■日産「セレナ」はマイチェンでどこが変わった?
日産の人気モデルといえば、ミニバンの「セレナ」です。現行セレナは2016年8月にフルモデルチェンジした5代目モデルで、運転支援技術「プロパイロット」を搭載して人気を博しました。
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2018年3月には電動パワートレインの「e-POWER」を追加し、販売台数が増加。2018年度(2018年4月から2019年3月)に10万17台を販売し、ミニバン売上ナンバー1になりました。
そんなセレナが2019年8月にマイナーチェンジし、エアロ仕様の「ハイウェイスター」のデザインが大きく変更されています。
マイチェン前と後では、どこがかわったのでしょうか。セレナ ハイウェイスターの新旧モデルを比較してみます。
新型セレナ ハイウェイスターの外観は、日産車のデザインに共通する「Vモーショングリル」が「ダブルVモーショングリル」になり、これまで以上に大型化されました。
グリル内部にはクロームをちりばめ、宝石のようなリッチなグリルパターンとするとともに、バンパーに組み込まれたLEDフォグランプも大きくなり、押し出し感の強いフロントマスクに生まれ変わりました。
e-POWER搭載車においては、従来型セレナ ハイウェイスターは、グリル内にブルーのガーニッシュが装着されていましたが、マイチェン後はブルーのラインがグリルを囲み、先進的な印象を与えています。
リアビューの変更はわずかで、ハイウェイスター専用のLEDのコンビネーションランプは、これまで以上に縦長のデザインになりました。
さらに、アルミホイールのデザインが変更されるとともに、これまでe-POWER搭載車は15インチの設定しかありませんでしたが、16インチも選択できるようになりました。
ボディカラーは、朝日をイメージした明るい「サンライズオレンジ」と、スポーティな印象の「ダークメタルグレー」の新色2色が追加され、モノトーン9色、2トーン4色の全13色が用意されています。
セレナのデザイン変更について、日産は次のように説明します。
「セレナがマイナーチェンジでデザインを変更したのは、迫力のあるデザインを要望されるお客さまが多いためです。セレナの販売の7割以上を占めるハイウェイスターをダイナミックなデザインとする一方、標準車は落ち着いたデザインとすることで、モデルごとに差別化を図っています」
■新型セレナは全方位が安全! 安全装備も充実
安全性も向上し、360度の安全を提供する「全方位運転支援システム」が全車標準設定されました。
前方は、対向車がいてもハイビームを維持できる、ハイビームアシストの進化機能である「アダプティブLEDヘッドライトシステム」を日産として初採用しました(一部グレード)。
フロントカメラで前方の状況を検知し、対向車や先行車の有無に応じて、両側に12個ずつ配置されたLEDの照射パターンを変化させることにより、常に視認性の高い状態が維持できます。
後側方は、走行中に隣接レーンの後側方を走行する接近車両との接触を回避するよう支援する「インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)」や「BSW(後側方車両検知警報)」、後退時には、後方を横切ろうとする車両を検知し注意を喚起する「RCTA(後退時車両検知警報)」を新設定しました。
プロパイロットについては、ドライバーのストレスをさらに軽減するため、下り坂での設定速度保持や、よりスムーズな減速を可能とするブレーキ操作などが可能となりました。また、ワイパー作動時の機能向上も図っています。
※ ※ ※
国内のミニバンカテゴリーは、コンパクトサイズからラージサイズまで、さまざまなモデルがラインナップされています。
セレナが属するミドルサイズのミニバンでは、トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」やホンダ「ステップワゴン」など、ライバルが多く存在。
いずれも標準仕様とエアロ仕様を用意するとともに、ガソリン車とハイブリッド車をラインナップするなど共通点がありますが、セレナの場合、e-POWERという電動パワートレインや運転支援技術のプロパイロットがユーザーから支持を得ており、ミドルサイズミニバンでは存在感を示しています。
一方で、最近はトヨタ「シエンタ」や「ルーミー/タンク」、ホンダ「フリード」などのコンパクトミニバンが人気で、好調に販売を伸ばしています。
日産のミニバンとしてはセレナとエルグランドがラインナップされていますが、シエンタやフリードのようなコンパクトミニバンの選択肢がありません。
売れ筋のセレナで他社のミニバン勢に対抗するために、マイナーチェンジで改良をおこなったといえるのではないでしょうか。2019年もセレナがミニバン売上ナンバー1となるのか、今後の動向が注目されます。
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