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「ラク」で「楽しい」がイチバン! 歴代スバル・レガシィとレヴォーグに乗って感じたスバル独特のGT性能とは

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「ラク」で「楽しい」がイチバン! 歴代スバル・レガシィとレヴォーグに乗って感じたスバル独特のGT性能とは

 こんなによかった? 4代目レガシィに受けた衝撃!

 GTカーと聞いて何を思い浮かべるだろうか? クルマに詳しい人はともかく、一般的にはスポーティなモデル、ともすればスポーツカーと同義であるというイメージを抱く人も多いだろう。実際GTとはグランドツーリング、GTカーとは長距離を走るに向いたクルマということになる。

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 さて、なぜこんな話をしたか。それはスバルが「あらためてスバル車のGT性能を感じてほしい」といった主旨の試乗会を開催してくれたからだ。スバリストはご存じなのかもしれないが、スバルは「安心と愉しさ」をクルマを通して提供することに注力していて、それを支えるのがGT思想なのだという。そしてそれをもっとも体現したクルマこそが、歴代のレガシィ・ツーリングワゴンであり、現行のレヴォーグだ。ちなみに私は朝イチの説明でそれを聞き、「う~ん、スバルがそこまでGT性能にこだわっていたとは……」という程度の印象だ。

 とまぁ難しいことはさておき、今回の試乗会は1泊2日で東京都にあるSUBARU本社から長野県阿智村を往復するというロングツーリング。用意されたクルマはなんと、初代から5代目のレガシィ・ツーリングワゴンとレヴォーグというもの。これを途中乗り換えして、SUBARUのGT思想に触れるという内容だ。何はともあれGT性能をじっくりと味わってみようじゃないか。

 さて、じつは私、まずまずこの業界に長くいるのだが、レガシィは4代目以降にしか乗ったことがない。そんなわけでやはり気になるのは初代から3代目だ。そこで宝くじで3桁万円を当てたことがあるという強運の持ち主である、宮本カメラマンに乗れる車両の抽選をお願いした。結果は、4代目、5代目とレヴォーグに乗れるという内容。宮本カメラマン曰く「自分のためにしか運は使えないんですよね……」早く言って欲しかったが後の祭りだ。

 だが4代目、5代目とも久しぶりの試乗。改めてステーションワゴンの良さとレガシィの乗り味を堪能してみたいと思う。

 まずは4代目。いや、こんなに良かったか? というのが正直な印象だ。街で未だにチラホラ見かけるが、改めてじっくりと眺めるとスタイリッシュで素直にカッコイイ。インテリアこそ「やや古」感があるが、高速での直進安定性、余裕のパワー&トルクで本当にゆったりと走れる。前後したがグレードは2.0GT、エンジンはまもなく消えゆく名機EJ20だ。

 ワインディングも走行したがこれがまた楽しい。ステアリングのセンター付近が正確だが過敏ではなく、ステアリング操作に対する車体の動きが人間の感覚に合っている。このセンター付近のセッティングは、GT性能に大切な要素であると実感した。過敏でもダルでも、無意識のうちにステアリング操作に神経を使うため、長距離を走ると疲労してしまうのだ。

 そんなわけで、4代目レガシィの走りはイマドキのクルマと遜色ないとすら感じた。それが証拠に、ワインディングでは付いてもいないパドルを幾度もカラ打ちしてしまったのだ。

 続いて5代目。じつはこのモデルの印象は身体に染みついている。登場してすぐに5代目レガシィB4の2.5iを雑誌CARトップ編集部が購入。当時CARトップに籍を置いていた私はこのクルマのリポートを担当し、慣らしも含めて日本全国を駆け回ったのだ。

 とはいえ久しぶりの5代目。新たな発見があるかもしれない……と思ったが記憶の中のレガシィどおりの印象だった。ともすればスポーツモデルのようだった4代目の影は薄れ、大型化したボディにゆったりとしたシート、さらにATからCVT化したことでダイレクト感も若干マイナスに……といった感覚がハッキリ蘇ってきたのだ。スポーツカー好きの私にとってそれは「残念」な「進化」だったものの、改めてGT性能に主眼を置いてみると、納得できるポイントも大きい。

 ボディ拡大、とくにホイールベースの延長は軽快さと引き替えに安定性をもたらし、さらには広い後席を実現した。2.5リッターNAエンジンは、残念ながらみんな大好きEJ20のようなパンチはないものの、日本の高速なら必要十分といったところか。そして何より、アイサイトVer.2が装備されたのが5代目だ。やはりその効果は大きい。長距離を走行するお供として、安心感の高いアダプティブクルーズコントロールは必須だと改めて実感した次第。

 そんな歴代レガシィに触れると、なぜここにあるのが6代目レガシィではなくてレヴォーグなのだろう、とちょっと寂しい気持ちに。やはりレガシィ・ツーリングワゴンは日本人にとって特別な名前であると思う。だがそれは名前だけの話。SUVやミニバンが台頭し、ステーションワゴンが続々と隅に追いやられるなか、日本市場にピッタリのレヴォーグが存在するだけでも、涙が出るほどありがたい話じゃないか。そんなわけで最新の正統な後継車に試乗する。

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 これが進化か! 「GT!」、「GT!」と、試乗会中スバル関係者からすり込まれたためか、これまで当たり前のように乗っていたレヴォーグの長距離走行時の性能に感動する。

 そもそもGTカーとして重要なポイントは何か? をこの試乗会を通じて考えてみた。

 まずはゆとりあるエンジンのパワー&トルクだ。これはありすぎて困ることはない。それこそ日産GT-R NISMOのような600馬力だっていいのだ。

 そして、センター付近のシッカリとしたステアリング。ダルなのはもちろん、前述のように過敏すぎてもダメ。

 重心センターの低さ。公道はギャップもあればアンジュレーションもついている。また、横風が強い場合もあるだろう。いくらステアリングがシャキっとしていても車体の上ものが動きやすければ長距離では神経を使うことになる。

 シート。これも大切。後席にひとを乗せるなら広さも重要だし、前席は適度なホールド性と座面やシートバックの硬さや反発力なども大きく影響してくる。

 ラゲッジ。長く走るということは荷物も増える。容量がある程度確保されていなければならないだろう。

 航続距離も重要だ。満タンでどれだけ走れるのか? 経験上、頻繁な給油や給電はストレスになる。エンジン車ならタンク容量と燃費の兼ね合いで決まる項目だ。

 スポーティさ。ハッキリいっていくら安楽でも走りに感動がないクルマは飽きる。ある種のスポーティさは運転することを飽きさせず、もっと遠くへと足を伸ばしたくなるものだ。

 と、こうした項目を並べて考えて見ると、やはりレヴォーグはすべて満たしている。今回はあくまで4代目、5代目を経験したのみだが、各代で足りなかった項目がバランスされているのがレヴォーグなのだ。

 ここまで乗って、思い出した。2011年の冬、その年ニュルブルクリンク24時間レースで使用した、GVB型のインプレッサWRX STIのレーシングカーに試乗させてもらったことがある。走行前、SUBARU/STIチームの総監督、辰己英治さんに「来年も使うクルマなので壊さないでね」と念を押されてシートに乗り込んだ。

 奇しくも雨が降って路面はウエット。辰己さんの言葉がヘルメットのなかをぐるぐると回り、ニュル号に乗れる喜びと、それを上まわる緊張のさなかで走り出した。だがコーナーをひとつクリアすると不思議と緊張はなくなり、ニュル号の走りを堪能できたのだ。降りた私は「こんなに乗りやすいんですね! レーシングカーってもっと人間に厳しいものだと思いました!」と辰己さんに伝えた。辰己さんは「ニュルは長い時間、過酷な路面を走るから、乗りやすくないと結果が出せない」というようなことをおっしゃったのを憶えている。

 スバルはレーシングカーからしてこうなのだ。楽しく、そして人間に負担をかけない、これがGT性能の本質なのだろう、と思いつつ、最終到着地であるSUBARU本社を目指した。

 ところが最後にオマケがある。東京に向かう夕暮れの高速上り車線といえば渋滞だ。ハッキリ言って渋滞はキライ、クルマの愉しさもへったくれもない。GT性能だって渋滞の前には……と思ったのだが、レヴォーグにはアイサイト・ツーリングアシストが付いている。

「ポチッ」。大げさでなく渋滞が苦痛じゃなくなるのだ。軽くステアリングに手を添えているだけで、ダラダラと進む車列の波に乗れる。じつはこの手の装備、イマドキは各メーカーが続々採用し、私も国産車を中心に試している。だが、すぐにオフにしてしまうものも多いのだ。その理由は、感覚に合わず、ブレーキのギクシャク感がストレスになったり、前車が動き出したときのスタートが微妙に遅くやたらと車線変更で前に入られたりするため。テストコースで優秀でも、やたらとブレーキの多い前走車や、強引な割り込みを狙うクルマもいる現実の公道では、実用的でなくなるものも多い。この点、長年の経験なのか、テストドライバーの味付けが優秀なのかは不明だが、レヴォーグは絶妙な加減速と車間距離で進んでくれる。

 アイサイトといえば、ステレオカメラ方式云々で語られることが多いものの、ハッキリいってそんなことはどうでもいい。ミリ波だろうが単眼カメラだろうが、それらを併用しようが、大切なのは作動させたときの動きと、装備した上での価格だ。そういった意味において、レヴォーグの「それ」は本当に使えるものだった。

 これからはGT性能の要件として、ドライバーをアシストするデバイスも加える必要があるだろう。そうなるとSUBARUが今後アイサイトをどのように進化させるのか、そこにも興味が沸いてきた。

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