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バブルに間に合った! 日産「シルビア」とマツダ「ロードスター」は何が凄かったのか

掲載 更新 9
バブルに間に合った! 日産「シルビア」とマツダ「ロードスター」は何が凄かったのか

■その美しいシルエットが多くの人を魅了した日産シルビア(S13型)

 1980年代は、日本車の多くが後輪駆動を捨て、前輪駆動への転換を急いだ時代でした。それはコンパクトクラスだけではなく、セダンからスポーツ・スペシャリティなどにもおよびます。

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 ところが1980年代後半に登場した日産「シルビア(S13型)」とマツダ(ユーノス)「ロードスター(NA型)」は、性格もコンセプトもまったく異なるスポーティモデルですが、頑なにFR(フロントエンジン・リアドライブ)を貫き、ヒット作となりました。

 この両車には、どのような特徴があるのでしょうか。

 日産のシルビア(S13型)は、1988年5月に第5世代として生まれ変わってデビューしました。

 5代目となるシルビアは、初代とはデザインコンセプトはずいぶん違ってはいましたが、メーカー自らが「アートフォース・シルビア」と謳ったようにデザインコンシャスな2ドアクーペでした。

 シルビアは、その美しいボディデザインで、たちまち歴代シルビアを圧倒するヒット作となります。

 ボディサイズは全長4470mm×全幅1690mmと従来モデルと同等で5ナンバーモデルでしたが、全高を1290mmと低く抑え、ボンネットフードも限界まで下げて獲得した流麗なエクステリアが自慢でした。

 低いノーズと小さなキャビン、そして低いルーフを綺麗な曲面でつないだ美しいシルエットは、1988年のグッドデザイン大賞に輝いたほどです。同時に1988年-1989年の日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得しました。

 ボディタイプは2ドアクーペのほかに、デビュー直後からオープンモデルの4座コンバーチブルが設定されていたのも特徴です。このコンバーチブルの製作は、オーテックジャパンが担当して、幌の開閉は電動式が奢られます。その代わり先代までラインアップしていたハッチバック車がカタログ落ちとなりました。

 なお、消滅したシルビアハッチバックの後継車としてリトラクタブルライトを得た「180SX」が登場し、FR+5MTに執着する走り屋御用達モデルとなります。

 搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒のNAとターボの2種です。NA版が「J’s」と「Q’s」、ターボ版を「K’s」と呼んで区別しました。

 また、リアサスペンションをマルチリンク式にアップデート。車重1090kgから1130kgほどのシルビアに十分以上の運動性能をもたらしました。

 しかし、シルビアのその後はあまり幸福とはいえませんでした。S13型に次ぐ6代目モデル(S14型)は肥大化して人気が低迷。そして、7代目モデル(S15型)は、2002年の排出ガス規制や販売台数の低迷などを理由に、シルビアの歴史に幕を下ろすことになるのです。

■日本経済破綻の隙間を走り抜けた、マツダ「ロードスター」

 一方、1989年2月のシカゴショーで発表され、米国で先立って「MX-5 ミアータ」という車名で発売されたのが、ユーノス・ロードスター(NA型)です。

 1978年の第2次オイルショック以降、絶滅危惧種となりかけていたライトウエイト2シーターオープンスポーツとして、世界のファンの期待に応え、マツダが世に送り出したモデルです。国内では1989年の7月にデビューし、発売してすぐに人気車種となりました。

 1980年代半ば以降の世界的な好景気、日本では後に「バブル経済」と呼ばれることになる時代でなければ、デビューは難しかったと思われる特別で貴重なクルマです。

 好景気に湧く日本経済を背景にロードスターは、たちまち大きな反響をもって市場に受け容れられたとされています。

 ボディサイズは、全長3970mm×全幅1675mm×全高1235mm、ホイールベース2265mm。車重は1t未満のコンパクトなボディのフロントフードの下に収まるパワーユニットは、1.6リッター直列4気筒NAエンジンを搭載。

 足回りは、フロントとリアともに不等長アームのダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用し、前後ともにスタビライザーが装着されていました。

 ハンドルには、パワーアシスト付きラックアンドピニオン式、ブレーキは4輪ディスクとなり、特段目新しさは無いものの、FRスポーツとして堅実にまとまったモデルです。その乗り味の真骨頂は、スタートしてひとつ交差点を曲がるだけで理解できる「ヒラリ感」でした。

 その後、ロードスターは正常進化を遂げて、現行4代目で原点回帰ともいえるダウンサイジングを敢行しました。

※ ※ ※

 クルマだけに限らず、何かしら成功を遂げるためには「運」という要素は必要不可欠でしょう。今回紹介したシルビアとロードスターは、発売のタイミングが成功へと繋がり、運を手にした2台と言えます。しかし、あれから20年以上、ロードスターは現在も人気車種ですが、シルビアは生産終了と、2台の明暗は大きく分かれてしまいました。

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みんなのコメント

9件
  • たまにある雑誌で出るかどうかも分からない
    シルビアの予想をそんなの違うとバッサリ言ったのは
    プラットフォームとかの問題もあるけど、
    予想するデザインは今風なオラオラだし、
    それに走り屋だけが満たされるクルマが
    シルビアではないと言いたかったから。

    男女問わずノーマルで乗っても美しい姿で
    速さに関係なく運転が楽しくて、
    スカイラインよりお手頃な価格で
    更に手を加えられる伸び代を持ったクルマこそが
    シルビアだと思ってるから。

    でもこれはシルビアだけじゃなく、
    これから希望したい日産車の理想像でもあるけどね。
  • S13シルビアが販売されていた当時は男臭い走り屋の車というよりプレリュードとならぶ軟派なデートカーというイメージが強く街で見かけたシルビアはNAのQ’sのATが大半でターボのMT仕様は少数派だった。
     走り屋御用達としてS13が定番となったのは手頃な中古車が出回り出した90年代に入ってからでS14が3ナンバー化して肥大化したのが決定打となった。
     
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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