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ホンダ「CR-V」初代モデルvs最新モデル 「ライトクロカン」ジャンルを確立した新世代RV

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ホンダ「CR-V」初代モデルvs最新モデル 「ライトクロカン」ジャンルを確立した新世代RV

■初代「CR-V」は現在のSUVのエッセンスをすでに持っていた

 初代ホンダ「CR-V」は、1990年代に三菱「パジェロ」や日産「テラノ」といった本格的な4WD車がけん引してきた「RV(レクリエーショナルビークル)ブーム」のときに誕生しました。

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 それまで4WD車というと、トラックと同様「はしご型フレーム」にボディを載せる手法で作られていましたが、快適性や燃費などが乗用車ほどよくない印象でした。

 そこでホンダは乗用車をベースに、都会を走る「ライトクロカン」として「CR-V」を開発。

 それから代を重ね、4代目まで同様なコンセプトのSUVとして販売されていましたが、2016年に日本市場から撤退してしまいました。

 北米や欧州などでは継続して販売され、2016年に5代目が販売されていましたが、2018年にSUVブームを受け、日本市場で復活を遂げることになり、現在に至ります。

 そこで、CR-Vの初代モデルと最新モデルを紹介したいと思います。

●1995年発売の初代「CR-V」

 日本の自動車市場でRVブームが起こっていた1995年。ホンダから新しいコンセプトのSUVであるCR-Vが発売されました。

 当時のホンダは、悪化していた財務状況を改善するための施策として、生活を楽しく豊かにすることをめざしたクルマづくりとして「クリエイティブ・ムーバー=生活創造車」というシリーズのクルマを企画。

 第1弾が「オデッセイ」で、CR-Vはクリエイティブ・ムーバー第2弾として誕生しました。

 シャシは同年代の6代目「シビック」のプラットフォームをベースに作られており、前後サスペンションはスポーティなダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架が採用されていました。

 外観のデザインはステーションワゴンタイプで、全長4470mm×全幅1750mm×全高1705mm(標準仕様)と、全幅がやや大きく、全高はRVテイストということで高められ、最低地上高も205mmありました。

 また、スペアタイヤをリアゲートに取り付ける「背面タイヤ」とすることで、RVを意識させるデザインでした。

 エンジンは2リッター直列4気筒のみで、最高出力130馬力と、当時のホンダ製エンジンのなかでは大人しいチューニングで、トランスミッションは当初コラムシフトの4速ATのみでした。

 都会を快適に走る「ライトクロカン」でしたが、通常はほぼFFで、前後輪の回転差が生じると4WDとなるスタンバイ式4WDを採用。実際に悪路走破性も考慮しており、現在のSUVよりもオフロード寄りに設計されていました。

 それまでにないジャンルのSUVとして、初代CR-Vは発売直後から好調なセールスを記録。コンセプトどおり、乗用車となんら変わらない乗り心地と使い勝手が、ユーザーに広く受け入れられました。

 海外でも発売されると、とくに北米でヒットし、シビック、アコードに続くホンダの3本柱を北米市場で形成することになります。

 初代CR-Vの当時の新車価格(東京店頭価格、消費税含まず)は、ベーシックなB仕様が172万円、標準仕様が198万円となっていました。

■満を持して復活した5代目「CR-V」は初モノづくし

●2018年発売の最新型「CR-V」

 前述のとおり、一旦日本市場から撤退したCR-Vでしたが、昨今のSUV人気もあり、2018年に新型CR-Vが日本市場で復活しました。

 一番のトピックスとしては、シリーズ初となるハイブリッドモデルがラインナップされたことです。

 ハイブリッドシステムは、駆動用モーターと発電用モーターを搭載する2モーター式の「SPORT HYBRID i-MMD」を採用。通常はモーター走行を主体としていて、走行シーンによってエンジンとモーターのパワーを使いわけるシステムですが、ホンダ初となるリアルタイム4WDに対応していました。

 エンジンは145馬力の2リッター直列4気筒で、走行用モーターは184馬力を発揮。3リッターエンジン並の出力でありながら、燃費は21.2km/L(WLTCモード、FF)と良好な数値です。

 一方、ガソリン車には1.5リッター直列4気筒ターボのダウンサイジングエンジンを搭載し、最高出力は190馬力となっています。

 外観のデザインはクロスオーバータイプSUVの定石で、空力性能も考慮したシャープな印象です。フロントグリルにはホンダ車で国内初のシャッターグリルを採用。エンジン水温など車両の状態に応じてシャッターを自動的に開閉することで、空気抵抗を低減して燃費向上を実現しています。

 ボディサイズは全長4605mm×全幅1855mm×全高1690mm(4WD)と、初代と比べるとふた周りほど大きくなっています。サイズ拡大はグローバルで販売するためであるのと、1クラス下に「ヴェゼル」があるので、車格の違いを明確にするためでしょう。

 また、ガソリン車には、これもシリーズ初となる7人乗りの3列シート車を設定。子育てがひと段落した世代の、ミニバンからの乗り換え需要に対応したといいます。

 衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全技術「Honda SENSING」を全グレードに標準装備し、価格はガソリン車が323万280円(消費税込、以下同様)から、ハイブリッド車が378万4320円からです。

※ ※ ※

 初代CR-VのヒットによりSUVの一時代を築いたホンダでしたが、代を重ねるたびに販売台数は低迷し、ついに日本市場から消えてしまいました。

 現行モデルも2019年上半期(1月から6月)の販売台数が9590台と、ライバルに対して差がつけられているのが現状です。

 新型CR-V発売時に発表されたコンセプトのひとつに「原点回帰」がありますが、ハイブリッド車で平均400万円という価格帯は、誰もが簡単に手が出る価格ではありません。

 闇雲に価格を下げてデフレ体質になるのは問題ですが、後発のトヨタ新型「RAV4」の価格が260万8200円からで、4月から6月の販売台数合計が1万7775台となっていることを考えると、なんらかの手を打つべきではないでしょうか。

 ライトクロカンの先駆けとして、本当の意味での復活に期待したいところです。

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