデルのニーズは無かったということでしょう。

●トヨタ「ブレイド」

 2006年に登場したトヨタ「ブレイド」は、カローラのハッチバック仕様の後継車として発売された「オーリス」の兄弟車で、フロントとリアのデザインが独自のものとなっています。

 オーリスの1.5リッターと1.8リッターの直列4気筒エンジンに対し、ブレイドは最高出力167馬力の2.4リッター直列4気筒エンジンと、280馬力を誇る3.5リッターV型6気筒エンジン搭載車が設定されるなど、欧州製プレミアムコンパクトを彷彿させました。

 また、足まわりもダブルウィッシュボーン式リアサスペンションをFF/4WDともに採用することで、高い路面追従性を発揮。

 2009年のマイナーチェンジでは3.5リッターエンジン搭載車に、世界最速レベルの変速レスポンスを誇る「SPDS」6速ATをトヨタ車で初めて搭載するなど、見た目は平凡な5ドアハッチバックでありながら、ハイパフォーマンスさを内に秘めた高級車でした。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種のなかで、唯一の軽自動車であるソニカのコンセプトは受け入れられませんでしたが、現在販売中の最新軽自動車は、さらに装備が充実しています。

 たとえば、前車追従型クルーズコントロールや、オートライト、オートハイビーム、SOSエマージェンシーコール、各種先進安全装備など、ひと昔前までの軽自動車では考えられないようなものばかりです。

 そのため価格も高騰してしまいましたが、軽自動車のセールスは相変わらず好調ですから、ユーザーのニーズも大きく変化したということでしょう。

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