現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 誕生から17年、高価格でも売れ続けるトヨタ「アルファード」人気の理由とは

ここから本文です

誕生から17年、高価格でも売れ続けるトヨタ「アルファード」人気の理由とは

掲載 更新
誕生から17年、高価格でも売れ続けるトヨタ「アルファード」人気の理由とは

 2019年で初代の発売開始から17年を迎え、いまや国内における高級ミニバンの地位を確立したクルマがトヨタ「アルファード」です。

 2019年上半期(1月から6月)の登録車販売台数では、全体で13位となる3万5265台と、高価格なモデルにも関わらず新車市場で上位に位置する人気のクルマですが、どのような経緯でいまの人気を獲得したのでしょうか。

威圧感、凄っ! レクサス新型「LM」とトヨタ「アルファード」どっちが欲しい?

「アルファード」17年の歴史とは●初代アルファード(2002年発売)

 1997年に日産から発売された「エルグランド」は、日本における高級ミニバンというジャンル開拓すると同時に、それまでのミニバンとは異なる風格あるデザインや快適な居住性から人気を博し、トヨタはその対抗馬の開発に追われました。

 そして2002年に、エルグランドのライバル車として世に送り出した高級ミニバンが、初代アルファードです。

 車名は、星座の中でもっとも明るい星を意味するギリシャ語の「アルファ」が由来とされています。

 内装は、ウッドパネルを多用することでラグジュアリー感を演出することに成功しました。

 また、広々とした車内を始め、両側スライドドア、イージークローザーシステム、日本車初のパワーバックドアといった装備が特徴的です。

 月間販売目標台数は4000台を目標とされ、販売にあたり「G」と「V」というふたつのモデルで展開されました。

 Gはトヨペット店、Vはトヨタビスタ店(現ネッツ店)で販売され、のちにVはアルファードの姉妹車「ヴェルファイア」としての道を歩むこととなります。

 パワートレインは、2.4リッター直列4気筒エンジン、3リッターV型6気筒エンジンの2種類であり、駆動方式はFFと4WDがそれぞれ用意されました。

 販売開始年である2002年の販売台数は約5万3000台を記録。ライバル車であるエルグランドを上回る結果となります。

 さらに翌2003年には2.4リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車が追加されたことで、販売台数は約8万4000台を突破し、エルグランドに5万台近い差をつけることに成功しました。

ライバル不在!? アルファードが独自のポジションを確立するまで高級ミニバンとしての立ち位置を確立したアルファード●2代目アルファード(2008年発売)

 2008年にフルモデルチェンジがおこなわれ、2代目モデルになったアルファード。月間販売台数目標は3000台に設定されて販売が始まりました。

 このモデルより車名の後ろについていたアルファベット表記が外れます。先代のアルファードVは「ヴェルファイア」と改称されたことにより、アルファードとは別路線を歩むこととなります。

 その違いは外装で顕著に現れており、押し出しが強い雰囲気を感じさせるヴェルファイアに対し、アルファードはより高級感を強調したイメージを初代モデルから継承。フロントマスクも、それぞれ専用のデザインを採用することで差別化を図りました。

 パワートレインには、2.4リッター直列4気筒エンジンと3.5リッターV型6気筒エンジンの2種類を揃え、駆動方式には引き続きFFと4WDが用意されました。

 また、2代目モデルの登場時にハイブリッド仕様は一旦姿を消したものの、2011年に再び追加設定され、こちらも人気を博しました。

 2代目モデルの販売台数は、2008年から3代目登場までの2014年まで、年間販売台数ランキングトップ30にランクインする成績を記録しています(2011年を除く)。モデル末期の2014年にも、約2万6000台を販売しました。

 やはりライバル車であるエルグランドとは大きな差をつけ、日本における高級ミニバンとしての地位を奪取することに成功しました。

●3代目アルファード(2015年発売)

 現行モデルである3代目アルファードは、姉妹車であるヴェルファイアと同じ2015年に販売を開始しました。「大空間高級サルーン」をコンセプトに開発がおこなわれ、それまでのミニバンの枠にとどまらない高級車としての新しい位置づけがなされました。

 外装ではメッキを多用した大型フロントグリルが存在感を演出しており、さらに内装の木目調を採用したインパネとクリーム色を基調とする車内はゆったりとした落ち着きのある空間を演出することに成功しています(ブラックを基調とした内装色の設定も存在)。

 パワートレインには、2.5リッター直列4気筒エンジンと3.5リッターV型6気筒エンジンが用意されています。また3代目では登場直後からハイブリッド仕様の設定がありました。駆動方式にはFFと4WDのふたつのバリエーションがあります。

 装備面では、世界初の機能を備えたパノラミックビューモニター、インテリジェントクリアランスソナー、インテリジェントパーキングアシストといった最新技術の設定があり、見た目の高級感のみならず技術面での向上も図られました。

 販売面も好調であり、フルモデルチェンジがおこなわれた2015年は約4万4000台を売り上げ、その後2018年には約5万9000台を記録しています。

 アルファードは、それまで多人数で移動することが主な目的だったミニバンに、高級感という価値を加えて独自の立ち位置を確立したモデルといえます。迫力あるフロントマスクであるゆえ、街で見かけても印象に残りやすいクルマです。

 アルファードの外装デザインについて、トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「アルファードおよびヴェルファイアは、フロントのデザインをメッキ加飾し、水平基調とするデザインになっています。

 このようなデザインが、20代から40代と幅広いユーザーに好評です。また、一部には、クルマのデザインに個性を求める方もいますので、そのようなニーズにもマッチしているのだと思います」

 ※ ※ ※

 初代販売開始から17年、かつてのライバル車であったエルグランドが販売面でくすぶるなか、いまやアルファードは高級ミニバンの象徴ともいえるクルマへと成長を遂げました。  高級感があるだけでなく、愛車に個性の強さを求める需要が強いことが、高価格帯のクルマであるにも関わらず、高い人気を博す理由になっているといえるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産「“次期”スカイライン」登場しないのか? 待望の「V38型」は“全電動車”化か!? 現行型「異例の11年目」突入で今後はどうなる… 北米では「4ドアクーペ」コンセプトの姿も
日産「“次期”スカイライン」登場しないのか? 待望の「V38型」は“全電動車”化か!? 現行型「異例の11年目」突入で今後はどうなる… 北米では「4ドアクーペ」コンセプトの姿も
くるまのニュース
「さようなら。ありがとう」スズキ『スイフトスポーツ』現行モデルの生産終了に、SNSでは惜別の声
「さようなら。ありがとう」スズキ『スイフトスポーツ』現行モデルの生産終了に、SNSでは惜別の声
レスポンス
[レクサス ES300h]昔はモテモテだったけど……復活の狼煙は上げられるんか
[レクサス ES300h]昔はモテモテだったけど……復活の狼煙は上げられるんか
ベストカーWeb
よく見るとタイヤの前に謎の板! 段差で擦ることもあるし邪魔な気がするけどアレってなに?
よく見るとタイヤの前に謎の板! 段差で擦ることもあるし邪魔な気がするけどアレってなに?
WEB CARTOP
精緻なチューニングと高級感あふれる新グレードが登場! 新設定の日産「ノート オーラAUTECHスポーツスペック」とは
精緻なチューニングと高級感あふれる新グレードが登場! 新設定の日産「ノート オーラAUTECHスポーツスペック」とは
VAGUE
歴代最強のハイブリッド搭載! トヨタ『4ランナー』新グレードをチェック[詳細画像]
歴代最強のハイブリッド搭載! トヨタ『4ランナー』新グレードをチェック[詳細画像]
レスポンス
クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #18|アルファロメオ 166
クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #18|アルファロメオ 166
くるくら
IMSAに太田格之進を送り込み、セミワークス活動をスタートさせるホンダ/HRC。将来的にLMHマシンを手がける可能性はあるのか?
IMSAに太田格之進を送り込み、セミワークス活動をスタートさせるホンダ/HRC。将来的にLMHマシンを手がける可能性はあるのか?
motorsport.com 日本版
マクラーレンに翼授ける? レッドブルから獲得したマーシャルの働きにチーム感銘「欠けてたのはこういう人!」
マクラーレンに翼授ける? レッドブルから獲得したマーシャルの働きにチーム感銘「欠けてたのはこういう人!」
motorsport.com 日本版
トヨタ、アルファード・ヴェルファイアにPHVを初設定 8人乗りの廉価グレード追加で510万円スタートに
トヨタ、アルファード・ヴェルファイアにPHVを初設定 8人乗りの廉価グレード追加で510万円スタートに
日刊自動車新聞
帰ってきた道先案内人シェルパ! フレンドリーだけど頼りになる相棒
帰ってきた道先案内人シェルパ! フレンドリーだけど頼りになる相棒
バイクのニュース
わずか4点で「免許取り消し」に!? 恐怖の「下がってくる処分ハードル」どう回避する!? 免停まみれの「違反常習者」が「絶対にやってはいけないこと」とは
わずか4点で「免許取り消し」に!? 恐怖の「下がってくる処分ハードル」どう回避する!? 免停まみれの「違反常習者」が「絶対にやってはいけないこと」とは
くるまのニュース
ヒョンデの「日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025」6位は大健闘!「アイオニック5N」が票を稼げなかった理由とは【Key’s note】
ヒョンデの「日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025」6位は大健闘!「アイオニック5N」が票を稼げなかった理由とは【Key’s note】
Auto Messe Web
「クシタニカフェ清水」がリニューアルオープン!ジェラート専門店「PISTA GELATO」を併設  
「クシタニカフェ清水」がリニューアルオープン!ジェラート専門店「PISTA GELATO」を併設  
モーサイ
ヒョンデが東京オートサロン2025の出展内容を発表。日本発売予定の「インスター」などを初公開
ヒョンデが東京オートサロン2025の出展内容を発表。日本発売予定の「インスター」などを初公開
Webモーターマガジン
来季レッドブル昇格決定のローソン、人口500万人の母国ニュージーランドについて語る「僕らの国でモータースポーツは大きな存在」
来季レッドブル昇格決定のローソン、人口500万人の母国ニュージーランドについて語る「僕らの国でモータースポーツは大きな存在」
motorsport.com 日本版
2026年の市場投入が待たれる「Honda 0シリーズ」! 1月開催のCES2025でプロタイプカーと搭載OSなどを公開予定
2026年の市場投入が待たれる「Honda 0シリーズ」! 1月開催のCES2025でプロタイプカーと搭載OSなどを公開予定
THE EV TIMES
ポルシェのフォーミュラEスター、パスカル・ウェーレインらが「デイトナ24時間レース」に挑戦!
ポルシェのフォーミュラEスター、パスカル・ウェーレインらが「デイトナ24時間レース」に挑戦!
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.92199.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.92199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村