現在の軽自動車の主力モデルといえば、広い室内空間と便利なリアスライドドアを採用したスーパーハイトワゴンであることはだれも疑う余地はない。
ここで、今月発表されたばかりの2019年6月の軽自動車の販売台数をみてみよう。
【1000万円のクルマが今や100万円台!!】はたして激安中古車を買っても大丈夫なのか???
第1位がホンダN-BOX 23,605台第2位が日産デイズルークス(デイズ含む) 14,462台第3位がスズキスペーシア 12,807台第4位がダイハツタント 12,396台
※第2位のデイズは今年フルモデルチェンジを行い、好調なセールスによるもの。
そして、タントは7月9日にフルモデルチェンジを行っており、今後はN-BOX、タント、スペーシア、デイズルークスという順番になると考えられる。
最新の販売台数ではデイズに逆転されてしまったスペーシアだが、2017年12月に登場した現行モデルはクロスオーバーSUVテイストのギアを追加するなどN-BOXとは異なる路線を歩んだことで、販売台数を延ばしている。
しかしパレットの後継車として2013年2月に登場した先代スペーシアは良くできたクルマではあったのだが、タントのミラクルオープンドアのような特徴がなく、いつも4番目のモデルとして苦汁を飲まされていたのだ。実力は高いのだが、イマイチ人気がない。それが旧型スペーシアの評価で、こういったやや人気のないクルマこそ、中古車ではお買い得となりやすいのである。
そこで、ここでは旧型スペーシアの中古車状況をチェックし、狙い目のモデルを導きだしたい。
文:萩原文博 写真:スズキ
スペーシアの軌跡をたどる
2013年に発売した初代スペーシア
初代スペーシアは2013年2月に登場。当初は標準車のスペーシアのみだったが、2013年6月に押し出し感を強めたスペーシアカスタムを追加し、ライバルと同じバリエーションとなっている。2013年8月には衝突被害軽減システムの「レーダーブレーキサポート」を設定。
そして2015年5月にマイナーチェンジを行い、自然吸気エンジン車はエネチャージからSエネチャージに変更され、燃費性能が向上。さらに安全装備のレーダーブレーキサポートがデュアルカメラブレーキサポートに進化した。
同年8月にはターボ車がSエネチャージに変更され燃費性能が向上した。モデル末期となる2016年12月にはスペーシアカスタムZを発売。大きなメッキグリルに加えて、充実した装備が特徴だった。
ライバル車とともに中古車相場をみると
現在、先代スペーシアの中古車は約1850台流通している。先代のN-BOXが約6300台、先代になったばかりのタントが約4600台なので、中古車の流通台数も新車の販売台数に比例しているようだ。ちなみにだが、現行型スペーシアの中古車はすでに旧側の台数を超えて、約2200台も流通している。
続いて平均価格を見てみると、先代のスペーシアは3カ月前が約98万円で、今月は約94万円と順調な値落ちが続いている。
一方、ライバル車はどうかというと先代のN-BOXは3カ月前が106万円、今月は104万円。そして旧型になりたてのタントは3カ月前が127万円、フルモデルチェンジを行った今月は125万円と6月末からそれまでの横這いから一気に値落ちへと変じている。
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スペーシアの中古車を買うならこれだ!
流通台数こそ、少ないものの平均価格は割安となっているのが旧型スペーシアの中古車事情である。先代スペーシアのモデルの変遷を見てみると、中古車なので仕方ないとはいえ初期モデルに設定されているレーダーブレーキサポートでは購入後の満足度は高くならない。未装着よりは装着されているほうが良いとは言えるが、高い満足を得たいというならば、2015年のマイナーチェンジで変更されたデュアルカメラブレーキサポート装着車を狙いたい。
そういった視点で先代スペーシアの中古車相場を見てみると見、2014年~マイナーチェンジ前の2015年式はちょうど5年目に当たり、2回目の車検サイクルを迎えていることもあり、流通台数はこの3カ月で100台以上増加。加えて平均価格は約92万から約89万円と値落ちしている。
一方、マイナーチェンジ後となる2015年~2016年式の流通台数はほぼ約350台をキープしているが、平均価格は3カ月前の約112万円から約107万円と約5万円の値落ちを記録。平均価格で約18万円差があるが、これから長く付き合うことを考えて、安全装備の重要性を考えるとデュアルカメラブレーキサポートを搭載したマイナーチェンジ後のモデルをオススメしたい。
マイナーチェンジ後のスペーシアはいくらで購入できるか?
マイチェン後の2015~2016年式でデュアルカメラサポート装着車に絞って中古車を検索すると、最も多いのが約19台でカスタムXSターボとカスタムXSが並んでいる。続くのが標準車のXの約16台と全体的に流通台数はかなり少なめだ。軽自動車で先代モデルとなると先進の安全装備がまだオプションというケースが多いからだ。
パワフルなターボエンジンを搭載した最上級グレードのカスタムXSターボの平均価格は約120万円と高めで価格帯は約96万~約140万円とまだ100万円台が中心だ。
そして同じ自然吸気エンジンを搭載したカスタムXSの平均価格は115万円で、価格帯は約86万~約135万円とこちらもほとんど100万円台が中心。最後に標準車のXの平均価格は103万円で価格帯は約83万~約138万円で100万円以下の中古車が最も多い。
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スペーシアの中古市場を総括する
こうして見ると運転支援機能付きの先代スペーシアで中古車を探すとなるとそれほど価格差がないというのが実状のようだ。予算100万円以下ならば、標準車のXが狙い目となる。
しかし、新車からの値落ち率を考えると最上級モデルのXSターボが最も大きくなるという結果となった。
軽自動車の中古車はニーズが多いため割高感が高いのは事実。少しでも安く買いたいというユーザー心理に巧みに付いているからだ。絶対的な価格では標準車のXだが、軽自動車の中ではヘビー級の車両重量となるスペーシアをストレスなく軽快に走らせられるのはやはりターボ車だ。そうなると安全装備そして走りも満足できるカスタムXSが先代スペーシアのベストバイということになるのだ。
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