現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【旧車】国産グループBカーとして現在でも根強い人気となっている、情熱の「日産 240RS」【モータースポーツ】

ここから本文です

【旧車】国産グループBカーとして現在でも根強い人気となっている、情熱の「日産 240RS」【モータースポーツ】

掲載 更新
【旧車】国産グループBカーとして現在でも根強い人気となっている、情熱の「日産 240RS」【モータースポーツ】

数あるグループBカーの中でも、もっともプライベーターに愛されたのが日産 240RSだと言えるだろう。欧州メーカーはホモロゲ用の200台を生産し、ラリーには事実上のワンオフ車で出たのに対して、日産はそのまま競技車として使えるように販売したからである。(ホリデーオート2017年12月号より)

ラリー好きのメーカーがラリーのためにリリース
かつて日産自動車が「ラリーの日産」と呼ばれていた時代、同社の歴代マシンは、サファリラリーに代表される長距離耐久ラリーを得意としていた。

すべてのクルマが運転できる。フルビット免許とフル免許って、いったい何だ!【くるま問答】

そこで活躍したのが510ブルーバードSSS、フェアレディ240Z、PA10バイオレットなどで、抜群の耐久性で好成績を挙げ1970年代のラリーシーンを彩った。

その後、80年代に入るとFIAの車両規定が市販車をベースとしたグループ4からグループBに変わる。その規定は、ざっくり言えば12カ月間に200台だけベースとなるホモロゲーションモデルを生産すればいいという内容だった。

日産は、その規定に合わせて240RSを生産した。ベースとなったのはS110シルビアだが、張り出したオーバーフェンダーなど只者ではない雰囲気を醸し出している。エンジンは名機と呼ばれるFJ24で、市販のFJ20とは全くの別モノだ。

ちなみに他メーカーはワークスカーを走らせるためにとりあえず市販用の200台を作る姿勢だったのだが、日産はホモロゲーション用の200台も安全装備を装着すればラリーに出られる競技車としてリリースした。

それは量産車メーカーである日産の良心であったろうし、そのおかげで240RSがプライベーターに愛されるグループBカーになったと言える。

ここで紹介する240RSも、そんな中の1台だ。ラリーにこそ出場していないが、ロールケージなどの安全装備を入れればクラシックカーラリーなどに出られる状態で、まだまだ現役だ。

イグニッションキーをひねると、11:1という当時としては高圧縮比のFJ24ユニットのためかクランキングは重い。だがエンジンがかかってしまえば、きわめて機嫌良くアイドリングする。

新車時のスペックは最高出力240ps/最大トルク24.0kgmで、現在でもほぼカタログ値の出力を発生しているという。トランスミッションは、オリジナルで装着されているのはクロスレシオの5速MT。ファクトリー仕様ではシンクロレスのドグクラッチミッションが採用された。

サスペンション形式は、フロントはストラット、リアが4リンクリジッドとなる。ここはサファリラリーで無敵を誇ったPA10バイオレットの頑丈な足を引き継いだ。ただし、そこはグループB。サスペンションの可動部に使われるゴムブッシュはピロボールに置き換えられて、より正確な動きを可能としている。

240RSが不運だったのは、時代がミッドシップ4WDを求めていたことだろう。WRCでは、1983年のニュージーランドラリーでの2位が最高位で、得意のサファリでの優勝も叶わなかった。ただ、国産グループBとして今でも根強い人気を誇っているクルマであることは事実だ。(文:ホリデーオート編集部/写真:森 浩輔)

日産 240RS(ホモロゲーションモデル) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4330×1800×1310mm
●ホイールベース:2400mm
●重量:970kg
●エンジン型式・種類:FJ24型・直4 DOHC
●排気量:2340cc
●最高出力:240ps/7400rpm
●最大トルク:24.0kgm/6000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:215/60HR14

[ アルバム : 日産240RS はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

前年から運用方法が一部変更。2024年のル・マン24時間セーフティカールールをおさらい
前年から運用方法が一部変更。2024年のル・マン24時間セーフティカールールをおさらい
AUTOSPORT web
伝説の「6輪F1マシン」を生んだ小屋 70年前のティレル工場が移転保存 英国
伝説の「6輪F1マシン」を生んだ小屋 70年前のティレル工場が移転保存 英国
AUTOCAR JAPAN
JAFが義務化しているユニバーサルロゴの意味は? 実際にラリー車両に貼ってモータースポーツ参戦している人の声を聞いてきました
JAFが義務化しているユニバーサルロゴの意味は? 実際にラリー車両に貼ってモータースポーツ参戦している人の声を聞いてきました
Auto Messe Web
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
AUTOCAR JAPAN
ロールス・ロイス傘下の「ダービー」世代 ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(1) 端正なコーチビルド
ロールス・ロイス傘下の「ダービー」世代 ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(1) 端正なコーチビルド
AUTOCAR JAPAN
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
くるまのニュース
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
WEB CARTOP
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
乗りものニュース
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
レスポンス
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
motorsport.com 日本版
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
@DIME
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
乗りものニュース
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
くるまのニュース
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
VAGUE
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
WEB CARTOP
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
Webモーターマガジン
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
乗りものニュース
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
@DIME

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

446.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

108.0280.0万円

中古車を検索
サファリの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

446.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

108.0280.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村