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業界ニュース 2019.2.27

水平対向エンジンは進化し続ける──ネガを解消した「e-BOXER」を山形県で試す!

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冬のスイスを訪れるとやたら目につく自動車ブランドがふたつある。ひとつはアウディ、もうひとつはスバルだ。

オンロード用フルタイム4WD「クワトロ」を、初めて世に送り出したアウディが、降雪地帯で人気なのは広く知られているところ。だから、冬になれば当然のように雪が降り、坂道も多いスイスでアウディが歓迎されるのはよくわかる。

    なぜスバルは4WDにこだわるのか?──冬の山形でスバル フォレスターに乗って考えた

そんなスイスでは、アウディとおなじくらいスバルの人気が高い。日本人としてはなんだか誇らしい気持ちになる。

いやいや、それどころかグローバルで4WDの売れ行きを調べると、スバルはアウディを凌ぎ、販売されるクルマのほとんどが4WDだ。

グローバルで見たアウディのクワトロ率、つまり前輪駆動などに対する4WD比率は50%をわずかに切る程度だ。とはいえ、SUV専業メーカーではない、フルラインナップの乗用車メーカーとしては立派な数字だろう。

ところがスバルはそのはるかに上をいく98%であある(2016年度の統計)。ちなみに、日本国内の4WD構成比率でいうと、「インプレッサ」が53.5%となるものの、インプレッサ以外の「XV」、「レヴォーグ」、「フォレスター」、「レガシィ」、「WRX」、「エクシーガ」はいずれも100%(2017年度の統計)。ほかに、全車後輪駆動であるBRZ(トヨタ86の兄弟モデル)のデータがくわわるものの、グローバルでは100%近い数字になるというからすごい。それだけスバルの4WDには定評があるのだ。

スバルで定評ある技術といえば水平対向エンジンも忘れるわけにはいかない。V型エンジンのバンク角をぐーっと広げていき、これを180度としたのが水平対向エンジンだ。実は水平対向エンジンにはもうひとつ定義があって、左右に分かれて往復運動するピストンが、必ず対になって動かなければいけない。このため、対をなすピストンの動きがお互いの振動を打ち消し合って静粛性が高いとされる。低重心と並ぶ水平対向エンジンのもうひとつのメリットだ。

つまり、クルマを上から見たとき、左右対称の形をしているのが水平対向エンジンであり、同じく左右対称に作られた4輪駆動システムと組み合わせれば完全に左右対称なドライブトレインができあがる。これこそ、スバルが長年作り続けてきた“シンメトリカルAWD”(スバルは自社の4WDのことをAWD=All Wheel Driveと呼ぶ)である。

このレイアウトは「4輪にかかる荷重のバランスがいいため、タイヤの接地性をしっかり確保出来る」というのがスバルの主張だ。ちなみに、この形式を採用しているのは世界中探してもスバルとポルシェの2メーカーだけというのは自動車愛好家の間で有名な話である。

せっかくここまでスバルのことを褒めちぎってきたけれど、シンメトリカル4WDの弱点をひとつだけご披露しよう。スバルの場合、水平対向エンジンをフロントタイヤのあいだに収めている。もっと正確にいえば、左右のフロントサスペンションに挟まれた狭いスペースに、本質的に幅をとる水平対向エンジンを押し込んでいるのだ。

このためエンジンの全幅が広がる恐れのあるロングストロークを採用しにくいという制約がある。いっぽう、自動車用エンジンの燃焼を改善しようとすると、ある程度のロングストローク化は致し方ないというのが現在の自動車業界では常識となりつつある。

世の趨勢に応える形で、スバルは2010年に新世代エンジン「FB型」を投入した。一部では、ストロークがボアを上まわるロングストローク型を実現したものの、スバルの歴史を振り返るとショートストローク型エンジンの時代があまりに長く、このため「スバルのエンジンは、高速性能はいいけれど燃費が悪い」とのイメージをなかなか払拭できずにいた。

しかし、近年登場した「e-BOXER」によってイメージは変わりつつある。端的にいえばハイブリッドの水平対向エンジンだ。ただしスバルは、e-BOXERがハイブリッドであると声高には主張していない。ハイブリッドカー=エコカーという既成概念があるため、おそらく「燃費はいいけれど走りはダメでしょ」といったネガなイメージに引きずられたくないのだろう。

実際のところ、e-BOXERの走りはいい。今回は山形県の酒田市から山形市まで、途中月山周辺を経由し、2台のフォレスターで走りまわったが、e-BOXER搭載の「フォレスター アドバンス」も、2.5リッター水平対向4気筒エンジン搭載の「フォレスターX-BREAK」と、まったく遜色のない走りを見せた。

これはe-BOXERの排気量が2.0リッターであるのを考慮すれば驚くべき結果だ。それどころか、中低速域ではe-BOXERのほうが力強く、そしてまたレスポンスが良好で、意のままに走れる印象が強い。中速以上の巡航ドライブに入る直前に、駆動系からコツンというショックが伝わるX-BREAKとは異なり、スムーズなドライブが楽しめた点もe-BOXERの魅力といえる。

しかも月山付近から山形駅までの下り坂中心のルートだったとはいえ、フォレスター・アドバンスはオンボード・コンピューターで15.1km/Lの好燃費を記録した。水平対向に対するこれまでのイメージを完全に覆してみせたのである。

今年は雪が全般的に少なかったものの、豪雪地帯で知られる月山周辺の圧雪路において、スタッドレスタイヤを履いたフォレスターが安定した走りを見せてくれたのはいうまでもない。e-BOXERを得て、スバルの4WDモデルがさらに魅力的に生まれ変わったことは間違いなさそうだ。

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(GQ JAPAN 大谷達也)

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