2017年に復刻したヨコハマタイヤの「アドバンHFタイプD」を、1985年式のホンダ バラードスポーツ CR-Xに履かせ、はやくも約2万kmを走行。そこで今回「その6」では、最近気になってきたある変化をご報告。さらに、スタッドレスタイヤへの履き替えを行った。
アドバンHF タイプDの新品時に感じた想像以上のマイルド感が……
2018年のゴールデンウィーク直前にヨコハマタイヤ アドバンHF-Dに履き換えてから、早くも半年以上が経過し、その間の走行距離もトータルで2万kmを超えた。同年9月末にローテーションしてからも1万km近く走ったことになり、これは世間一般的にはチョイとばかり走り過ぎかもしれない。まあでも、ボクにとっちゃ日常のアシとして普通に使っているだけなんだよね。
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これだけの距離を走っていれば当たり前だけど、トレッド面の溝は減っていってしまう。これに伴って、タイヤのノイズも少しばかり大きくなってきたみたいだ。とくに高速道路のような速度域の高い走行状態で気がつきやすい。
アウトサイド側にあるディンプルは新品時で2段になってるんだけど、いま現在4輪ともすべて段が無くなってしまった。外側のディンプルの深さは1mm位といった感じだ。このディンプルが無くなっちゃうと、アウトサイド側はまるでスリックタイヤのようになってしまう。
フロント、リアともほぼ同じような減り方をしているので、ローテーションした効果は確実にあったんじゃないだろうか。また、センター摩耗や内べりやなどの偏摩耗はまったく見られないし、4本ともキレイに減っていっている。
ここ最近で気になってきたことが、乗り心地の変化だ。トレッド面のゴム自体は極端に硬化した感じはないのだが、新品時のような柔らかさは徐々に変化しつつあるようだ。そのためなのか、乗り心地に若干だけど粗さを感じられるようになってきた。新品時が予想外にマイルドな乗り心地だったから、余計にそう感じてしまうのかもしれないけど。
期間にして半年チョット、2万kmほどの走行距離にしてはノイズや乗り心地の劣化が少しばかり早いかなと感じてしまうのは気のせいだろうか。ただ、ボクのように年間約3万kmも走るようなハイマイレージなユーザーを、メーカーとしても想定はしてないだろうから、まあ仕方ないのかもしれない。
このタイヤは、週末や月に数回のドライブだったり、イベントに参加するような旧車オーナーがターゲットなハズ。そういったユーザーたちは半年チョットで2万kmも走らないと思うし、耐摩耗性をそこまで重要視しないのかもしれない。
ハイグリップ過ぎず、乗り心地をうまくバランスさせた上に、魅力的なトレッドパターンも持っているアドバンHF タイプD。旧車ユーザーを意識した今までにない画期的なタイヤは、オーナーにとって期待値もきっと高いことだろう。
ただ、オイシイ期間がチョットばかり短いかなというのが、正直なトコロ。スポーツ系タイヤだから、ライフについてはある程度妥協してるんだろうけど、ここが強化されるとさらに魅力が増すのは間違いない。
ちなみに、これからの季節の万が一を考えてスタッドレスタイヤに履き替え、アドバンHF タイプDはしばしお休みしてもらうことにした。
はずしたHF-Dはタイヤブラシを使ってホイールごと水洗い。完全に水気を飛ばしたら、1本ずつタイヤ袋に入れて自宅の部屋で保管することに。こうすることで、次に履くときも気持ちがいいし、タイヤの劣化も極力小さくすることができるというわけだ。(文・写真:伊藤嘉啓)
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