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業界ニュース 2019.9.29

軽自動車に個性が無くなる? 人気モデルが似たデザインや装備を採用する理由

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■人気軽自動車がみんな「そっくりさん」ばかりの理由とは

 近年、軽自動車市場では人気となるモデルの特徴が、背の高いボディと両側スライドドアというふたつを備えた車種に固まりつつあります。各自動車メーカーも、軽自動車開発にあたってはそういった特徴を持つモデルを重点的におこなっている状況です。

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 いったい、なぜ人気車種の特徴が固定化したのでしょうか。

 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の発表によると、2019年8月の軽乗用車販売ランキングでは、1位がホンダ「N-BOX」で、2位に2019年7月に発売されたダイハツ「タント」がランクインしました。3位に日産「デイズ」、4位にスズキ「スペーシア」、5位にダイハツ「ムーヴ」と続きます。

 この上位5車種のうち、N-BOXとタント、スペーシアに共通する特徴というのが、前述した全高1800mm前後の背の高いボディと、両側スライドドアを装備した点です。上位5車種のうち3車種が同じ特徴を持つというのは、軽自動車カテゴリに限定しているとはいえ、突出しているといえるでしょう。

 なお、3位のデイズの販売台数には、1640mm(2WD車)の全高にヒンジドアを備えるデイズとあわせて、全高1775mmかつ両側スライドドアの「デイズルークス」の販売台数も含まれています。

 これは、全国軽自動車協会連合会の集計方法が、車種名(通称名)が同一(同じシリーズの車種)のものは、合算して集計するという方法をとっているためです。同じ理由で5位のムーヴにも、全高1655mmながら両側スライドドアを備える「ムーヴキャンバス」が含まれます。

 すなわち、軽自動車販売でランキング上位を獲得するためには、両側スライドドアをもったモデルは必須、さらに車高が高ければなお良し、というのが2019年時点の軽自動車販売の実情なのです。

 この傾向はいまに始まったことではなく、軽自動車販売において、長い間年間ランキング1位を維持しているN-BOXが初めて1位を獲得したのは2013年です。その後2014年は2位に転落するものの、2015年からは再び1位を獲得し続けています。2017年および2018年は普通車も含めた4輪車総合で1位となりました。

 なぜ、軽自動車市場で背が高く両側スライドドアを備えたクルマが人気となっているのでしょうか。ランキング1位のN-BOXをラインナップに持つホンダは、N-BOXのユーザーからの評価について次のように説明します。

「お客さまの声として、初代から室内の広さを好評頂いています。また、走行性能、利便性、安全性など総合的に普通車と変わらないのが、人気の理由だといえます」

 また、スペーシアを販売するスズキの販売店は次のように話します。

「スペーシアは、室内空間の広さや乗降性の良さなどのパッケージの高さが人気です。また、ファミリー層のユーザーが多いことも特徴です」

 ふたつの意見を統合すると、ユーザーにファミリー層が多いことに由来する、室内の広さや乗降性の高さ、そして開発競争が進んだことで軽自動車のクオリティが普通車と変わらないレベルとなったことが人気の理由のようです。

■社会の変化が人気車種の変動さえ招く可能性がある理由とは

 現在は、背の高いボディと両側スライドドアを備えた軽自動車ばかりが人気となっていますが、この傾向に今後変化は現れるのでしょうか。

 この点に関しては、ダイハツが2019年7月に新型モデルとなる4代目タントを発売したときに、興味深いデータを発表しています。

 タントは初代モデルが2003年に発売されていますが、当時は「子育て層>若年層>シニア層」というユーザー層比率でした。一方、10年後の2013年に登場した3代目タントでは「シニア層>子育て層>若年層」と、ユーザー層が大きく変化していたのです。

 この調査結果はあくまでタントに限ったものではありますが、昨今の少子高齢化の進むスピードを考慮すると、軽自動車市場、ひいては新車市場全体においても同様の傾向が見られる可能性はあります。

 実際に、ダイハツはこの調査を受け、車内に設置される乗降用の「ラクスマグリップ」、自動展開する「ミラクルオートステップ」、手動でターンできる「助手席ターンシート」などを新型タント向けに開発。

 ダイハツの担当者は「シニアの方が自力で乗り降りできるようサポートすることは、自立支援や介護予防につながり、移動のハードルを下げることで、彼らの社会参画につながります。多くの人が自由に移動できるような社会づくりをサポートしたいと考えています」と説明します。

 この軽自動車市場の流れからは、今後は背が高くても、低床設計やシートの着座位置を抑えたつくりにすることなどが求められているといえるでしょう。ユーザー層が変わることで、乗降性を高めたいまより車高の低いクルマが人気となる可能性さえあるといえます。

 国内新車販売の約4割を占める軽自動車は、そのシェアの高さから、社会の動きの変化さえ人気車種の傾向に影響が出ているのです。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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