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ダイハツが新型タントを皮切りに新型車を続々導入か 第二弾はコンパクトSUV「DNトレック」?

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ダイハツが新型タントを皮切りに新型車を続々導入か 第二弾はコンパクトSUV「DNトレック」?

■タフトから続く小型4WDの血統に新たな希望

 2017年に開催された東京モーターショーにおいて、来場者から注目された「DNトレック」というクルマを覚えている方もいるのではないでしょうか。一見するとスズキ イグニスに似ていますが、よく見るとダイハツのバッジが付いていたというコンセプトカーです。

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 コンパクトなクロスオーバーデザインとなっている同モデルは、コンセプトカーとは思えないほどの完成度を会場で見せていました。近未来的な車内のデザイン、観音開きの4枚ドアはショー用のお愛想としても、その外観はいつ発売されてもおかしくないほどのできばえ。2018年度中には発売されるのではという見方もありましたが、結局は伸び伸びになっていました。

 これはダイハツの次世代プラットフォーム「DNGA」の発表が、ダイハツの主力商品である軽自動車に採用されることが優先されたためだと思われます。ですが、DNGAを採用した新型タントが登場したいま、第二弾で登録車として「DNトレック」が発表される可能性が高まっています。

 現在、各媒体においてDNトレック発売の話題が出ていますが、懐疑的な人もいるようです。なぜなら、同じようなキャラクターであるスズキ・イグニスが、国内市場において大きな成功を収めたとはいえないからです。しかしトヨタという大きな後ろ盾があるダイハツは、間違いなく市場動向を精査し、虎視眈々と発売時期を考えていることでしょう。

 そもそもダイハツの歴史を振り返ると、同社はコンパクトな4WDやクロスオーバーを造るのが得意なメーカーです。「タフト」という小型4WDは、トヨタ「ランドクルーザー」と三菱「ジープ」、そしてスズキ「ジムニー」の間を狙ったニッチなクルマでした。このクルマは後に「ラガー」→「ロッキー」となり、その後はモノコックボディ化したコンパクトSUV「テリオス」→「ビーゴ」という血脈に受け継がれていきます。

 国内市場で考えると、どれも決して成功を収めているとはいえない残念な状況でしたが、海外市場を見てみると、アジアを中心に着実にシェアを獲得してきたのがダイハツのコンパクトSUVなのです。とくに中国の市場は、これからコンパクトSUVのシェアがますます拡大されるといわれており、某マーケティング会社の調べでは、中国全体の販売台数の4割以上がコンパクトSUVになると予想されています。

 日本ではあまり知られていませんが、ダイハツは2019年1月に現地合弁会社を通じて7人乗りの新型SUV「アルス」を発売。実はこのアルスは、インドネシアなどで販売されている3代目テリオス(日本未導入)の姉妹車であり、タフトの血脈は進化して、立派にアジア各地で生きているのです。

 もはや国内よりも海外市場に活路を見い出そうとしているのはダイハツも同じこと。仮に日本でヒットをしなくても、海の向こうでは成功する可能性を持っているのがDNトレックなのです。

■トヨタとの連携でハイブリッドモデルもラインナップか

 DNトレックについての予想はいろいろ挙げられていますが、その実像を見ようとした時はトヨタとの連携を考えなければなりません。というのも、タフト時代から常にトヨタのバッジモデル「ブリザード」「キャミ」「ラッシュ」が併売されており、パワーユニットなどの重要な部分を兄弟車同士で共用してきたからです。

 ちなみに東京モーターショーでDNトレックが発売された時は、1.2リッターハイブリッドシステムと1リッターガソリンターボという仮想のパワーユニットが考えられていました。現状のトヨタやダイハツのラインナップで考えれば、1.5リッターハイブリッドシステム(アクア)と1.2リッターガソリンターボ(C-HR、カローラスポーツ)を使うのが妥当なところでしょう。しかし、前述の新ユニットを搭載してくるとすれば、トヨタのモデルラインナップはますます盤石になると言えます。

 すでに今年に入り、RAV4でハリアーやC-HRからこぼれたユーザーの獲得に成功しているトヨタは、DNトレックのOEMモデル、とくにハイブリッド車で新規の顧客を獲得したいと考えているはずです。それを考慮すれば、アクアやC-HRとバッティングしない布陣を敷いてくるのではないでしょうか。

 DNトレックで気になるのはスタイリングで、そのままの姿で発売されてもまったく違和感はありません。観音開きのドアをやめて、後部ドアのノブをCピラー内にでも収めれば、どこもイジる必要がない気がします。一方で、発表から2年経った現在ではデザインのトレンドもどんどん変わっています。それに、DNトレックはあまりに“あの”小型クロスオーバー車に似すぎです。トヨタが推し進めている「キーンルック」を積極的に取り入れてくる可能性も捨てきれません。

 モデル名についても気になるところです。ダイハツの商標であるビーゴやテリオスを復活させるという噂も立っていますが、過去の実績を振り返ると微妙なところです。大名跡となっている「ミラ」「ムーヴ」「タント」「アトレー」「ハイゼット」以外は、新型車にはまったく新しい名前か、この大名跡に何か加えるというのが最近のダイハツ車のセオリーとなっています。

 都内にあるダイハツ系販売店の営業スタッフは、このように語っています。

「従来のモデル名が付いた車種の新型であれば、発売の少なくとも3か月前にはメーカーから通知があります。新型コンパクトSUVについては巷の噂を聞いたり問い合わせがあったりするのですが、今のところ情報が皆無というのが実情です。

 仮に新型SUVの登場が本当であるならば、東京モーターショー2019で発表・発売という流れかもしれません。いずれにせよ、今のダイハツラインナップにはない商品なので期待はしていますね」

※ ※ ※

 いずれにせよ、DNトレックの発表は新型タントが一段落する2019年夏以降と見られていますが、昨今は事前にトレーラーなどで煽るという手法が定番化していますので、意外と早い時期にDNトレックの市販バージョンが見られるかもしれません。 【了】

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