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カッコ悪かった「きのこミラー」なぜ減った? SUV・ミニバンの突起ミラーが消えた理由

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カッコ悪かった「きのこミラー」なぜ減った? SUV・ミニバンの突起ミラーが消えた理由

■フェンダーにあった「きのこミラー」もいまや懐かしき存在に

 最近のクルマでは、一昔前まで当たり前のように見かけていた機能や装備が無くなっていることがあります。その多くは、技術の進化によって必要が無くなったことで、淘汰されたのです。

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 そのひとつとして、「サイドアンダーミラー」があります。ユーザーからは、きのこミラーという愛称でも呼ばれていましたが、なぜ見る機会が減ったのでしょうか。

 サイドアンダーミラーとは、運転席からの死角となる左前方・側面を映すミラーとして、助手席側のフロントフェンダーに付いているものです。

 2003年に国土交通省は、クルマの視界を確保する間接視界基準の導入を決め、2005年1月1日以降の生産車からサイドアンダーミラーの取り付けが義務付けられています。

 その後、2016年6月の「間接視界基準に係る国際規則の採用」にともない、設置が義務付けられているサイドアンダーミラーと同等の視界が確保されるカメラモニタリングシステムで代用することが許可されました。

 そのため、最近のクルマではサイドビューカメラなどが取り付けられ、車内のスイッチによって任意に側面死角を確認できるようになった結果、サイドアンダーミラーを付けたクルマを見かけなくなったのです。

 サイドアンダーミラーについて、ホンダの販売店スタッフは、次のように話します。

「サイドアンダーミラーは、最近見かける機会が減りました。これは、メーカーとしてデザイン上できる限り突起物を減らしたいということで無くしているようです。

 また、最近のホンダ車では、助手席側のサイドミラーと一体になっているものが多く、N-BOXやCR-Vなどはそのタイプです。カメラタイプのものはステップワゴンなどに装備されていて、ウィンカーレバーの先端の切替えスイッチを押すと、モニターにカメラの映像が表示されるようになっています」

※ ※ ※

 サイドアンダーミラーが義務化された当時は、「きのこミラー」などといわれユーザーからは不評のようでしたが、アクティブなユーザーからは、SUVらしさがあると懐かしむ声もあるようです。

■いつの間にか見なくなったリアアンダーミラーとは、どんなもの?

 サイドアンダーミラー同様に、最近見かけなくなったものとして「リアアンダーミラー」があります。

 RVブームやミニバン黎明期には、バックドア上部に備え付けられたミラーが死角になる部分を映す装備として、純正装着やオプションとして定番アイテム化していました。

 車体後方、とくにリアバンパー周辺の死角を映すものとして、大きなサイズのクルマに乗るユーザーからは好評のアイテムでした。

 当時、リアアンダーミラーを装着していたモデルには、トヨタ「ランドクルーザー」、ホンダ「CR-V」「ステップワゴン」や三菱「デリカ(スターワゴン、スペースギア)」、日産「セレナ」などがあり、これらのモデルは、2009年以前に存在していた歴代モデルには装備されていました。

 例えば、ホンダ「ステップワゴン」は、ともに2代目モデルまでは装備例がありましたが、3代目(2005年)からは設定がありません。

 同様に、三菱のデリカは、4代目「デリカスペースギア」までは設定がありましたが、5代目「デリカD:5」では無くなっているようです。

 リアアンダーミラーが無くなった理由について、大手自動車メーカーの広報は次のように話します。

「第一に、2010年頃にクルマの突起物に関する保安基準の改正によって、基本的には禁止となりました。ただ、猶予期間があったため、一部のモデルではオプション設定があったようです。

 また、改正と同時期からリアカメラや360度カメラなどが普及したことによって、リアアンダーミラーの必要性が無くなっています」

 そんななか、取り付け部分が変わっても車体後方の視界をサポートするミラーを備えているのが、ホンダの「N-BOX」です。前述の販売店スタッフは次のように話します。

「N-BOXには、後方視角支援ミラーという装備が全車標準で付いています。これは、バックドアの内側に備え付けられ、車両に近い後方を映し、車内からは死角となりがちなエリアを正立像として確認できるので、後退時などで安心感を与えてくれると好評です」

※ ※ ※

 サイドアンダーミラーとリアアンダーミラーは、双方とも安全面を考慮した過程で誕生した装備です。サイドアンダーミラーは、より安全性を考慮し、設置場所を変えつつも生き残っています。

 対して、目視で確認するリアアンダーミラーは突起物という別の安全を考慮した結果、リアカメラ(モニター)に役目を譲りました。

 これからのクルマは、より安全性の向上が求められます。それは、乗員や歩行者など交通社会に関わるすべての人が安心して暮らせるための重要な要素なのです。

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