さる11月20日(水)、中国の北京でアストンマーティン「DBX」が正式に発表された。創業106年を誇る英国の老舗サラブレッド・スポーツカー・メーカー初のSUVがついに姿を現したのだ。
翌21日(木)、ここ日本でも東京・青山にあるアストン・マーティン東京のショウルーム2階で、そのDBXがプレス関係者にお披露目された。
【主要諸元】全長×全幅×全高:5039mm×2050mm×1680mm、ホイールベース:3060mm、車両重量:2245kg、乗車定員:5名、エンジン:3982ccV型8気筒DOHCツインターボ(550ps/6500rpm、700Nm/5000rpm)、トランスミッション:9AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:フロント285/40YR22、リア325/35YR22、価格:2299万5000円(OP含まず)。DBXはアストンマーティン初のSUV&5人乗り。初めて見る“ナマDBX”は、まるで「DB6」みたいだ、と筆者は思った。
『007』の愛車「DB5」の次のモデルである。ふっくらとしたボンネットとツリ目のヘッドライト、その下のアストン伝統のグリルからなるフロント・マスクは、ボディ色にグリーンが入っているせいもあって、ゴジラみたいだ、とも思った。リアは、それこそDB6のようなダック・テイルになっていて、ゴジラのしっぽを思わせもする。
DB6は1965年登場の2ドア・モデル。Maw Eareyスタイリッシュでありながら、いい意味での既視感があって、それが親しみやすさにつながっている。ゴジラは筆者の個人的な印象だけれど、DB6は開発陣も意識していた。
プレス・リリースに、「設計の過程でDB6をトレーラーに載せて、エアロダイナミクスのテストをおこなった」という旨の記述がある。レトロがちょっぴり入ったラグジュアリーSUVのスポーツカー、というかスーパーカーというか、というデザイン・コンセプトは新しい。
タイヤはピレリ社製「P Zero」。タイヤサイズはフロント285/40YR22、リア325/35YR22。給油口はキャップレスタイプ。小さく見えて意外とデカイ全長×全幅×全高は5039×1998×1680mmもある。全幅はボディのみの数値で、ドラ・ミラーを含めると2220mmに達する。ホイールベースも長くて、3060mmもある。ポルシェの「カイエン」が2895mm、ベントレーの「ベンテイガ」だって2995mmで、3メートルを切っている。DBXは小さく見えるけれど、じつはものすごくでかいのだ。
灯火類はフルLED。ドアハンドルは、ほかのアストンマーティンとおなじく格納式。スッカフプレートはDBXのロゴ入り。プラットフォームは、アストンマーティンが2000年にジュネーブで発表した「V12ヴァンクイッシュ」以来、得意としている接着アルミニウム構造で、DBX専用に開発された。4ドア+リア・ゲートのボディはアストン初の5人乗りを実現している。
エンジンは、「DB11」と「ヴァンテージ」に搭載されている4リッターV8ツインターボの最新版で、510psの最高出力は550psに、625Nmの最大トルクは700Nmに強化されている。
ギアボックスはトルク・コンバーター式の9速オートマチックで、電子制御のセンター・デフを介して、4輪を駆動する。リアのデフは電子制御LSD(eデフ)が組み込まれており、左右リア・アクスル間でトルクを正確に配分する。
搭載するエンジンはメルセデスAMG製の3982ccV型8気筒DOHCツインターボ(550ps/6500rpm、700Nm/5000rpm)。トランスミッションは9AT。ギア・セレクターはスウィッチタイプ。0-100km /h加速は4.5秒、最高速度は291km/hに達する。車重2245kgのSUVとしては驚異的な性能というべきだろう。ちなみに、直接のライバルと目されるポルシェ「カイエン ターボ クーペ」は、それぞれ3.9秒と286km/hを主張している。カイエンのほうが、車重がちょっと軽いことにくわえて、最大トルクが770Nmと、1割強力なことが優位点だけれど、8速と9速のギアリングの違いもある。あくまで参考数値ととらえるのが大人の態度ではあるまいか。
サスペンションは前:ダブル・ウィッシュボーン、後ろ:マルチリンクで、アダプティブ・トリプル・チャンバー・エア・サスペンションをスプリング代わりに備えている。このエア・サスは190mmの最低地上高を50mm下げたり、45mm上げたりすることができる。その一方、スポーツカーのようなハンドリングを実現すべく、最新の48Vエレクトリック・アンチ・ロール・コントロール・システムと電子制御の可変ダンパーが組み合わされて、コーナリング時のロールを抑制する。
車高調整用スウィッチは、ラゲッジルーム・サイドにもある。通常時のラゲッジルーム容量は632リッター。リアシートのバックレストは40:20:40の分割可倒式。リアシートのバックレストをすべて格納すると、広大なラゲッジルームがあらわれる。リアシートのバックレストは、ラゲッジルーム・サイドにあるスウィッチを押せば倒せる。テールゲートは電動開閉式。実用性も高いインテリア内装は、これぞアストンマーティン! という感じだ。ドアを開けると、レザーで覆われた贅沢な世界が現れる。コクピットにはドライバーの眼前に10.25インチの、センター・コンソールには12.3インチの、それぞれ液晶スクリーンが配置されている。運転席に座っているだけで、007のテーマ曲が脳内に流れてくる。運転してみたいですね~。
ホイールベースが長いだけあって、後席のレッグ・ルームも十分。ショーファー・ドリブンとしても使えそうだ。
クオリティの高いレザーとウッドをたっぷり使ったインテリア。ステアリング・ホイールは、インフィオテインメントや運転支援系のスウィッチ、そしてパドルシフト付き。メーターパネルは10.25インチのフル液晶。ナビゲーションマップも表示出来る。インフォテインメント用モニターのサイズは12.3インチ。360°カメラは標準。センターコンソールには車高調整やヒル・ディセント・コントロールのスウィッチがある。日本市場での価格は2299万5000円。ポルシェ カイエン ターボ クーペが2010万5556 円、ベントレー ベンテイガV8が2081万7000円。ちなみにベンテイガV8はカイエン ターボと同じ4.0リッターV型8気筒ツインターボで、0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は290km/hである。
と書いて、ようやく筆者は気づいたのですけれど、アストン・マーティンはポルシェではなくて、同じ英国ブランドのベントレーを最大の仮想敵としているのだ、おそらく。
フロントシートは電動調整式。センターアームレスト付きのリアシート。スライド&リクライニング機構はない。リアシート用のエアコンスウィッチ。4枚のドアは、サッシュレス・タイプ。固定式のガラスルーフ(電動サンシェード付き)も選べる。生産はウェールズに新設された第2工場 で行われる。アストン・マーティンの今後を担うことになるDBXは現在、注文受付中で、納車は2020年第2四半期からとなる。
ちょうどダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドが新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で帰ってくる頃ですね。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)
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