エンジンのバリエーションは2タイプ
トヨタ・スープラは2002年に生産を終了し、17年ぶりに復活することになったことが話題となっている。1月14日のデトロイトモーターショーのカンファレンスで豊田章男社長は、真っ赤なGRスープラに乗って現れ、満面の笑みでGRスープラを紹介した。
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「僕の運転の師匠である成瀬さんから、ニュルブルクリンクをまともに走れるトヨタ車は、スープラしかないと言われました。でも、その当時スープラの発売は終了しており、初参戦したニュル24時間レースには中古車でのレースになった。他メーカーが2~3年後に発売するクルマを走らせているなかで」と、その当時のことを思い出し、どこか悔しそうな表情を見せていた。それから17年、先日ニュルで行われた新型スープラのテストでは豊田社長自らがステアリングを握ったのである。
そのときの心境を「旧友に逢えた気がした」と話す。一旦は途絶えてしまったスープラのストーリーが再び始まった瞬間である。車名に”GR”がついているのは、新型スープラをGRがゼロから開発に携わったクルマであるという証。すでに BMWとの共同開発であるということは周知の事実であるが、決して生産を丸投げしたということではなく、GRとしてスープラに必要な要素を投入している証が車名に表れているのだ。
すでに発表されているGRスープラ(日本仕様)の主要スペックは以下の通り。パワートレーンは、歴代スープラに採用されてきた直列6気筒ターボと、スポーティドライブを気軽に楽しむことができる直4ターボエンジンを用意。3リッター直6ツインスクロールターボエンジンは、最大トルク500N・mを、エンジン回転数1600rpmという低回転で発生し、アクセルペダルの操作に応じた思い通りの加速を味わえる。
一方の直列4気筒エンジンは、チューニングの異なるふたつの2.0リッター・ツインスクロールターボエンジンを設定するそうだ。最高出力258馬力というハイパフォーマンスを実現。本格的なスポーツ走行をも楽しめるチューニング仕様と、197馬力を発揮する、街中から高速道路まで軽快なドライビングを味わえるお手軽なモデルが用意される。
ホイールベースは、2シーターに割り切ることで86よりも100mm短い2470mmを実現。それにより、ホイールベースとトレッドの比率は1.55という、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの数値を達成。優れた回答性を可能にしている。
また、重心高にも徹底的にこだわり、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高。前後の重量バランスについても、理想とされる50:50の配分を達成しており、コーナリング性能向上に大きく寄与する。
開発を担当したチーフエンジニアの多田哲也さんは「走る楽しさを極めたピュアスポーツカーを追求しました。馬力やサーキットのラップタイムのような数値だけを追い求めるのではなく、いかにドライバーが車両と一体となって運転する楽しさを感じられるか、という感性性能を重視しています」と語る。
日本でも年内に発売が予定されているGRスープラ。価格は500万円代から用意されるという噂もある、スポーツカー好きにとっては気にせずにはいられないクルマであることは間違いない。
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